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「電力自由化」で節約できる? プラン変更&タイミングの検討方法をFPが回答!

橋村望+ガーラボ

風呂内 亜矢

4月から「電力自由化」がスタート。さまざまな電力小売会社が登場し、プランの選択肢が広がりました。とはいえプランを乗り換えた方がいいのかどうか、 迷っている人も多いのでは? 電気料金プランの比較検討する際のポイントをファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに聞きました。

電力自由化とは

2016年4月に法律が改正され、一般家庭への電力の小売りが自由になりました。これまでは、住んでいる地域によって契約できる電力会社が決められていましたが、今後は自由に選べます。ガス会社や通信会社など、さまざまな業種の会社が電力の小売り販売をはじめ、料金プランやサービスも増えてきています。

プランを検討するなら、比較サイトが便利

「電力自由化」にともない、新規参入した電力小売会社は、現在約260社以上にものぼります(2016年3月25日時点)。多くのプランを検討するにあたって、便利なのが比較サイト。1カ月分の電力消費量や電気代を入力することで、年間の電気料金をシミュレーションできます。また、年間に節約できる金額もわかるそう。まずは自分の電力消費量や電気代、よく電気を使っている時間帯などを把握し、比較検討してみましょう。

●電気料金比較サイト

価格.com「電気料金プランシミュレーション」

http://kakaku.com/energy/simulation/


エネチェンジ「エネチェンジ電力比較」

https://enechange.jp/try/input

ただし、料金だけを見て「お得!」と飛びつくのは禁物です。

比較サイトに表示されている金額は多くの場合、電気料金にポイントや商品券の還元分が割り引かれて表示されています。必ずしも消費スタイルに合ったプランとは限らないので、実際に自分にメリットがあるかどうかを見極める必要があります(ファイナンシャルプランナー 風呂内さん)

たとえば、車を持っていないのにガソリン代の割引が加算されていたり、普段あまり使わないポイントが加算されたり。比較サイト上ではお得でも、いざプラン変更してみたら、恩恵が受けられないケースもあるとか。

シミュレーションは、あくまでも想定上の数値です。実際の年間電力消費量とかけ離れている場合もあるので、割引額はあくまで参考程度に考えましょう(ファイナンシャルプランナー 風呂内さん)

●プランの検討方法と注意点

  • 自分の電気の使い方を把握(1カ月にどれくらい使用して、いくら掛かっているのか、よく使っている時間はいつか、など)
  • 比較サイトを使って比較検討しよう
  • 比較サイトに表示されている金額は多くの場合、電気料金にポイントや商品券の還元分が割り引かれて表示されているので注意
  • 必ずしも消費スタイルに合ったプランとは限らないので、実際に自分にメリットがあるかどうかをしっかり見極めよう

プラン変更のベストタイミングは?

少しでも電気代を節約したいなら、今すぐプランを変更したほうがいいのでしょうか。風呂内さんの答えは「ノー」でした。

現在は各社のプランが煩雑で比較検討しづらいところがあり、選ぶのに労力がかかるわりに、節約できる金額が少ないように感じます。また、プランによっては、一度契約したら2年間は解約できないという制限が設けられているものも。もっとおトクなプランが出てきたときに、変更できなくなる恐れもあるわけです(ファイナンシャルプランナー 風呂内さん)

中でも気になるのが、2017年に実施が予定されている「ガスの自由化」。その頃には再び、各社が電力プランの見直しを行う可能性が高いそう。

新規加入キャンペーンなどで、手厚い恩恵が受けられることもあります。各社の状況を見ながら、乗り換えの時期を待ちましょう。また、従来の電力会社を変更しないほうが安いケースもあります。慌てて変更し、従来プランに戻せなくなることもあるので、十分な検討が必要です(ファイナンシャルプランナー 風呂内さん)

定期的にプランをチェックしながら、焦らずじっくり選択することが、結果的にはお得につながりそうです。

●プラン変更のタイミングを見極める際の注意点

  • 「今すぐ変更しなきゃ」と焦らない
  • 「一度契約すると、2年は解約できない」など、すぐに変更できない可能性がある
  • 2017年にガスの自由化が予定されており、その際に各社電力プランの見直しをする可能性が高い
  • 新規加入キャンペーンなどで、手厚い恩恵が受けられることもある
  • 従来の電力会社を変更しないほうが安いケースもある

まとめ

「電力自由化」により料金プランやサービスは増えましたが、実際のところ、変更のための労力のわりに、節約できる金額は少ないようです。変更にともなうデメリットを理解することも重要。今後の各社の動向を見ながら、焦らずタイミングを見定め、自分に合った納得できるプランを探しましょう。

(橋村望+ガーラボ)

※この記事は2016年04月18日に公開されたものです

橋村望+ガーラボ

はしむら のぞみ

フリーライター。編集ライターユニット「ガーラボ」所属。デザイナーとして広告、雑誌、SPツール、Webデザインなど制作業務に携わりフリーに。2014年からWeb媒体を中心にライティング業もスタート。日本酒愛飲家。SSI認定利き酒師・焼酎利き酒師。美味しい酒肴に出会えると幸せです。Twitter/@KIKIZAKEJP

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風呂内 亜矢

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディア実績も多数。著書に『貯金80万円、独身の私にもできた! 自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』、『その節約はキケンです』がある。
●公式サイト:http://www.furouchi.com/

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