虚しいとはどんな気持ち? 仕事や恋愛で虚しさを感じた時の対処法3つ
虚しいとはどんな意味? まだどんな気持ち? 虚しいと感じる原因や背景にある心理を心理カウンセラーの小日向るり子さんが解説。虚しい時の対処法を紹介します。
「虚しい」と感じることはありませんか?
満たされているときでも、なぜかふと感じたりもしますよね。
そのため「虚しい」という感情がわいたときに戸惑う方もいると思います。
今回は「虚しさ」という感覚を掘り下げ、そしてさらに虚しいときの対処法までを考えてみたいと思います。
虚しいとは?
精神医学者のフロイトは、人間には今の「生きている」という状態を維持しようという恒常原則とは逆の概念で、虚無に回帰しようという心理原則があると提唱しました。これを涅槃(ねはん)原則といいます。
つまり、虚無になりたいという心の動きは人間が根源的に持っている感情だということ。
したがって「虚しい」という感情はむやみに恐れたり遠ざけたりする必要はないことを、まずお伝えしたいと思います。
「虚しい」という言葉の意味
「虚しい」という言葉の一般的な意味を見てみましょう。
むなし・い【▽空しい/▽虚しい】 の解説
[形][文]むな・し[シク]
1 空虚である。内容がない。「―・い言葉」2 無益である。むだである。かいがない。「―・く時が過ぎる」「奮闘―・く敗退する」
3 かりそめである。はかない。「―・い世の中」
4 (「己をむなしゅうする」などの形で)我欲・先入観などを捨てる。「心を―・くして対処する」→己を虚しゅうする
5 事実無根である。根拠がない。
「―・しき事にて人の御名やけがれむ」〈源・少女〉
6 死んで魂がない。
「跡の妻子共、今一度―・しき貌 (かたち) をもさこそ見度く思ふらめとて」〈太平記・一六〉
(出典『デジタル大辞泉』)
虚しいとは「中身がない」「空っぽ」「無価値である」という意味です。
この言葉の意味から、心の状態としてはネガティブな状態を表現するときに使われることが多いことがわかりますね。
「虚しい」と「空しい」の違いとは
辞書にある通り、「虚しい」は「空しい」と表記する場合もあります。
どちらも同じ意味を示す言葉ですが、虚しいは内容がないこと、空しいはからっぽであることを指します。
「虚しい」と「悲しい」の違いとは
「悲しい」というのは喪失や失敗など、心が揺さぶられたときの心のさまです。心が揺さぶられるという意味では「嬉しい」も同じです。
一方、「虚しい」は揺さぶられるものが何もないという状態。
「風が吹くと風鈴が揺れる」。これが悲しみも含めた喜怒哀楽だとしたら、虚しいというのは風鈴を揺らす風そのものが吹いていないという状態です。
▶次のページでは、虚しいと感じる瞬間の例を解説します。