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私、悪口やめました。編集部さちこが「悪口禁止」された結果

マイナビウーマン編集部

物や情報にあふれ、なんでも手に入れられるようになった現代。だけど何もすべてをやらなきゃいけないわけじゃない。続けることだけが正解じゃない。なんとなく惰性でダラダラやるくらいなら、やめることだってひとつの選択だ。今回の特集「やめた女たち」では、「やめた」ことで自分らしい人生を送れるようになった女性たちの声を届けます。

こんにちは、マイナビウーマン編集部のたかはしです。

マイナビウーマン4~5月の特集「やめた女たち」で、編集部員がそれぞれ日課としていることを「5日間やめてみた」体験をしてもらうことになりました。

今回お送りするのは、編集部さちこのやめてみたレポート。さちこは「アッパー・怠惰・悪口が多い」という三大特徴を持っているので、今回はその中のひとつ「悪口」を封印してもらうことに。

企画会議でさちこにその要望を伝えると、

「え、悪口やめたら何も話すことなくないですか?」

と、驚愕した顔で言われました。こっちがびっくりだよ。

聞くところによると、さちこにとっては悪口is生きがい。仕事中もランチタイムも、同僚の悪口、コリドー街で出会った男の悪口、道行く人の悪口。息を吐くように悪口が出てくるのは「もはや体質だからしかたない」と開き直る始末。

これは先輩としてさちこの体質を正さないといけない。「悪口言ったら1悪口あたり100円貯金ね」とデスクの上に悪口貯金箱まで用意して、今回のミッションを遂行してもらいました。

1日目「女友だちにハブられる」

出社するなり無言で仕事をはじめる、めずらしく真面目なさちこ。

編集部のみんなが「今日のさちこおとなしいね?」とヒソヒソ話しているけど、ただ単に話すことがないだけなのを私は知っている。

ランチタイム、隣の席でスマホを取り出したさちこは、インスタグラムを眺めているかと思いきや、とある投稿でその手を止めた。

そこに写っていたのは、さちこと仲がいい(と信じていた)女友だち3人の集合写真。「#ホテルのスイーツビュッフェで女子会」「#このメンバー大好き」「#また集まろうね♡」というハッシュタグとキラキラした写真が。

察するに、さちこだけハブられたらしい。

「……かなしい」

「ふざけんな!」と声高らかに叫びたいのをぐっとこらえて、さちこの口から出てきたのは「かなしい」というひと言。悪口、よく我慢したね。

2日目「先輩・あーりんに乗せられる」

本人の努力の甲斐あって、悪口貯金は0円のまま2日目に突入。

編集部のみんなで「さちこはどうして悪口が多いイメージがあるのか」を分析してみる。

「声が大きいからじゃない?」
「誇張表現が多いのかも」
「人の粗探しが得意だよね」
「そもそも、物事の捉え方がひねくれている」

全部当たっているかもしれないし、当たっていないかもしれない。まわりに勝手に分析されてかわいそうなさちこ、今日も「悪口禁止」なので何も話しません。

さちこが淡々とPC業務をこなしていると、編集部のあーりんから1通のチャットが届いたらしい。どうやら同僚が仕事でミスをしたとかで、愚痴を言いたい様子。

ああ、きっとあーりんは共感してほしいんだろうな。そう思ったやさしいさちこは、そのチャットを見て「これはありえない!」と声を出して笑ってあげる。

すると、すかさずあーりんから「今の、悪口だよね」。

あーりんは「悪口を言わせるつもりでチャットを送ったわけじゃない」と言い張っているけど、さちこは「あーりんに乗せられた! 私のせいじゃない!!」と大騒ぎ。

その訴えは受け入れてもらえず、泣く泣く100円玉を貯金箱に入れるのだった。

3日目「悪口と愚痴のちがいを考える」

さちこ、今日は朝から取材。

表参道にオープンした新しいカフェの取材は、悪口なんて出てこないほどいい現場だったらしい。しかし、いい気分でオフィスに戻ろうとしたそのとき、駅のホームでおじさんにどつかれてしまう。

