自己愛が強い人の特徴とは? 対処法と関わり方
アラサー女子を困らせる人はこの世にたくさんいます。セクハラ、パワハラ、マウンティング、毒親……。「男は敷居を跨げば七人の敵あり」なんてことわざもありますが、女子のほうが敵多くない? そこでこの連載ではアルテイシアさんに、困らせてくる人々に立ち向かう知恵を授けてもらうことにしました!
#女子を困らせる人、今回のテーマは「自己愛の強い人」。自己愛の強い人の特徴や、彼らから身を守る術を紹介する。
ナルシストな人
自己愛の強い人というと、いわゆる「ナルシスト」と呼ばれる人と「自己愛性パーソナリティータイプ の人」の2種類が浮かぶ。
まず前者についてだが、鏡の前で「美しさは罪……」と薔薇をくわえている人は無害だし、むしろ見ているぶんには楽しい。
叶姉妹の叶恭子先輩なんかは、見ていてすごく楽しい。先輩はクソリプが飛んできても「風の音かしら?」と気にしないそうだが、私も「赤潮が発生したのかしら?」と薔薇をくわえてスルーしている。
SNSに自撮りを上げる女子を「ナルシストww」と揶揄する勢もいるが「他人のことはほっとけや」という話である。
むしろルッキズム地獄の日本では、女子の自己肯定感が低すぎるのだから、自分好きで大いに結構ではないか。「勘違いブス」なんて言葉も滅びればいいと思う。
とはいえ、「この世で一番美しいのは誰だ!? この俺だろうがぁああああ!!」と激おこして部下を惨殺するユダ(※)のように、承認欲求モンスターになるのはマズい。
(※)ユダ/北斗の拳の登場人物。「俺の持つ星は…最も美しく輝く星! 妖星!!」など名言が多い。
また、誰にも迷惑をかけてないのに、人の趣味に難癖をつける小姑モンスターも厄介だ。
要するに、自分の趣味や価値観を押し付けることが問題なのだ。
価値観を押し付けてくるナルシストな人撃退法
美魔女はナルシストと呼ばれがちだが、彼女らの多くはにんにく卵黄のおじいさんのようにストイックなアスリートだ。基本は自己満足のために努力していて、他人に押し付ける勢は少ない。
叶恭子先輩は美をキープするため自宅では全裸で過ごすらしいが、風邪をひかないか心配である。グッドルッキングガイが看病してくれるんだろうか。
本人が趣味でやるのは自由だが、「あなたも全裸でお過ごしなさい」と人に押し付けるとクソバイスになる。
「こんなメイクしたら?」「こんな服装にしたら?」「ちゃんと肌のお手入れしてる?」なども、余計なお世話のクソバイスだ。世の中には美容やおしゃれに興味のない人もいるし、人それぞれ事情や生き方がある。
友人は「私はアトピー持ちなのに、美容をサボってるみたいに言われるのがつらい」と嘆いていた。そんなことを言う相手には「私アレルギー持ちなんですよ……ハックショーイ!!」と盛大にくしゃみをしてやるといい。昨今はウイルス的な意味でも逃げていくだろう。
俳句返し
もし押し付ける勢に「あなたも努力しないと老けるわよ」とか言われたら「老けてもいいです!私、美容より俳句が趣味なんで」と返して「死に支度 いたせいたせと 桜かな」と小林一茶の句を読もう。「散る桜 残る桜も 散る桜」と良寛の句を読んでもいい。
厨二返し
俳句返しも雅だが、ナルシストには厨二返しも粋である。「ボツリヌス菌とか打つんですか?私、毒の研究が趣味なんです……ククク」と目に狂気を宿せば、相手はビビって逃げていくだろう。
マシンガントーク
自分にしか興味のないナルシストは無害だが、「女は美しくあるべき」と他人に押し付ける人は害である。
そんな人には「我が推しの美しさを見てくれ! 美しさは罪! 美しすギルティ!!」と早口でプレゼンしよう。この人に話を振るとマシンガントークでハチの巣にされる、と印象付けるのが吉である。
ノーリアクション侍&信玄顔
マシンガントークが苦手な女子は、ノーリアクション侍になるといい。
