仕事についていけない。本当の原因と対処法
仕事についていけないとつらいもの。周囲とのスピード感に差を感じたり、スキル不足が身に沁みたり。なぜついていけなくなるのでしょうか? 元外資系企業勤務のコラムニスト・トイアンナさんが、仕事についていけないときの対処法を解説します。
仕事についていけない。このつらさは、他人に理解できるものじゃありません。
周りがなんでもないかのように過ごす勤務が苦痛になり、職場に居場所はないんじゃないかと燃え尽きそうになる……。
そんな心を助け出すために、仕事で苦労した経験なら人一倍あるわたしから「心を守る」メッセージを送ります。
仕事についていけない原因とは?
まずあなたが仕事についていけない理由を「無能だから」というひと言で片づけるのはやめましょう。なぜなら、アウトプットできる仕事の質は環境や職場との相性で大きく変わるからです。冷静になって、一緒に理由を見ていきましょう。
(1)経験不足
どんな天才も、経験なしには輝きません。
同じ職種で転職しても、違う業務やシステムに手を出せばあっという間に迷子となるのがわたしたちです。
「今は勝手がわからないだけで、来年にはなんとかなりそう」な業務、結構ありませんか?
(2)職場における「仕事の進め方」と相性が悪い
職業に適性があっても「仕事の進め方」は職場によって変わります。
わたしはこれまで多数の企業を取材してまいりましたが「細かく確認してから動き出したいタイプ」と、「とりあえず動きながらミスを直していくタイプ」のどっちもが幸せに働ける環境なんて、見たことがありません。
自分の進め方と周囲の進め方の相性が悪い職場では、「仕事ができない・仕事についていけない」と誤解されてしまいます。
(3)好きな仕事だけれど得意じゃない
あこがれの職業に就職したけれど、仕事についていけない……。こんなときは「好きだけど、向いてなかった」可能性を考えましょう。
どんなに好きな分野でも、苦手なものは苦手です。
業界の思わぬ内部事情を知って、幻滅することもあるでしょう。そうすれば自然と、動く手も止まってしまうはず。
(4)上司との相性が悪い
自分ではどうしようもないのが、上司との相性です。おおざっぱに指針を決めてほしい人にとって、細かい上司は天敵です。逆にちゃんと確認したい人にとって「あとはよろしく~」と任せてしまう上司は、ストレスの塊でしょう。
そうすると、さっさと進めるべきものも方向性ややり方が決まらないので、仕事についていけなくなります。上司も自分もしんどい状態です。