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実はブラックじゃない!? アルバイト現場の実情

ツナグ働き方研究所は、「アルバイトが長時間労働やブラックバイトに直面しているか」に関しての実態調査を実施した。

労働時間の実態

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今回の調査では、月間での「理想の労働時間」は平均98.3時間。勤務日数は平均17.0日で週休3日程度を希望。1日あたりの労働時間は5.8時間。正社員の所定労働時間が約160時間だとすると、60%程度の労働を希望しているという結果だった。実際の労働時間は91.3時間。理想とほぼ乖離がなく、アルバイトが働かされ過ぎているという実態は、全体としてはほぼなさそうだ。むしろやや働き足りないくらいのスコアで、「もっとシフトに入りたいのに」という定性的な声も聞こえるほど。属性的も大きな差異は見られないが、主婦の労働時間が希望・実態ともにやや少ない傾向があった。いわゆる「103万円の壁」が影響しているようだ。

ブラックバイトの実態

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ブラックバイトの大きな特徴である「超過勤務を強要される」「辞めさせてもらえない」について、その実態も調査した。残業を依頼された経験が「ナシ」と回答した人が40.5%、あっても「月1~3回」と回答した人が35.0%。また希望したシフトから追加を依頼された経験が「ナシ」との回答が48.5%、あっても「月1~3回」との回答が41.5%。全体の約半数は依頼された経験がなく、あったとしても月に数回レベルまでで8~9割を占めている。また「その依頼を断りづらい雰囲気はあるか」という質問においても、あるとの回答は23.9%に留まる。このようにデータ上からは「超過勤務を強要される」という実態は、想像以上に少ないと言えそうだ。もう一方の「辞めさせてもらえない雰囲気があるか」という質問においては、「辞めたいと言ったが辞められなかった」が3%、「辞めさせてもらえなさそう」が14.0%。こちらも全体的には、辞めさせてもらえない雰囲気はあまりないという結果ではあるものの、見方を変えると3%とはいえ、実際に辞めると申し出て、受理してもらえてないケースが実在することも判明した。

まとめ

アルバイトの現場は、データでは「意外とブラックではなかった」という結果だったが、局地的なブラックバイト現象が実在することも分かった。過熱するブラックバイト報道は、この局地的事例が明るみに出てきているのだ。アルバイトの労働環境がある意味「浄化」してきている潮流は、こういった報道の成果とも言える。数年前から職場の劣化が大きく取り上げられるようになり、アルバイトを活用する企業がマイナスイメージを払拭すべく、あるいは究極の人手不足を解消すべくブランド力向上への自助努力をするようになってきたのは事実。しかしながら、アルバイトの労働環境保護の潮流は、一方では店舗を運営する店長や少ない社員スタッフへのしわ寄せを加速させている側面もある。9時から23時まで働き週休1日がやっとで、ざっと毎月200時間している店長も実在する。まだまだ改善の余地はたくさんありそうだ。

「アルバイト労働時間実態調査」概要

●調査対象:「オフィスワークではない」労働環境での10代~60代までのアルバイト就業者200人
●調査方法:インターネット調査
●調査期間:2016年11月14日?2016年11月30日
●調査名称:ツナグ働き方研究所「アルバイト労働時間実態調査」

(マイナビウーマン編集部)

※この記事は2017年01月17日に公開されたものです

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