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【FP監修】同棲の初期費用っていくら? 知っておきたい節約のコツをFPが解説!

石川福美(トータルファイナンシャルアドバイザー)

恋人と同棲を始めたり、結婚して2人暮らしを始めるときには、初期費用が必要になりますよね。カップルの同棲にかかる初期費用は、いくらなのでしょうか。知っておきたい費用を抑えるコツと一緒に、ファイナンシャル・プランナーの石川福美さんに教えていただきました。

同棲に必要な初期費用

カップルで同棲を始めるにあたり、初期費用としていくらかかるのでしょうか。まずは一般的な項目と費用の目安について解説します。

住宅の契約にかかる初期費用は「約75万5,000円」

利用する不動産会社やオーナーさんによって異なりますが、初期費用の平均としては家賃の5カ月分ほどかかることが多いようです。

首都圏2DKマンションの平均家賃相場

11万3,500円

初期費用の各費用項目の相場

・敷金/家賃1カ月分
・礼金/家賃1カ月分
・仲介手数料/家賃1カ月分+税
・前家賃/家賃1カ月分
・日割り家賃/入居する時期に応じて異なる
・鍵交換費用/1万5,000円
・保証会社利用料/家賃の50~100%
・火災保険料/2万円

家賃12万円の物件に月初から住み始めるとすると、総額で「約75万5,000円」となります。さらに、これから紹介する家具・家電の購入費や、日用品の購入費などがプラスされます。

家具・家電の初期費用は首都圏で「平均65万4,000円」

リクルートブライダル総研(※)の調査データによると、インテリアや家具の購入費の平均は首都圏で36万7,000円、家電製品は28万7,000円となりました。地域によって差はありますが、約65万円は必要になることが多いようです。また、どんなインタリアや家具を優先的に購入しているのか、購入率のランキングのトップ5もご紹介します。

家具・家電の平均購入費用

インテリア・家具の購入率

1位 カーテン類……87.0%
2位 ダイニング家具……64.8%
3位 自分たちの布団……59.1%
4位 ソファ……58.3%
5位 食器棚……57.4%
※6位以下省略、複数回答可

家電製品の購入率

1位 冷蔵庫……73.7%
2位 照明器具……72.1%
3位 洗濯機……59.0%
4位 掃除機……55.3%
5位 電子レンジ……50.8%
※6位以下省略、複数回答可

生活に必要な小物類の初期費用は「約3万円」

必需品であるトイレットペーパーやティッシュ、洗剤などですが、これらの消耗品は5,000円~1万円ほどあればそろえられそうです。日用品雑貨をどこまで新しくそろえるかで費用は変わりますが、食器や調理道具、洗面用具、掃除道具などをすべてそろえるためには、100円ショップで用意したとしても軽く3万円はかかるでしょう。新しく買いたいものを絞り、あとは少しずつそろえていくほうが無理はないかもしれません。

同棲の初期費用は合計「約143万9,000円」

すべての費用を平均額で計算すると、「143万9,000円(首都圏)」という数字がでます。カップルによってお金をかける場所を取捨選択したとしても、70~100万円はかかると思ったほうがいいかもしれません。絶対に妥協したくない部分、節約してもいい部分、人それぞれこだわりは異なりますので、しっかり優先順位をつけることが大切です。

同棲の初期費用を抑えるコツ

同棲の初期費用には、かなりの金額が必要になることがわかりました。でも、なるべく初期費用を抑えて節約したいと思いますよね。初期費用で削りやすいポイントはどんなところなのか、アドバイスしていただきました。

敷金礼金なしの部屋を探す

まずは、大きな負担となる住居費に関する費用を抑えることが、初期のコストカットとして効果的です。最近では、敷金礼金、もしくはそのどちらかが0円という部屋も多くなっていますので、その条件で検索してみるのも一つの方法です。

フリーレント

最初の1~2カ月、家賃をサービスしてくれる部屋もあったりします。不動産会社の人と相談しながら探してみるのもいいかもしれませんね。

引越し繁忙期を避ける

引越しの繫忙期を避けることで、礼金や家賃の割引交渉がうまくいく確率が高くなります。また、引っ越し業者も繁忙期より費用交渉に応じてくれることが多くなるので、時期を見定めることは大切です。

自宅から家具家電を持って行く

すべての家具や家電を新しくそろえようと思うと、かなりの金額になってしまいます。廃棄をするにも費用が発生するので、もし一人暮らしの時に使っていた家具や家電があるなら、引き続き使ってもよいでしょう。引き継ぐものと買い替えるものの優先順位をつけて、予算と相談しながら、少しずつ買いそろえていきましょう。

