仕事や恋愛に悩むあの人へ。本当に効く「励ましの言葉」
人の心に響く「励ましの言葉」とは?
では、落ち込んでいる相手、悩んでいる相手、傷ついている相手にはどんな言葉をかけるべきなのでしょうか。
(1)「つらかったね」
個人的には「頑張れ」よりも「つらかったね」のほうがやさしい気がしています。
悩んでいる人は「頑張っている・頑張りすぎ」な人が多いからです。十分頑張って、それでも結果が出なくて、理解されてなくて、悩んでいるのですね。
そんな悲しさを包んであげられるワードだと思うのです。
私たちは理解されたり、共感されたりすることで、勇気づけられます。これは心理療法の場でも使われる言葉だったりします。
(2)「一緒に頑張ろうよ」
もし「頑張れ」という言葉を口にするときは「一緒に」というニュアンスを込めてもいいかもしれません。
子ども時代、おつかいや、自転車の運転や、勉強ができなかったときに、親が“一緒に”手伝ってくれたおかげで達成できたことはありませんか。心強かったですよね。
誰かがいてくれると頑張れる。アクションする勇気になる──これも真実だと思います。
これは自分の仕事が増えるということでもあります。
相手の分も背負うわけですから。
しかし本来的には、誰かを励ますとは、それくらいの覚悟を持って行うことなのかもしれません。「決して他人事のように──対岸の火事のように──あなたの状況を捉えていませんよ。全力で味方をしますよ」と行動で示すことなのだと思います。
(3)「誰もわかってくれなかったね」
悩むとは、まわりに理解されずに苦しむということです。
なかなか悩んでいることは打ち明けられませんから。だからこそ「誰もわかってくれなかったね」という言葉も励ましになりえます。
そして同時に、こんな言葉も伝えてみてはどうでしょう。
打ち明けてくれてありがとう、と。
(4)「最高! いいじゃん!」
これも良い言葉です。
迷っている相手は背中を押してほしがっているものです。自信がなくて、いまいち踏みだせないでいるのです。
なのでシンプルに認めてあげること。賞賛すること。ポジティブな言葉は、それだけで励みになります。ぱっと相手の顔も明るくなることでしょう。
こんな言葉を投げかけてくれる友人をイメージしてみてください。いつだって会いたくなるような気がしませんか?
日常から、口癖にしてもいいくらいの言葉だと思います。
(5)「セ・ラ・ヴィ(それも人生よ)」
個人的には、これも大好きなので紹介させてください。
フランス人がことあるごとに口にする言葉(慣用句)です。お気に入りのグラスが割れたときや、失恋したときや、大切な人と死に別れたときなんかに。
セ・ラ・ヴィ──それも人生よ。
この言葉自体にはポジティブなニュアンスは含まれていないかもしれません。しかし真実だとは思うのです。すべては人生。だからこそ救われる何かがあります。
ポジティブにたきつけるのでもなく、共感するのでもなく、ただ一筋の真実を投げかける──という励まし方もあると思うのです。
生きるって、やっぱりしんどいことじゃないですか。個人的に、この言葉になぐさめられたことが何度もありました。誰かを励ますためでなくとも、貴女自身のために、この言葉を覚えておいてもらえると嬉しいです。
大事なのは「伝えよう」という気持ち
励まし方には“側にいてあげる”という手段もあります。
ある意味、最高の必殺技です。
励ましに、気の利いた言葉は必要ありません。何より「あなたの状況がどんなものかを感じていますよ。私は味方ですよ」という姿勢を示すことが大事です。
逆説的ですが、大事なのは言葉ではありません。最高のプレゼントは、誰かが側にいてくれている、ということなのです。
何を言ったか、でなく、何を言おうとしたか。プレゼントだって、中身よりも、選んでくれたという気持ちが嬉しいのではありませんか。
貴女が、心から相手を励まそうとしたのなら、上手く言葉にならなくても、その気持ちは伝わります。その熱意が相手のハートに響くのです。
気の利いた文句も、美しい言葉をつむぐ必要もありません。大事なのは相手を思うことだけです──そう考えると気楽になりません?
貴女と、貴女の想う人に幸せが舞い降りるように祈っております。
(浅田悠介)
※画像はイメージです
※この記事は2019年12月07日に公開されたものです