【妖怪女ウォッチ】File16:ずっとセカンド女子
「自分は普通の常識人」それは認知の歪みです! 私も妖怪、あなたも妖怪、みんな妖怪。分析妖怪ぱぷりこが、恋するアラサー女子の中に潜む「妖怪女」の特徴、思考回路、進化予想、お祓い方法を解説します。楽しくウォッチして、必要ならば供養しましょう。
分析妖怪ぱぷりこが、恋するアラサー女子の中に潜む「妖怪女」の特徴、思考回路、進化予想、お祓い方法を解説します。楽しくウォッチして、必要ならば供養しましょう。今回は、なぜかいつも男性の本命になれない「ずっとセカンド女子」が登場です。
「ずっとセカンド女子」の基本スペック
●分類群
恋愛脳目 盲目科
●危険度
★★★☆☆
●特技
「私待つわ…」という演歌モード、キラキラ粉飾した未来予想図
●生息地
企業のバックオフィス、保育士・看護師などの女性が多い職場
●生息地における遭遇率
10~15%
●特性
・自称M
・出会いがないわけではない
・そこそこかわいい、モテそうだったりする見た目
・女子高出身者、女性が多い職場などで、男性と日常的に接する機会があまり多くない
・付き合うと長いが、別れると彼氏ができるまでに非常に時間があくタイプ
・押しに弱く、ガンガン口説かれ続けると折れる
・好き嫌いがはっきりしていない。またはその主張をあまりしない
・少女漫画脳で「男に強引に迫られる私」に憧れがある
・普段の生活のキャラと恋愛モードのキャラに差がある
・「恋愛モードの自分=本当の自分」という思い込みがある
・「こんな恋愛をしたい!」という理想がある
・「○○じゃなきゃ恋じゃない!」という思い込みがある
・恋愛にあこがれがあるので、結婚願望も強め
・毎日がつまらないと思っている。「変化が欲しい」という気持ちが強い
・さびしがり屋で構ってほしい気持ちが強い
・自分に自信がないため「喜んでもらうことをしなくてはいけない」という強迫観念がある
詳しい生態
ずっとセカンド女子は、その名のとおり、ずっとセカンドポジションに留まる女子のことです。本人は、ちゃんとした恋人が欲しいし結婚も夢見ているのに、いつも恋人がいる人と関係を持ってしまう「浮気相手」ポジションの女子です。彼女たちは決してセカンドになりたい訳ではありませんが、「いつも彼女がいる人を好きになっちゃう」「彼女だと思ってたら私が浮気相手だった」「いつも彼女になれず体の関係だけ」と口をそろえます。そして嫌だ嫌だといいながら、彼女たちはいつも同じ行動を繰り返し、そしてまた傷つきます。
この「進んでいるのに後退してる」というような矛盾を孕むミステリーの原因は大きく3つあります。
1.彼女たちが男性(恋愛)に夢を見ていること
2.都合の悪い部分を脳内でポジティブ変換して現実を見ないこと
3.そのまま未来に期待して都合のいい解釈で関係を続行すること
見たくないものを見ないで見たいものだけを見るというゆるふわ思考が、彼女たちを「いつもセカンド」という恐ろしいポジションに置きます。
彼女たちは恋愛に関して、「思いは伝わる」「願えば叶う」「あなたは私を好きになる」といったディズニー顔負けの性善説で生きています。彼女たちの中にある「恋愛」は退屈な生活から抜け出す蜘蛛の糸であり、人生をキラキラと彩る素晴らしいものです。
そのため、相手に対して感じる違和感や怪しい言動を深堀りするようなことはしません。彼が夜しか会ってくれなくても、土日を一緒に過ごしてくれなくても、一緒にいる時にスマホをめっちゃいじっていても、彼女たちは咎めません。それどころか「私には本当の姿を見せてくれてるんだ☆」という超絶ポジティブ変換をかけて現実を歪曲します。
しかし、残念ながら世の中はおとぎ話とは違い単純構成ではできていないので、ゆるふわ思想の女子はカモにされて終わります。「はっきり関係を問わない」「自分がどうしたいかを言わない」ままで、相手の心理を察する能力を磨くことは無理です。彼女たちはまるでFBI捜査官のように相手をプロファイリングしようと奮闘しますが、そのプロファイリングは統計的見地からではなく、「こうなって欲しい」という願望をベースにしたものなので、現実を正確に把握することはできず無駄に終わります。
ずっとセカンド女子たちの厄介な所は、相手にとって自分が本命ではないとわかった後もきっぱり別れずに関係を続行する点です。なぜ強硬手段に出ないかというと、彼女たちが想定する恋愛はいつも「最後は健気に信じた主人公が報われる」エンドだからです。そのため「このままの関係を続ければいつか……」と期待してダラダラと付き合い続けます。
