「彼が結婚したくなる女」をアピール! 実家への招き方 #バチェラー3考察
ひとりのハイスペックな独身男性「バチェラー」をめぐって、20人の女性が火花を散らす婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』シーズン3。バチェラーに選ばれた女性と、選ばれなかった女性のちがいとは? 最終的にバチェラーが結婚相手に選ぶ女性は誰? バチェラー大好きコラムニスト・やまとなでし子さんが、毎週の配信話を追いながらガチ考察します!
女性もとうとう残り4名になり、8話ではバチェラー・友永さんが各女性のご実家を訪問するという大イベントが。
実家というのは今の自分を作り上げた元となる場所。家族はもちろん、そのときの関わり方が見えることで、今まで以上に素をさらけ出すこととなるのが今回。
能面のようなマネキンから血が通って人間になった野原さん
いい意味でイメージが変わったのが野原さんでした。
元ミス・ユニバース経験者なだけあって、今まではそのオーディションを彷彿させる美しい姿勢と凛とした立ち振る舞いで、まるで表情の動かない美麗なマネキンのよう。
しっかりとしたその性格もまたその能面っぽさに拍車をかけていて、強く、賢い、鉄のようなイメージでした。
しかし、家族と関わる姿は今までとうってかわって、緊張のほどけた自然な笑顔と砕けた会話が飛び出し、「お父さーん! おーい!」と大声で無邪気に呼びかける様子などは今までの印象がいい意味でぶち壊されて、美しいイメージにかわいらしさが加わりました。
さらに家族への対応にも愛があふれていて、時には冗談を交えながら紹介し、バチェラーにとって初対面である家族との架け橋になりながら親しみやすい雰囲気も作り出していた野原さん。
「結婚したらこんな風に明るくて太陽のような、仲のいい家庭を築いてくれるのだろう」という姿が想像できるようでした。
しっかりとした性格で決めるところはパリッと決めるけど、普段はやさしく気さくで温かい。美しいマネキンだった彼女に血が通い、温かな人間となり、彼女の完璧な魅力をさらに見せつけられる家庭訪問でした。
気さくな女性のお手本、水田さん
元北新地ホステスの水田さんが素晴らしかったのは、バチェラー友永さんへの緊張の解き方でした。
初めて女性のご両親にお会いする場面、さもすれば義理の父母になるかもしれない大切な方々。
その緊張感は計り知れない中で、「大丈夫! 全然大丈夫!」「楽しもう!」と満開の笑顔と明るさで緊張を吹き飛ばし、打ち砕けた雰囲気を作り上げるという最高のサポートをしていました。あそこで「楽しもう」と言えるのは本当に素敵。
家族との話でも、ご病気でつらいときのお母様を精神的に支えてあげたり、お父様がバチェラーの前でご自分を下げる発言をしたときも「そんなことない」と自然にフォローをしたりと、家族思いの彼女の姿がさらに見えてきました。
相手の気持ちを汲んで、自然に嫌味なく支えてあげられる気立てのよさ。そして、それを手柄のように見せびらかしたりしない。
家に帰ればガソリンスタンドのように消耗した心と体にエネルギーを注入して立て直してくれ、また元気に明日から過ごせるような包容力のある家庭を作ってくれる未来が想像できました。彼女の存在が男性の運気を上げてくれそうな頼もしさすら感じます。
両親に合わせたときの振る舞いこそが、彼と結婚した未来の家庭像を一番想像させる場面。
野原さんと水田さん、2人に共通しているのが、ご両親、そして家族を愛してやまないのだろうなということ。
そして緊張する彼へのサポートや気遣いの巧みさ。それひとつで「家っていいな、この子と結婚するっていいな」と感じるのだと思わされた場面でした。
お通夜のような沈黙。まるでバチェラーを尋問する会
一方、ぶどう農家の岩間さんのご家庭。BGMで沈黙が紛らされていましたが、盛り上がりに欠け、ほかのご家庭に比べて楽しそうに見えないのが印象的でした。
席もバチェラーひとりをみんなで囲って尋問するかのような構図で、家族全体からも「遠くから来てくれてありがとう!」という様子もあまり見えませんでした。
お父様も「(娘が)正直神戸に行くのは寂しいかなと思いますけど……(沈黙)」と、そのあとに「でも娘が幸せになれるなら~」といったフォローもなく、2人が結婚することにただ反対しているだけのようになり、なんともいえない雰囲気に拍車がかかっていました。
岩間さん自身もそんな状況の彼をサポートしたり、雰囲気を変えようとしたりするわけでもなく、ただバチェラーの発言を聞いて自分が言いたいことを言っているだけ。
空気を読んだり、気遣いをしたりしているようにも見られず、家庭訪問としてはあまりお手本にならない姿でした。
男性がアウェイに飛び込むのが実家訪問。何を聞かれるのか、結婚を許してもらえるのか、不安と緊張が計り知れない中、彼を上手にサポートしてあげることであなたの株をさらに上げ、より結婚したいと思わせるチャンスを逃さないようにしたいものです。
このような事故を起こさないためにも、ある程度は事前に両親とすり合わせしてシナリオを作っておくのがベストでしょう。
惚れた者の弱み。結局、恋に落ちればなんでもアリかよ!
岩間さんも神戸を好きになりたいけれど、行けるかはまだ決められない。と正直にバチェラーに伝え、それをバチェラーは「本音を素直に言えることは(僕の求めているひとつの)強さだ!」と好意的に解釈していました。
もちろん自分の将来に対してすり合わせるべき大切なことではありますが、これはバチェラーの求めている「人としての強さ」ではなく、「ただ我が強いだけでは?」と思ってしまいました。
しかし、バチェラーはそれを強さとしてプラスに受け止め、「自分は頑固で基本譲らないけれど岩間さんになら譲れる」「(条件のひとつであった)神戸に住みたいは僕のエゴ」とまで言うのは、もう彼女に対して恋心が生まれていることを見せつけられるようでした。
結局、好きになれば相手を失わないために自分を犠牲にできるし、恋は盲目。外野から見た家庭訪問の良し悪しなど関係なく、好きになればすべてがオールオッケー。なんやねんそれ。
本来の計算が狂ってしまったバチェラー
バツイチ子持ち田尻さんの家庭訪問は、ただただ息子さんが傷つかないかとひやひやしてしまい、直視できませんでした……。
息子さんの微笑みを見てホッとし、緊張しながらバチェラーと無邪気に遊ぶ姿に涙しそうになりました。
しかし今回田尻さんが落ち、水田さんが残ったことで確信したのは、「本当は前回、田尻さんを落とす予定だったんだろうなぁ」ということ。
前々回でバツイチ子持ちであるという告白に対してありがとうローズを渡したものの、お子さんに会って傷つける前にその次の回(前回)で落とす予定が、金髪DJ中川さんの暴走で狂ってしまったのでは。
中川さんの自滅については前回の「恋を破滅に導く女」と「恋を生み出す女」のちがいを参照してください。
正直すぎるバチェラーの涙の理由は
野菜農家である野原さんのご家庭では、嫌いなネギをかじりながら「これはふっつーに食べられる」(おいしいといって!)。
岩間さんには「甘やかされて育ってきた」(ご両親の育て方を否定しないで!)。
水田さんのご両親には「離婚理由によって、考えることはあります」(その発言は心の中に秘めておいて!)。
……と、ひやっとするほど感情を素直にむき出しにぶつかっている、正直すぎるバチェラーの一面が見えた今回。
次回予告では本気の男泣き。何がバチェラーを泣かせたのか、注目ですね。
(やまとなでし子)
※この記事は2019年10月21日に公開されたものです