イライラが止まらないさちこ。誰かに聞いてほしくてしかたない。

「この一件は私が被害者だから、悪口じゃなくて愚痴だよね?」

そう思ったさちこは、オフィスに戻ってから編集部の3児のママ・のりぴに「駅のホームでおじさんにどつかれて最悪だったんですよ! スーツもしわくちゃだし!」と愚痴る。すると「それ、悪口だよね?」とのりぴから冷静な突っ込み。

「おじさんのスーツがしわくちゃだったのは関係ないでしょ。今の発言には悪意があるから、悪口だよ」とのこと。

納得できない様子のさちこ。賛否両論あるかもしれないけど、これがさちこにとって「悪口と愚痴のちがい」を考えるきっかけになりますように。

4日目「合コンの感想が悪口に」

さちこ、二日酔いで出社。昨夜は23時まで合コンで、泥酔するほどお酒を飲んだらしい。

「いい人いた?」と私が聞くと、「いない」と即答。年収3,000万の超ハイスペ男子を求めるさちこのお眼鏡に叶う男子なんて、ひとりもいなかったと言う。

それどころか、自慢話が多かったり既婚者が紛れ込んでいたりと、「今夜はハズレだな」と思わざるをえない残念な合コンだったとか。

昨日の反省を活かして、悪意のない愚痴を心がけるさちこ。それでも私が「うんうん、それで?」「えー、それはひどいね!」と相づちを打ち続けると、愚痴は止まらない。

そしてついに、さちこの口から「時計が安物だし、靴が尖っていて死ぬほどダサかった」という、悪意200%な発言がこぼれてしまったのだ。もちろん、悪口貯金決定。

「あーりんといい、たかはしといい、さちこに悪口を言わせるように仕向けてる!!」と嘆くさちこ。そんなことないんだけどな。

5日目「『悪口言う人嫌い~』って言う女子が嫌い」

「悪口やめてみた」体験もいよいよ最終日。

5日間も悪口を禁止されてフラストレーションがたまっているのか、今日のさちこは饒舌だ。

「悪口についていろいろ考えてみたんだけど、『悪口言う人嫌い~』って言う女子ほど陰で悪口言ってるよね? そういう子、嫌い。私は陰で言わず、堂々と悪口を発しているだけ。潔いと思わない?」

さちこのおしゃべりは止まらない。

「あと、散々悪口言ったあと『でもあの子、いいところもあるんだけどね』っていう謎のフォローする子も気に喰わない。そういう『私が言ったのは悪口ではありません』アピール、余計にタチ悪いよね。いい子ぶるなよ。私みたいに堂々と悪意を晒して生きなよ!!

もう悪口禁止なんてどうでもよくなったさちこは、自分の中の悪意のかたまりのような発言を大量にぶちまけてしまった。最終日にして500円玉を貯金する羽目に。

結論:やめたくないことはやめなくていい

今回の体験を通して、さちこが出した結論を聞いてみた。

それは、やめたくないことはやめなくていい。

「だって、それがさちこのアイデンティティだから。悪口を言えなくなったらさちこは死ぬ。死にたくないから、これからも悪口はやめない! みんな、嫌われる覚悟を持って、適度に悪口言ってこ!?」

ここまで「悪口」に強い信念を持っている人は見たことがない。あと、この発言を聞いているまわりの社員たちが白い目を向けていることに気づいて。

「……だけど、まわりを傷つけたり不快にさせたりしないよう、声の大きさや話し方には気をつけようと思った。『人を笑顔にさせる悪口』を言えるようにがんばる!」

がんばるベクトルが合っているのかわからないけど、さちこにとって学びがあったならよかったのかな? 以上、編集部さちこが悪口やめてみたレポートでした。

(文:マイナビウーマン編集部、イラスト:oyumi)

※この記事は2019年04月20日に公開されたものです

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