同棲に必要な貯金額

同棲の初期費用は平均143万9,000円でしたが、同棲を始める前の貯金額としては、どれくらい準備しておくと安心できるのか聞いてみました。

初期費用分と2人の緊急予備資金です。初期費用については、前述の数字を参考にしながら、自分のケースに当てはめて計算してみましょう。緊急予備資金とは、万一の時にすぐに用意できる資金のこと。3~6カ月分の生活費を目安にしっかりと貯蓄しておくとよいでしょう。

経験者が教える! 同棲の物件選び

用意しておくべき貯金額がわかったところで、続いては、同棲する家の選び方です。物件選びはどうしたらいいのでしょうか? そこで、実際に同棲を経験した人たちにオススメの部屋や間取りを教えてもらいました。(※1)

同棲にオススメの間取り

同棲カップルにオススメの間取りはどんなものでしょうか? 部屋はそれぞれ必要なのでしょうか? 経験者に詳しく聞いてみましょう。

2LDK

・「2LDKは必要だと思います。お客さんが来たときにほかの部屋が見える間取りはやめた方がいい」(30歳/情報・IT/事務系専門職)

・「2LDKくらいがちょうどいいと思います。1Kの部屋に同棲してたときは、荷物の置き場がなくプライベートもないのでストレスでした。逆に3LDKとかだと広すぎて部屋が余りそうな気がします」(29歳/小売店/販売職・サービス系)

2DKなど2部屋は必要

・「喧嘩した時に一緒の空間が気まずいときがあるので2部屋は欲しい」(26歳/自動車関連/その他)

・「同棲をしていても個人のプライバシーやパーソナルスペースを保持出来るように、部屋は2部屋に分かれているアパートが望ましいと思います。喧嘩等をしたときに居場所が無くなり、外出しなければならなくなる為」(32歳/医療・福祉/事務系専門職)

1LDK

・「1LDKのアパートでひとり暮らしをしていて、途中から今の旦那と付き合いはじめてそのまま同棲していました。寝室とリビングがきちんと分けられていると、ある程度プライベートは分けられていてよかったです」(30歳/その他/その他)

・「1LDKで十分。共働きなら家にいる時間もほとんどないし寝る部屋がひとつあれば足りる」(34歳/医療・福祉/販売職・サービス系)

盲点!? トイレとバスルームがセパレートタイプ

・「2DKの部屋だったが、特に悪いところはなかった。居間と寝る部屋は別の方がいいと思う。喧嘩したり気まずいときに部屋がひとつだと困るから。トイレと風呂も別がいい。相手がお風呂中にトイレは行きにくいので」(32歳/医療・福祉/専門職)

・「トイレ、お風呂が別」(26歳/医療・福祉/その他)

1R(ワンルーム)や1K

・「1K。2人だけなので特に広い部屋は必要ないと思う」(32歳/情報・IT/事務系専門職)

・「私はワンルームで2年同棲しました。他人と住むなんて絶対に無理だと思ったのですがまったく平気でした。仲がよければ暮らせるのでオススメです!」(34歳/自動車関連/秘書・アシスタント職)

オススメの間取りや部屋としては、それぞれの個人スペースが確保出来る方がいいと思っている人の方が多いようです。喧嘩をしてしまったり1人になりたいと思ったときに個人で使える部屋がある方がラクかもしれませんね。

同棲の部屋選びでの注意点

オススメの部屋の間取りなどについて見て来ましたが、お部屋選びの際に注意すべき点としてどんな点があるのでしょうか? どんな点に注意すればいいか教えてもらったので、さっそく確認してみることにしましょう。

ひとりになれる空間がある

・「ひとりになれる空間が確保できるような間取りであること」(29歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

・「狭すぎると逃げる場所もなくって、しんどくなる。カップルでも他人なので自分だけの時間は必要です」(33歳/その他/その他)

十分な部屋のスペースや収納スペースがある

・「お互いひとり暮らしからの同棲になるとあまり狭い間取りにしない方がいい。思っていたより家具などが圧迫してごちゃごちゃする」(28歳/情報・IT/クリエイティブ職)

・「収納が少ないところや、バストイレが一緒、部屋自体が狭い……などは、部屋が汚れて喧嘩する原因になるかも。タバコを吸う吸わないもあるので、ベランダがあった方がいいかもしれません」(30歳/その他/その他)

キッチンは広めがいい

・「台所はあまり狭すぎると作業しにくく、調理や後片付けに時間がかかってしまう」(33歳/医療・福祉/専門職)

・「キッチンが広い方が男性がキッチンに立ってくれやすい」(30歳/情報・IT/事務系専門職)

