【働き方ラボ Part4】意見を交わせば環境が変わる? ヤフーの育休当事者たちのフリートーク
女性と仕事との関わりは十人十色。私らしい働き方、私らしい生き方を模索するイマドキ女性たちに、識者の見解や企業の取り組みを通して、女性を取り巻く社会環境を読み解きます。
ヤフーのパパママ社員たちが集まり情報を共有する「育児休業者座談会」。座談会の参加者は男女合わせて40人ほど。ほとんどの人が子どもを抱いて参加しており、会場にはおむつ替え用のスペースも用意されていた。育休経験者プレゼンの後に行われたのはテーマ別のフリートーク。テーブルごとに「家事の工夫(時短家事、離乳食など)」「子どもとの生活、子どもの成長」「仕事と家庭の両立、ママのキャリアについて」などテーマを分け、参加者同士がそれぞれ興味のあるテーマについて意見を交わした。
あるテーブルで話題になっていたのは「保育所に入れるのかどうか問題」。
・「入れても遠くの保育所だと通勤がツラい」
・「小規模の保育所を勧められたけれど、そこは2歳までしかいられない。2年後にまた保育所探しかと思うと……」
・「自治体ごとに違う保育所制度。後から知ったこともあったので、きちんと調べておくことが大事」
・「もし保育所が決まらなかったら最大で子どもが2歳まで育休を延長できるけれど、その間のお給料が出るわけではないし……」
待機児童が大きな社会問題となっている現在。母親の努力だけではどうにもならない現実であるだけに、不安は大きい。ヤフーでは以前、社内託児所をつくる案が出たこともあるが、「子どもと荷物を抱えて満員電車に乗るのは現実的ではないのでは」といった声が多かったという。
しかし、改めてテーブルにいた女性社員たちに社内託児所についての意見を聞いたところ、「あればうれしい」という声もあった。
・「自宅の近くで保育所を探すのが難しそうなので、実は(ヤフー本社のある)六本木で託児所を探したことがある。六本木にも託児所はあったけれど、やっぱり“六本木価格”なので難しかった」
・「満員電車は気になるけれど、フレックスを利用すれば案外いけるかも」
・「地域のつながりを大事にしたいから、社内託児所よりも自宅近くの保育所の方がいい。でもこういう状況なので、どうしても見つからないときの“最後の受け皿”として社内託児所があったらうれしい」
こういった意見を受け、「社内託児所が欲しいというパパママ社員が増えてきているのであれば、そういう要望を出してみることもできる。提案してみてはどうか」とテーブルのまとめ役がアドバイスしていた。
社員が働きやすい環境を企業が目指すためには、当事者たちの意見が不可欠だ。社内の約3割を占めるというパパママ社員たちがコミュニケーションを取り合い、それぞれの意見を出し合う。これは本人たちの不安を解消するだけではなく、今後育休を取得する社員たちの糧になるのだろう。今後の取り組みに注目したい。
(最初から読む)情報共有でパパママ社員を支援! ヤフーの「育児休業者座談会」
(小川たまか/プレスラボ)
※この記事は2015年12月14日に公開されたものです