【No.2】人とのご縁が大切。フードコーディネーターのロンシャンのバッグ
「毎日が楽しくて仕方がない」。そんなパワーを感じさせる女性に出会った。会社員から独立・起業し、フードコーディネーターとして活躍している音仲紗良さん。去年オープンさせたナッツ専門店「ナッツトーキョー」を、今や2店舗展開するなど、夢を形にしている。
やりたいことが次々とあふれてきて休みなく働いている彼女は、なんてたくましいんだろう。自分で新しい道を切り開いていく彼女のかばんの中身が知りたいと思った。
音仲紗良さん(30歳)
東京・広尾「nuts tokyo(ナッツトーキョー)」の総合プロデューサー兼フードコーディネーターとして、食材の選定からメニュー開発、コーディネート、PR等を担当。2017年に広尾店、北千住店をオープン。同年、(株)Poca pocA table.(ぽかぽかてーぶる)を立ち上げ、代表取締役に就任。雑誌編集者として会社勤めをした経験を生かし、企画・制作・キャスティングなども行う。新年度、トライしたいことはサーフヨガ。
http://nutstokyo.jp/
https://www.instagram.com/otonakasara/
感度の高い人たちが集まり、それゆえ新しいライフスタイルを提案する専門店が続々オープンしている広尾商店街。その突き当たりに「ナッツトーキョー」はある。コンクリートの無機質な外観に、木目調のシンプルな店内は、おしゃれとしか言いようがない。そんな“インスタ映え”する店をプロデュースし、約1年で50件以上のメディア露出を叶えたという彼女が愛用しているのが、フランスの老舗ブランド・ロンシャンのル・プリアージュ。
「今までは革のバッグが多かったから、バッグ自体が重くて。これはナイロン製だから、丈夫なのに軽い。でも、持ち手とフラップ部分は革だから、ちゃんとして見える。荷物が多いタイプなので、いっぱい入れられるところも私の希望にぴったりです」
●バッグの中身
1 エコバッグ
2 ノートパソコン
3 ミュウミュウのカードケース
4 プラダのキーケース
5 「ナッツトーキョー」のナッツ。会った人にあげたり、自分で食べるために常備
6 ペディールの携帯ケース。手帳カバーとお揃いにし、ピンク色の小物で気分をアップ
7 プラダの財布
8 ASOKOのレモン柄ポーチ。ちょっとしたお直しに、リップ、ヘアバターなどを収納
9 ロジェ・ガレの香水
10 ペディールの手帳。手帳カバーの中に、ミニ便箋をしまっている
11 ASOKOのスイカ&バナナ柄ポーチ。マスカラ、アイシャドウ、チークなどを収納
12 ASOKOのバード柄ポーチ。外での仕事も多いので、充電器やUSBなどを収納
どれどれ、さっそく中身を見せてもらおう。ノートパソコンにポーチが3つ、厚い手帳、長財布、デニムのエコバッグ……こんなに収納されているのか。小さく見えて大容量なことに驚く。
「バッグにいっぱい入っているようには見せたくない。このバッグは、コンパクトに見えるのがいい。外出が多く外にいる時間が長い分、荷物も多いので、ポーチで仕分けしてわかりやすくしています」
かばんの中がごちゃごちゃしないように、うまくポーチを活用するのが彼女のルール。取り出すときに迷わないのも時短につながる。
「ポーチは、ASOKOが私のツボ。プチプラでポップなデザインがお気に入りです。服もかばんも割とシンプルだから、ポーチで遊びたい」
そういう彼女のポーチは、スイカ&バナナ柄、レモン柄、鳥柄! ユニークでわくわくする。テンションが上がる小物を選ぶって大事なこと。忙しい毎日には必要なスパイスだ。
フードコーディネーターとして水仕事も多い彼女には手のケアも欠かせない。乾燥対策として、ポーチにはハンドクリーム2種とオイルを常備。
「水仕事をするので、ハンドクリームやオイルは必須。ポルトボヌールのハンドクリームはやさしい香りなので仕事のとき、ロジェ・ガレのものは甘くて強い香りなので、外出時や料理をしないときで使い分けて。トリロジーのオイルはビタミン豊富で肌にいいから愛用している」