現実は「言われなきゃわからないし、言ってこないからそのまま放置」という消極的な選択が圧倒的なため、セカンドに自分を置く相手に見切りを付けられないことでさらに相手にナメられる上に、「きっと報われる」という未来志向によって時間を浪費する……という悪循環にはまります。
「だって好きなんだもん」「一人でいるの寂しいし」などもっともらしい言い訳を述べ、見込みのない相手に見切りをつけることもできないため、そもそも新しい相手に踏み出すことが非常に難しく、彼女たちの恋愛・婚活は難易度の高いものになります。
本来「愛し愛され、幸せな結婚生活」を理想としているのに、その真逆をひた走りながら「どうしていつもこうなるの……」と嘆くものの、原因究明をしないで「自分はセカンド体質だから」などと持病のように語り思い込みを強める傾向があります。早急に原因究明し、立ち直らないと、本来の望みとは180度別の方向にひた走ることになります。
見つけ方
恋愛話を聞く中で判定するのは簡単です。彼女たちは恋愛話をするのも、女子会も大好きだからです。そして、そんな彼女たちが語る「彼氏」の話を良く聞いてみると、「それって付き合っているの?」という疑問が簡単に沸きます。誕生日やイベントの日に会ってくれなかったり、連絡が取れなかったりとキナ臭い点が並ぶからです。
しかし彼女たちは「その彼氏大丈夫?」などという言葉に耳を傾けません。笑顔で「え~なんで~? 優しいよ~☆」などと無邪気に返してきますが、ある日「実は彼女いたみたい……」などのネタをぶっこんでくれます。
友人全員で「やめろ!」の大合唱をしても、なんだかんだと言い訳をして関係を続行し「でも彼のことを一番解るのは私だと思う」などとポエミーなことを言いだしたら「ずっとセカンド女子」です。
妖怪化を予防する方法
「ずっとセカンド女子」に進化しないためには2つのことを徹底する必要があります。
1.疑問点は即座に聞く
2.不当な扱いを受けたら怒る
セカンド女子は総じて相手の身辺調査とダウト判定が苦手です。それはなぜか? 「恋愛」に夢を見ているせいもありますが、「相手に彼女がいたらショックを受ける」「嫌われたらどうしよう」などといった目先の心理的ショックから逃げるためです。しかし、そうやって目先の不安から逃げるために原因究明を怠った結果が「いつもセカンド」という寝汗をぐっしょりとかく悪夢なのです。
1.疑問点は即座に聞く
「変だな?」と引っかかりを覚えたら即「それってどういうこと?」と聞く癖をつけましょう。これができないからセカンド女子になると言っても過言ではありません。矛盾点を突いてくるような正拳突きができるようになれば、騙そうとしていたり、曖昧にしてやり過ごそうとしている相手に煙に巻かれる確率はぐーんと下がります。自分が疑問に思っていることに対してきちんと答えてくれない人間は不誠実だということをしっかりと頭に叩き込みましょう。
2.不当な扱いを受けたら怒る
日本は「空気を読め」という文化で怒らない・反論しないことを美徳としがちですが、自分がないがしろに扱われたときにきちんと怒りを表明する癖をつけましょう。「私は適当な扱いをされるべき人間ではない」と「きちんと扱われるべき人間である」という誇りを胸に刻む必要があります。ずっとセカンド女子は「嫌われたくないから怒れない」などと言いますが、「恋人になりたいから」などの条件を得るために下手に出てもさらにナメられるだけです。
ずっとセカンド女子が、「1:1の健やかな関係」を本気で望むならば、上記の反復練習は必須です。これらの能力は結婚生活という異性との共同生活でも必須の能力です。
望まない関係を押し付けられるのは、押し付けられたものに対して「YES/NO」をはっきりと表明していないからです。自分と相手の常識は違います。残念ながら利用しようとしてくる人間は存在します。自分自身が何を望んでおり、何が嫌なのか? それをはっきりと自覚し、また言語化して相手にも伝えることが妖怪化を防ぐ道です。哲学! 内省! 言語化! これを標語に掲げて確認しまくり、不要な穴に落ちる事故を防ぎましょう。
(文:ぱぷりこ イラスト:ほそえあみ/OFFICE-SANGA)
★次回は8月25日(木)逢魔時※17時に更新予定です。お楽しみに!
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※この記事は2016年08月18日に公開されたものです