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「女性の浮気」事情。“男性というサービス”を分業化する女たち

ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

昔の彼ともSNSで一瞬でつながるこの時代、浮気にいたるハードルは昔に比べて格段に下がっています。「浮気=男」のイメージは、単に男の浮気はバレやすいからで、浮気する割合に男女差はさほどないのかもしれません。それでは、男性の浮気と女性の浮気では、どのような違いがあるのでしょうか。8年ぶりとなる恋愛指南書、『振り向いてくれない彼に1ミリも迫らないで恋に落とす本』を上梓したばかりの恋愛カウンセラー、ぐっどうぃる博士に詳しくお聞きしました。

以前マイナビニュースが女性503名に実施した過去のアンケート調査(※)では、「身近な同性が浮気・不倫しているのを見聞きしたことがありますか?」の質問に51.3%の女性がイエスと回答していました。なんと過半数越え!
※調査時期: 2018年5月9日-10日/調査対象: マイナビニュース会員/調査数: 女性503名/調査方法: インターネットログイン式アンケート

やはり女性の浮気・不倫は増加傾向にあるんでしょうか?

社会的な地位を失うリスクがあっても、不倫をしてしまう

浮気 女性

「統計を取っていないのでわかりませんが、恋愛相談サービス(恋愛ユニバーシティ)を運営している視点でいえば、浮気や不倫は減ってないと感じます。

テレビに出ている芸能人は、不倫がバレれば、番組を降ろされ、大金と社会的な地位、場合によっては家族まで失います。それにも関わらず、次から次へと不倫のニュースが飛び込んできます。不倫は、社会的な地位やお金を失ってでもしてしまうほど強力な力がありそうです。

加えて、メディアは“見た目年齢〇歳”、“恋愛していないと枯れちゃう”、“女子力”、“現役感が大事” 、“いつまでも女でいたい”と、なにかと恋愛をし続けないといけない、とでもいいたげにあおってきます」とぐっどうぃる博士。

確かにそうかもしれません……。

たとえば2014年に社会現象にもなった、不倫をテーマにしたドラマ『昼顔』はその後、雑誌やウェブでも何度も特集が組まれました。かつて不倫・浮気の主語は男性でしたが、スマホの普及やSNSの活用もあって、女性の浮気・不倫もずいぶん身近になっているような……。

“男性というサービス”を分業化する女性たち。

ところで男性と女性の浮気に、違いはあるのでしょうか。

浮気 女性

「あるように思います。男性の浮気は、性欲の処理や“モテる”という能力の誇示が目的で、体の関係が中心。はっきりいえば、男性は浮気相手を深く考えずに選びます。ですから、恋愛経験のほとんどない男性などの例外を除いて、浮気相手に本気になるケースは少ないです。

いっぽう女性の場合は、“自分を幸せにしてくれる”という、いわば体の関係以上のサービスを求めて浮気することが多いと感じます。もともと女性は体の相性だけでなく、見た目、経済力、包容力など、“すべてのサービス”を男性に求めています。1人の本命男性がそのすべてを満たしてくれるなら浮気には走りませんが、本命がサービス不足であったり、慣れが生じてサービスを怠りはじめると、不満や不安をおぼえ、それを他の相手に求めて浮気をするわけです。

浮気 女性

つまり、男性を“幸福にしてくれるサービス”ととらえ、分業化しているんですね。恋人が“見た目は良いけど退屈”なら、退屈でない楽しませてくれる男性で埋める。恋人が“自慢できるほど高スペックだけど、愛してくれない”なら、“愛される”というサービスを他の男性に求める。本命、浮気相手、みんな合わせて1人の完璧な男性にする、ということ。ですから男性と違い、誰でもいいというわけではなく、そのサービスを満たしてくれる相手を選ぶわけです」。

サービスの分業化とは! そういえば、いまや死語ですが、ふた昔前のバブル時代には、アッシー君(車で送り迎えしてくれる男性)、メッシー君(ごはんをごちそうしてくれる男性)、ミツグ君(金品や品物を貢ぐ男性)なんて言葉が流行っていましたね。

浮気に走りやすい女性の特徴

男性に対する期待度が高いと、浮気に走りやすい

そうはいっても、本命が全サービスを満たしてくれなくても、浮気しない女性もいます。浮気に走りやすい女性の特徴ってあるんでしょうか?

