お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

行き遅れは何歳から? 婚期を逃した女性の特徴とその後について

仁科友里

こんにちは。ライターの仁科友里です。『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)を上梓した関係で、婚活中の女性からメール相談を受けることがあります。その経験をベースに考えてみたいと思います。今回は「行き遅れ」というものについてです。行き遅れとはどういうことなのか、何歳ぐらいのことを指すのか、どういう人が行き遅れてしまうのかについてお答えします。

行き遅れとは

今では滅多に聞かない言葉ですが、昭和の小説を読んでいると、当然のことのように行き遅れという言葉は使われています。婚期を逃した女性を指すことが多く、男性には使われることはほとんどないように私は認識しています。

決してほめ言葉のニュアンスで使われることのない言葉。「行き遅れと言われたら、どうしよう!」とか「陰で言われているかもしれない」と不安になる人もいるかもしれません。

そうなる前に、どうしてこのような言葉が生まれたかを考えてみましょう。行き遅れという言葉は、「嫁に行くのが遅れる」を略したものだと思いますが、前提として「オンナは嫁に行くのが当たり前」、もしくは「オンナは結婚しなければならない」いう考えから生まれています。なぜ昔の人がそうまでして「嫁に行く」ことにこだわっていたかというと、「嫁に行く」、つまりほかの家の一員にならないと、女性が食べていく方法がなかったからだと思います。

明治から第二次大戦が終了するまで、財産は個人のものではなく、「家のもの」と考えられ、原則として男性、たいていは長男がひとりで相続するものでした。家を存続させることが大事と考えられていたので、当然、跡取りも必要です。財産をくれた親の面倒も見なければなりません。となると、家事育児介護をやってくれる女性が必要になりますが、女性の立場から考えてみると、ここにうまくハマれば食べるのには困らないことになります。

「家のため」に生きる人たちは、財産は減らすことなく、次の代にひきつがなくてはなりません。そうなると、無駄な出費を減らす必要があるわけですが、結婚しない女性が親族にいると、一生涯面倒を見なくてはいけないので、それだけお金がかかります。「家のため」には跡取りを産んでくれるお嫁さんが必要になるわけですが、小姑がいると縁談で避けられてしまう確率が上がる。なので、家にいる女性は早く嫁に行ってもらわないと困ったのではないでしょうか。要はカネの問題で、一種の口減らしです。

だとすると、自分の食べる分を自分で稼げている現代の女性は、行き遅れには当たらないと思います。ご存知のように、日本国憲法では子どもには原則として平等に相続権があります。「家のため」に生きるのではなく、「個人として」生きることが保障されているのです。

次ページ:行き遅れと言われる年齢は?

SHARE