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退職引き止めがしつこい。辞められないときの対処法 #お仕事ハック

ぱぴこ

仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。

今回のお仕事ハックは「仕事を効率的に終わらせたい」という女性のお悩みに、外資系OLコラムニストのぱぴこさんがアドバイス。

退職引き止めがしつこい

仕事と並行して転職活動をして、ずっと行きたかった会社への内定が決まったので、今の職場の上司に退職したい旨を報告したら引き止められました。「あんな会社に行ってもいいことない」「何も成し遂げないまま退職するつもりか」とパワハラまがいのことまで言われ、挙句の果てに「あと1週間だけ猶予を与えるから、本当に退職するのかもう一度考えろ」とまで……。

早く退職日と次の会社への入社日を決めたいのですが、しつこい引き止めのせいで全然進みません。精神的にも限界です。どう対処すればいいのでしょうか。

おめでとうございます! 「ずっと行きたかった会社への内定」という一文で、あとのことはどうでもよくなるレベルのめでたさ! 努力が実って私までうれしいです。

とはいえ、そんな未来が輝く中、現職の退職交渉が難航しており、しかも引き止め工作がひどくメンタル的にも厳しい状況とのこと。

まぁ、ぶっちゃけ「次の会社が決まっていて、退職の意思が固まっている」なら、あとはもう別にどうでもいいんですけどね……知らんがなって話なので……。アシタカばりに「押しとぉぉる!!!!」と叫んで退職すればよろしい。

と、雑にまとめたくなりますが、ちゃんと対処法を考えましょう。

「相談」をやめて「意思」を伝える。「期限」を切る。そしてメールに残す

基本的に「辞めるな」圧力をかけてくる人に、相談は不要です。「退職日と入社日を早く決めたい」とありますが、決めましょう。

たとえば11月入社にしたいのであれば、「10月末までに退職します。手続きを進めてください」ということを、口頭・メール、どちらでも残す。

心苦しい、やりたくないのはわかります。ですが、ここで忘れてはいけないのは「未来の切符は手にある」ということです。

目先の困難がつらくて「やっぱりいいや」と心が折れないようにしてください。まずはそこが一番重要です。

前提としては粛々と退職交渉を進めるしかない

正直な話、「考えろ」的なことを言ってくる人に対しては強い意志で「辞めます」と言うしかありません。退職において、厳密にいえば「上司の許可」は不要なので、社内規定を再度確認し、退職の手続きを粛々と取るべきでしょう。

退職届の書類などを記載し、自分の希望の退職日を記載した上で、「退職します」と人事部に連絡すればよいはずです。もしくは、上司への退職連絡メールにCC:人事部をきちんと入れる。個別に人事にも相談するなどの手段もあります。

社内規定にのっとって実施したにもかかわらず、パワハラまがいのことを言われる、人事も含めて会社ぐるみで「退職を阻止」されそうなのであれば、労働局への相談など、法的な部分を含めて考えなくてはなりません。

「退職ブロック」してくる人の言葉に振り回されてはいけない

「あんな会社に行くのは無駄」
「猶予をやるから考え直せ」

上記のようなことを言う人は、きちんと退職手続きを取っているのにもかかわらず、なんやかんやと条件を出したり脅したりして退職ブロックしてくる可能性があります。たとえば以下のような行為です。

1.「引き継ぎをやりきるまではいてほしい」と言ってくる
2.「後任が見つかるまではいてほしい」と言ってくる
3.「昇給させるから残ってほしい」と言ってくる
4. 有給消化を認めない
5.「明日から来なくてよい」などの意味不明な脅しをしてくる

すべて断固拒否ですが、まずは1・2に代表されるような「退職日の引き延ばし」交渉が出たときに、温情は絶対に出さないこと。自分が「退職する」という日にちを絶対にずらさないことが重要です。

そもそも足りないリソース配置は会社側の責任であり、相談者さんの責任ではありません。「いる間にできるかぎりの引き継ぎをする」「マニュアルを作成しておく」などは努力の範囲ですが、期日をずらしてまで対応する必要はありません。

3はアメとムチならアメの施策です。「待遇をよくするから残ってほしい」はよく聞く話で、本当に納得できる内容ならばひとつの選択ですが、退職ブロックをするような上司においてこの言葉は、信じないほうが懸命でしょう。

「調整がつらい」と疲弊していると、「待遇をよくしてくれるならもういいか」と承諾してしまう可能性がありますが、「ずっと行きたかった会社」に行けるということを忘れないでください。

4・5はすでに「違法」の域なのですが、相談文に記載されている内容を見るとないとも言いきれません。こうなってくるといよいよ現実的に「労基署に相談」フェーズになってきますが、絶対にその場で承諾せず「持ち帰る」などの術を念頭に入れておいてください。

次の会社への相談やネゴを念頭に入れて動くべし

あまりにも退職交渉が難航する場合は、エージェントを利用しているならばエージェント、利用していないなら次の内定先に早めに相談しておくべきです。内定はそうそう取り消されるものではないため、ある意味、相談者さんの未来は保証されています。

その上で「現職と相談の結果、10月末退職が難しいため12月入社とさせてほしい」と、バッファを持った入社日を設定するなど、先方へのケアは忘れないでいたいところです。

労基署に相談という選択肢は常に頭に入れておくべし

今のように雲行きがあやしいのでれば、最悪の場合を考えて、社内規定とともに労働基準法についても調べておいたほうがよいでしょう。

労基署は無料相談会なども開催していますので、自分の状況や会社の対応をまとめたメモなどを持って相談しに行くのが一番確実です。

「もしも」に備えてリサーチしておかないと、本来は「守られる術」があったのに泣き寝入りすることになりかねません。労働者の権利は比較的強く守られていますが、知らないでいると相手への交渉も難しくなります。

明るい未来の前の大仕事で大変だとは思いますし、調整ごとが多く精神的につらい気持ちはわかります。ですが、せっかくつかんだ「行きたい会社で働く機会」を失わないためにも、自分でできることは徹底的に実施しましょう。

POINT.

・退職日は「相談」ではなく「決定事項」として伝える
・社内規定を確認し、上司ではなく人事と話す
・内定先へのケアや相談はきちんとする
・労基署への相談なども視野に入れ、調べる

(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)

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※この記事は2019年09月24日に公開されたものです

ぱぴこ (外資系ときどき激務OLコラムニスト)

外資系ときどき激務OLコラムニスト。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)。
Twitter:@inucococo

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