【マネーレッスン】他人事じゃない! もし今すぐ「介護」が必要になったら?
将来を考えるとき、お金の悩みはついてまわるもの。結婚・出産、転職など、ライフイベントによってマネープランの見直しは必須。だけど、何から手をつければいいのかわからない! そんな働く女子のお悩みを、FP風呂内亜矢先生に相談。知っておきたいお金のキホンや無理なく実践できるテクニックをマスターして♪
◆今回のお悩み
相談者:ふうさん
「両親が最期まで健康でいてくれるのか、介護が必要になるのかわからないので、比較的若年から介護が必要になったときの金銭負担額を知りたいです」
編集部 ふうさんは現在実家暮らしで、将来両親にもしものことがあれば、自分が介護するつもりでいるようです。その場合、介護費用としてどのくらいかかるものなのでしょうか。
風呂内亜矢(以下、風呂内) まず知っておいてほしいのは、自治体から「介護(または支援)が必要な状態にある」との認定を受けた方であれば、公的介護保険のサービスを受けられるということです。この認定は要支援1~要介護5の7段階あり、それぞれに定められた支給限度額の範囲内であれば、1~2割の利用料を支払うことで、訪問介護や施設への短期入所などの介護サービスを受けることができます。
編集部 たとえば、要介護度のもっとも低い「要支援1」であれば、約5万円分のサービスを5,000円や1万円くらいで受けられるわけですね。一定以上の所得がある場合は2割負担となりますが、要介護度5の場合でも、約36万円分のサービスを、7万円程度(2割負担の場合)で支出がおさえられるのは、大きいですね。
風呂内 はい。ただ、こちらも所得に応じて自己負担の限度額が設けられており、限度額を越えた分については、申請すれば「高額介護サービス費」として払い戻されます。ふうさんのご両親がもっとも高い所得区分だったとしても、1カ月に4万4,400円の自己負担額で済みます(一部の費用は除く)。
また、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(平成24年度)」によると、介護期間の平均は5年弱というデータも。仮にふうさんのご両親が介護サービスを手厚く受けたとして、1カ月の自己負担額を約5万円とすれば、1年で約60万円。介護期間5年と考えると、約300万円が介護費用のひとつの目安になります。
編集部 自己負担額が5万円以内で済むなら、介護費用はご両親の年金の範囲内でまかなえそうです。
風呂内 そうですね。また年金は、障害の状態になっている人では受給できる年金の組み合わせがいくつか選べるため、ご両親が選択できる年金を調べて、受け取れるものはしっかり受け取ったほうがいいでしょう。
編集部 忘れずに手続きしないと損ですね。ちなみに公的介護サービスの利用料以外で、さらに見積もっておいたほうがいい費用はありますか?
>次ページ:介護サービスのほかに、“介護”にはどんな項目でお金がかかる?
◆ふうさんプロフィール
自動車関連企業で事務職の正社員として働く、社会人6年目の29歳。東京都在住で、親と同居している。手取り年収約390万円、手取り月収約25万円。毎月5万円を給与天引きでMMF(公社債投資信託のひとつ)に回しているにもかかわらず、月々の支出合計はトータルで11万9,000円と、大幅な黒字。1週間ごとの予算を袋にわけて使うなど、徹底的にムダを省いた生活を送っている。また貯蓄には一切手をつけず、ボーナスも全額貯蓄するほどの倹約家ながら、自分名義の貯蓄額を把握していないという一面も。こだわり出費は、月に2回通う「パン教室」(1回4,000円)。休日は家でのんびりするか、彼とドライブに出かけることが多い。その彼とは1年以上付き合っており、いずれ結婚したいと思っている。
(ヨダヒロコ/六識)