愛想よくリアクションしてあげる女子が、厄介な人に絡まれやすい。なので何を言われても「…………」と三点リーダーを貫き、「しずかなること林のごとし」と武田信玄顔をキメよう。
興味がないことをアピールするために、信玄顔で虚空を見つめるのもおすすめだ。ついでに鼻くそをほじって、取った鼻くそをしげしげと見つめるといい。昨今はウイルス的な意味でも逃げていくだろう。
ナルシストに価値観を押し付けられて「私って美意識が低すぎるのかな?」なんて悩まなくていい。
多様性社会とは、他人の生き方を邪魔しない、余計な口出しをしない社会なのだ。多様性のタの字も知らない人に何を言われても「風の音かしら?」とファビュラスにスルーしよう。
自己愛性パーソナリティータイプの人
続いて、自己愛性パーソナリティータイプの人について。
我が両親は自己愛性パーソナリティータイプの見本のような夫婦だったため、私は関連書籍を読んで「これ進研ゼミで見たやつ!」状態になった。
私は精神医学や心理学の素人なので、自分なりの解釈を書きたいと思う。専門的な知識を知りたい方は専門家の本を読んでほしい。
彼らは一言でいうと「自分しか愛せない人」であり、他人への思いやりに欠けて、利己的でワガママだ。
彼らは己の欲求や願望を満たすため、他人を利用・搾取する。他人は思い通りになって当然と思っており、思い通りにならないと「おまえが悪い」「おまえが間違ってる」と攻撃してくる。
彼らはプライドが高く、己が優位に立たないと我慢できない。そのため他人を見下してマウントするし、人から批判や否定をされるとキレるので、まともな話し合いができない。
見栄っぱりな彼らは、ブランドやステイタスが大好物。パートナーのことも自分を飾るアクセサリーやトロフィーのように思っている。
相手をモノ(所有物)だと思っているため、手に入れて飽きると興味をなくすか、モラハラ暴君と化して奴隷のように扱う。
そんなぜひともお近付きになりたくない人々なので、ヤバいと思ったら即逃げよう。自己愛性パーソナリティータイプの人に対しては「逃げる」がベストアンサーだ。
が、彼らは本性を隠すのが得意で、魅力的な友人や恋人のフリをして近付いてくる。
「自己愛性パーソナリティーは千の仮面を持っている」と脳内メモに刻んで、「そんな演技じゃ私は騙せないわよ、マヤ!」と月影千草顔でブロックしよう。
彼らは同情心につけこむのも得意だ。紅天女ばりの演技でトラウマや生きづらさを語って「こんな話ができるのはキミだけ」と信用させ、思い通りに操ろうとする。
そこで「私が理解して支えてあげなきゃ」じゃなく「なんか利用されてねえか?」と冷静に見極めてほしい。
とはいえ、現実に見極めるのは難しい。なぜなら、彼らは「人を疑うなんて悪い」と考える善良で優しい女子を狙うから。「自己愛性パーソナリティーは、相手の長所や良心につけこむ」と脳内メモに刻んでほしい。
そして「Everything must be doubted(全てを疑え)」とカール・マルクスの言葉を唱えて、自分を守ってほしい。
自己愛性パーソナリティータイプの人との付き合い方
尽くさない女アピール
自分を守るには、そもそも狙われないのが一番だ。モラハラのコラムでも書いたが、自己愛性パーソナリティーの男性は尽くしてくれる女性を求めている。
なので「いやー尽くすとか無理っすね、自分の世話で手一杯なんで」または「拙者が尽くすのは推しだけでござる!」とアピールしよう。
非良妻賢母アピール
非良妻賢母アピールも効果的。「家事も掃除も苦手なんすよね~。ま、ほこりじゃ死なないし」と豪放磊落に振る舞い「ちなみに風呂も嫌いです」と手鼻をかめば、ウイルス的な意味でも逃げていくだろう。
非良妻賢母型の女子、「亭主関白・男尊女卑とか絶対無理!」と宣言する女子がパートナーと対等な関係を築いているので、婚活中の女子も参考にしてほしい。
お試し同棲で見極める
千の仮面を持つ彼らは理想の恋人を演じて、結婚した途端、モラ夫に豹変するのもあるあるだ。