“インスタ映え”する店舗を手がける彼女。当然デジタル派かと思いきや、意外とアナログな面を大事にしている。
「一時期、デジタルだけにしようとしたんですけど、書きたいと思って。見返しやすいし、考えもまとまるし。手帳には、新しいレシピや食べ歩きのお店の感想、打ち合わせのメモなど何でも書いています」
線のない、真っ白なタイプに自由に書き込むのが音仲流。絵もまじえてあって、とにかく細かい。手を動かすことで、記憶にも残りやすくなる。
「手紙やカードは、請求書の送付状代わりや、ちょっとした気持ちを伝えるときに使っています。“人とのご縁”って大事だなって思うから、感謝の気持ちはデジタルじゃなく、手書きで伝える」
伝えたい思いがあるから、感謝の気持ちをキュートなカードに託す。たとえ忙しくても、時間を作って手書きにするのが鉄則。“人とのご縁”を大切にする彼女の決意の表れでもあるのだろう。
「ひとりでやれることって限られているじゃないですか。いろんな人を巻き込むことで化学反応が起きて、新たな何かが生まれる。そこがおもしろい。人との出会いで仕事が広がっているし、ご縁に生かされているなと思うんです」
伊勢丹新宿店に期間限定で出店した、「ナッツトーキョー」のPOP-UPストア
引用:https://www.instagram.com/nutstokyo/
昨年夏にはマルコメとのタイアップで米麹甘酒を使ったアイスを出したり、今年は伊勢丹新宿店の催事に出店したのも、人とのご縁でつながった仕事。でも、ご縁だけじゃ、仕事は生まれないはず。彼女には、ご縁をつなげて形にする並はずれた行動力があるにちがいない。
「最近になって気づいたのですが、自分の強みは、自分に自信がないことだなって。コンプレックスが強いから、それを埋めるためにどうしたらいいかを常に考えているんです。『ナッツトーキョー』をはじめたときも、自分には拡散力が足りないし、食を仕事にしておきながら行ったことのないお店ばかり。“ホンモノ”を知りもしないでよいものは作れないと感じたので、毎日身の丈以上の有名店で外食して、いろんな人に会いに行って、貯金を崩して脂肪を蓄えていました(笑)」
このフットワークの軽さよ。冗談まじりにさらっと言うけど、ご縁をつなげるための努力を、彼女は確かにしている。実績の積み重ねこそが、自信になるんだ。
「自分に自信がない」という彼女は、約3年前、雑誌編集者として勤務していた会社を辞めて、フードコーディネーターを目指した。昔から料理をしてきたわけでも、資格があったわけでもない。フリーランスで、ゼロからはじめることに怖さはなかったのだろうか。
「全然なかった。フードコーディネーターになるって、ようやく見つけられたものだから」
まっすぐな瞳で、強い決意を伝えてくる。
「昔から自分はやりたいと思ったことは全部やってきているはずなのに、なんかちがうって思っていて。夢だった料理の編集担当になれたときも、モヤモヤしたままで。フードコーディネーターさんと仕事をするようになって、私がやりたかったものは『これだ!』って思ったら、迷いなんてなかった」
自分のやりたいことに正直に。心の声に従って、行動すること。満足する人生は、その先にしかないのかもしれない。
2018年1月に1周年を迎えた東京・広尾の「ナッツトーキョー」
引用:https://www.instagram.com/nutstokyo/
「これまで進んでこられたのは、人との出会いがあったから。モチベーションは人ですね。ひとりじゃできないような仕事も、ご縁を大切にして形にしていきたい」
かわいらしくも勇敢な彼女は、きらきらと前向きなパワーにあふれていた。正解は行動してみないとわからない。外に出て、人と会って、ご縁を大切にする。おしゃれで大容量のロンシャンのバッグは、行動力のある彼女を支える最強の相棒だった。
(取材・文:橋元理恵/マイナビウーマン編集部、写真:masaco)
※この記事は2018年03月16日に公開されたものです