ライフプランに合わせた間取り

・「同棲だけなら狭くてもいいけど結婚後すぐ妊娠して、子どもができたら一気に手狭になるので、引っ越しが必要になった」(34歳/医療・福祉/販売職・サービス系)

・「妊娠していたので、子どもが住んでも安全なところにした」(24歳/運輸・倉庫/技術職)

お互いの希望のすり合わせをしておく

・「お互い希望があると思うが、全部を叶えることは難しいので、お互い絶対譲れない点をひとつずつ決めておき、それ以外はお互い妥協すること」(30歳/金融・証券/専門職)

・「お互いの希望を合わせてから、不動産屋に行った方が時間がかからない」(28歳/情報・IT/技術職)

お部屋を探す前に、お互いの希望を出して部屋の間取りなどを決めておくことで、お部屋探しを効率よく行なうことができるようになりますよね。これは大事なポイントになりそうです。予算もありますので、妥協点も決めておくことも大切です。

同棲カップルの生活費とは

同棲カップルの生活費とはどのくらいを想定しておけばいいのでしょうか? 再びFPの石川福美さんに教えてもらいました。また、その生活費をどのようにカップルで分担するかを、同性経験者に聞いてみました。

平均生活費と内訳

同棲のメリットは、ひとり暮らしの時でも必ずかかってくる固定費を2人で分担し、負担を軽減できるという点。
都内での一人暮らし家賃相場が7万円とすると、2人で10万円の部屋に住むと、ひとり当たり固定費を2万円軽減させることが可能です。このほか、使用量に関係なくかかってくる、水道光熱費の基本使用料、これも2人で負担することにより、かなり支出圧縮の助けになります。
しかしこの家賃や、その他の変動費については、カップルによってかなり費用にばらつきが見られます。
カップルのタイプ別に、生活費の内訳例を紹介します。

東京在住30代前半カップルの生活費目安

たとえば、インドア派だから住む部屋にはこだわりたい! 2DKの広めのお部屋を選び、その分外食費や交通費を抑える、というカップル。

≪インドア派≫
東京在住30代前半カップルの生活費目安
家賃:14万5000円
水道光熱費:1万6000円
通信費(ネット・携帯):1万9000円
食費:4万5000円
雑費:1万円
交通費:1000円(通勤除く)
娯楽費:1万3000円
合計:24万9000円(12万4500円/人)

東京在住30代前半カップルの生活費目安

たとえば、アウトドア派で休みの日は外出したい! だから部屋は少し狭くてもOK。その分デート代は多めに確保したいというカップル。

≪アウトドア派≫
東京在住30代前半カップルの生活費目安
家賃:9万5,000円
水道光熱費:1万3500円
通信費(ネット・携帯):1万9000円
食費:4万円
雑費:8000円
交通費:1万2000円(通勤除く)
娯楽費:4万2000円
合計:22万9500円(11万4750円/人)

毎月のお給料は有限ですので、何にどれくらい使うのか、しっかり支出項目ごとに優先順位をつけて、バランスをとっていきましょう!

生活費の節約方法

続いて、生活費の節約方法についても石川先生に教えてもらいました。

(1)固定費を下げる

ひとり暮らしでも2人暮らしでも、やはり節約の要はいかに固定費を軽減できるかになります。固定費を抑えることができれば、収入の減少や支出の増加など、キャッシュフローの変化に対応がしやすくなります。一番大きな固定費は家賃ですが、そのほかにも格安SIMや電力会社の選定など、通信費や電気代を抑える手段も増えてきました。

(2)生活リズムを揃える

ごはんの時間やお風呂に入る時間帯をそろえることで、電気・ガス代・食費などの節約に繋がります。あくまでストレスのない範囲で2人の生活リズムを合わせてみましょう。生活費を上手に節約しながら、2人の会話の時間もでき、一石二鳥ですね。

(3)家計簿をつける

何にいくら使っているのか、しっかり把握しておくことが大切です。家計簿をつけるときにポイントなのは、一度の利用額が小さい支出、レシートがでない支出です。たとえば自動販売機の利用や、コンビニでのちょっとした買い物、少しの支出でも塵も積もれば大きな金額になります。普段気にも留めていなかった支出が、しっかり履歴をつけると数万円にもなっていた! というケースもあります。

(4)支出項目に優先順位をつける

家計簿をつけたあとは、各支出項目に優先順位をつけ、予算を割り当てます。遊びやショッピングに使っちゃいけないわけではありません。予算をつけて全体のバランスをとれば問題ありません。たとえば前述のアウトドア派のカップルのように、遊びにはたくさん予算を割り当てたいから、その分家賃などで支出を抑えられるように、少し駅から距離のある部屋でもよしとしよう! など、どこかで調整する必要があります。急な出費に対応できるよう、貯蓄費用もしっかり割り当てましょう。