ゆえに私は結婚前のお試し同棲を推奨している。24時間一緒に暮らしてみれば、どこかでボロが出るもの。
共同生活する中でケンカや衝突が起こった時に、対等に話し合って歩み寄れるか? こちらが弱ってる時に、思いやりのある行動をしてくれるか? 病める時ベースで支え合える相手なのか? ……などなど、しっかりと見極めてほしい。
女友達は「どんな私も受け入れてくれるか確認するために、トイレのドアを開けたままウ●コした」と語っていた。その状況でウ●コが出るのがすごい。そんな彼女は現在、器の大きなアナルガバ夫と暮らしている。
ちなみに、うちの夫も私が腸炎でウ●コを漏らした時に「ウ●コを漏らしてこそ一人前だ」と褒めてくれた。ウ●コはパーソナリティー判断に有効かもしれない。
自己愛の強い男にハマったときの対処法
もし自分しか愛せないモラ男にハマってしまっても「男を見る目がない」と自分を責めるのはやめよう。あなたに問題があるんじゃなく、女の長所につけこむ男に問題があるのだ。
モラ男に自尊心を削られ続けると、正常な判断ができなくなる。そんな時は相手の言葉や行動を書き出して「もし大切な親友が同じことをされていたら?」と想像してほしい。きっと「死ね!! 虫ケラのごとく!」とユダのようにバチギレるだろう。
そのバチギレた勢いのまま、書き出したメモを持参して、専門家に支援を求めよう。詳しいことはモラハラのコラムを参考にしてほしい。
自己愛が強い人は自信がない人
うちの両親は自己愛が強すぎる者同士の、地獄のマリアージュだった。彼らの人生を振り返って思うのは「自己愛が強すぎる人は自信満々のように見えるけど、ホンモノの自信はない」ということだ。
彼らにとっては「世間の評価=自分の評価」であるため、ブランドやステイタスを好む。つまり自分のモノサシがないため、他人に評価されないと生きていけない。だから批判や否定をされると逆ギレして「こいつは敵だ!」と攻撃してくる。
彼らは自慢話が大好きだが、それは「どんな状況でもウ●コできるんだぞ、すげーだろ!」みたいな自慢ではなく、地位や権力や財力を自慢してくる。中身じゃなくスペックで、他人にすごいと思われたいのだ。
うちの父はそれらのスペックを失って、自殺してしまった。「社長という地位を失い、世間に評価されない自分には生きる価値がない」と絶望したのだろう。
一方の母は「女は美しくあるべき」「美しくない女には価値がない」という呪いにかかったまま、拒食症で死んでしまった。
2人ともプライドが高くて見栄っぱりだったけど、ホンモノの自信はなかったんだな……と、親が遺体で発見されがちな娘は思う。
ホンモノの自信とは、ありのままの自分に対する信頼と肯定である。それがあれば「他人に評価されなくてもいいや、自分は自分だし」「私を嫌いな人がいてもいいや、私は私を好きだし」「ダメなところもある不完全な人間だけど、私には生きる価値がある」と思えるのだろう。
私も昔はそう思えなくて、スペックに執着していた。自分を好きになれないつらさから、酒やセックスに依存していた。
そこから抜け出せたのは、夫や友人たちのおかげである。スペック関係なく私を好きでいてくれて、「それでいいのだ」と肯定してくれる人たちのおかげで、不完全な自分を好きになれた。
そして、両親のことを嫌いだったからこそ、彼らとは違う人生を歩めた。血縁や家族の絆なんて鼻くそほども信じてないから、血のつながらない他人を大切にしようと思えた。
この世には自分しか愛せない人間が存在する。
「親子は愛し合うもの」「家族の絆は美しい」と綺麗事を言われたら「俺は貴様の血で化粧がしたい!」と、くわえた薔薇を尻の穴にぶちこむといいだろう。
(文:アルテイシア、イラスト:若林夏)
※次回の#女子を困らせる人は「逆ギレする人」。5/22(金)公開予定です!
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※この記事は2020年04月22日に公開されたものです