浮気 女性

「“男性に対する期待度が高い”女性は、目の前にいる男性で満足できないので浮気に走りやすいです。“いつも恋愛をしていないと苦しい恋愛依存”の女性も浮気に走りやすいですね。

見た目がきれいな女性”は、誘惑が多いので浮気をしがちです。不倫や浮気というのは、男性からちやほやされて、自分の魅力や価値を再確認させてくれるので、“つきあっている彼に愛されてないと感じ”たり、“自分に自信のなくなっている女性”も浮気をしてしまうでしょう」。

たしかに彼氏とケンカしたり、いやな面が見えてきたときにほかの男性が近づいてきたら、つい誘いに乗って、1度きりのつもりがズルズル深みにハマるなんてケースはよくあります。

「彼との関係が日常になればなるほど、非現実感を求めたくなるもの。先ほども触れましたが、女性として自信を失っているときは危険です。最初は、気分転換やちょっとしたワクワク感を味わいたいと軽い気持ちで誘いに乗ってしまうけれど、走り出したら止まることはむずかしいんです。ブレーキをかけたいなら、最初が肝心。誘いには乗らないことです」。

長く一緒にいると恋愛感情がなくなるのはあたりまえ

できれば本命をずっと愛し続けていたいけれど、長く一緒にいるとどうしても“なれ合い”が生じ、恋愛感情も薄れてきます。どうしたら浮気に走らずにいられるんでしょう?

「まず結婚後の浮気、つまり不倫と、恋人の浮気は分けて考えるべきでしょう。最初に不倫の話をします。

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結婚、特に子供がからんだ結婚は、恋愛感情だけでわりきれるものではありません。僕個人の考えですが、子供を作ったなら、“夫婦で大人になるまで育てるという義務が生じる”と思います。言いたいのは、恋愛感情以外のつながりができ、簡単にわりきれない関係になるということです。

さて、生物学的な視点で言えば、ずっと同じ人とつきあい続けることは、不自然だという人たちがいます。人類学者のヘレン・フィッシャー博士は、“愛は4年で終わる”と提唱しています。博士はさまざまな国の夫婦の離婚するまでにかかる年数を調査した結果、統計的に“結婚4年後に離婚する夫婦が多い”ことがわかったそうです。その昔、男女は子供が3歳になるまで夫婦で育て、それ以降は、コミュニティ全体で育てた。ですから何十年もずっと同じパートナーを愛し続けることは、そもそも不自然だというわけです。

子供のいる夫婦は、恋愛だけでつながっているわけではなく、そのいっぽうで、恋愛感情がなくなるのは自然。そう考えたら、少しはラクになりませんか? 恋愛感情がなくても、心や絆でつながっていますから。ある程度時間が経過したら、キュンとくるような“恋愛は卒業”してもいいと思います。無理に誰かと恋愛する必要はないということです。

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恋人はどうでしょう? 恋人は結婚と違い、2人のつながりにおいて恋愛感情はとても重要でしょう。また結婚よりずっと関係はシンプルで、別れても誰にも迷惑はかかりません。したがって浮気をするくらいなら、別れてもいいのではないでしょうか? もし別れたくないなら、男性をサービスと考えず、良い部分も、悪い部分も全てあわせて彼と思うことを勧めます」。

たしかに本命が全サービスを満たしてくれないからといって、欲しいサービスを切り出して他の男性に分業するというのは、かなり欲深い行為。なにより相手を傷つけて、とりかえしのつかない結果をまねくかもしれません。どんなに好みの人に言いよられても、誘惑に負けない、強い意志を持った女性になりたいものです! あまり自信はないけれど……。

(取材・文:吉祥さゆり)
※画像はイメージです

超人気恋愛カウンセラーで理学博士のぐっどうぃる博士の、8年ぶりとなる書き下ろし恋愛単行本『振り向いてくれない彼に1ミリも迫らないで恋に落とす本』(SBクリエイティブ)が出版されました。彼のことを一日中考えていても気持ちがわからないあなたが、まるで彼の脳内に入ったかのように彼の心がわかってくる……。これまで博士が提唱してきた「手に入りそうで入らない距離」「沈黙を守る」「破壊行動を起こさない」といった教えが守れない人のために、感情のコントロール法もレクチャー!

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※この記事は2019年07月16日に公開されたものです

ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

自身の体験と生命科学の視点から確立した、独自の恋愛理論で、多くの女性たちの支持を集める。過去にカウンセリングした女性は延べ11000人以上。恋愛や結婚に悩む女性たちに答える日本最大級の恋愛サイト『恋愛ユニバーシティ(http://u-rennai.jp)』主催。 著書に『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)など。
http://u-rennai.jp/goodwill/

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