(5)銀行口座を使い分ける

生活費を入れておく口座と貯蓄用口座を一緒にしてしまうと、残高が多く見えてついつい無駄使いをしてしまいやすくなります。緊急予備資金として、急な出費が発生した際に対応できるよう、貯蓄用資金はしっかりと別口座で管理しましょう。緊急予備資金の目安は、3カ月~6カ月分の生活資金です。そのほか、将来の結婚資金など、目標資金がある場合は別途しっかりと蓄えていきましょう。あればあるだけ使ってしまいがちなカップルは、年間支出用の貯蓄用口座も作っておきましょう。以下の口座の使い分けを参考にしてみてください。

・生活決済用口座(毎月の生活費・娯楽費)
・年間支出用口座(毎月の支出とは別に発生する支出、年会費や旅行費用など)
・緊急予備資金用口座(緊急時の資金、基本手をつけないお金、結婚資金などの将来計画資金)

カップルの数だけルールがあります。資金管理、貯蓄方法はしっかりパートナーと話合って、微調整を繰り返しながら自分たちのベストを見つけていきましょう。結婚を考えているカップルであれば、それぞれのお金に対する価値観をすり合わせるいい機会となるはずです。

生活費の分担は?

では、実際の同棲経験者たちは、どのように生活費を分担し管理していたのでしょうか? リアルな声を聞いてみましょう。(※1)

共通の通帳や財布を作って管理

・「ふたりの生活費として4万円ずつ入れる通帳からの引き落としにしていた」(30歳/学校・教育関連/専門職)

・「共同の財布を作り、そこから支払いをするようにした」(29歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

費用毎に分担

・「食費と、その他の費用光熱費などで分けていた」(32歳/学校・教育関連/専門職)
・「元々彼氏が住んでいた部屋に一緒に住むことになったので、家賃・光熱費は彼氏の口座からの引き落としのままにし、食費やその他の生活費は私が払うようにしていました」(33歳/学校・教育関連/事務系専門職)

彼氏が全額負担

・「自分の収入は貯金に回し、相手の収入で生活した」(30歳/情報・IT/事務系専門職)

・「ほとんど彼の収入から払い、私は貯金担当」(28歳/情報・IT/技術職)

折半

・「すべてにおいて折半していた。家賃光熱費は相手の引き落としにして、半額私が現金で渡した」(30歳/学校・教育関連/その他)

・「光熱費、家賃、食費はすべて割り勘でした。たまに食事はどちらかがおごったりもしてましたが」(29歳/小売店/販売職・サービス系)

ふたりの収入をまとめて管理

・「お小遣い以外を全部私がもらって、生活費や貯蓄に振り分けていました」(33歳/学校・教育関連/専門職)

・「結婚前提の同棲だったので、自分にすべてまかせてもらい、自分が管理していた」(25歳/医療・福祉/専門職)

生活費の費用の負担は、みなさん色々と工夫していたことがわかります。自分たちの今の状況や将来の方向性も考えた上で、自分たちにはどんな方法が向いているのか考える際の参考に是非してみて下さい。

まとめ

同棲生活の初期費用には、かなりの金額が必要になります。でも、優先度が高いものと低いものをしっかり判断することで、費用を抑えることは可能です。同棲を機にパートナーとしっかり話し合い、お金や生活に関する価値観をすり合わせ、資金計画を立ててから、楽しい生活をスタートさせましょう!

(石川福美/クレア・ライフ・パートナーズ)

※画像はイメージです

※新生活準備調査2015(リクルートブライダル総研調べ)
調査日時:2015年6月3日~7月9日
調査人数:411人(首都圏220人、東海64人、関西127人)

(※1)マイナビウーマン調べ
調査日時:2018年7月20日~7月21日
調査人数:123人(22~34歳の同棲経験のある既婚女性)

※この記事は2017年04月29日に公開されたものです

石川福美(トータルファイナンシャルアドバイザー)

トータルファイナンシャルアドバイザー。高級フレンチレストラン勤務や派遣社員を経て、2014年に(株)クレア・ライフ・パートナーズ入社。派遣社員時代に体調を崩して働けなくなり、経済的に困窮したのをきっかけに、お金や社会保障制度について知ることの重要性を実感。現在はその経験をもとに、お客さまに寄り添うコンサルタントとして、お金や将来への漠然とした不安を取り除くためのアドバイスを行っている。

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