骸骨の妖怪から体感アートまで! この夏に行きたい、涼しげアート5選
今年も暑い夏がやってきます。お出かけするのも暑いしじめじめするし億劫……。
そんな日はちょっと涼しい気持ちになれるアートを見てこの夏を楽しんでみません
か?
スイミング・プール レアンドロ・エルリッヒ (金沢21世紀美術館)
1973年アルゼンチン生まれの現代アーティスト、レアンドロ・エルリッヒの作品。 こちら金沢21世紀美術館の中庭に恒久展示されています。 庭に出て作品を見ると普通のプールに見えるのですが、中をのぞいてみると人が沈んでいるように見える驚き!
実はこれ、深さ 10センチ程度しか水は張られていなく中は空洞になっています。
空洞の中に入って外を見た時、まるで自分が人魚にでもなったかのような気分!
この作品を体験しると自然に気持ちがわくわくしてきてその場にいる人たちと打ち解
けるある意味での「体感アート」になっています。
湖畔 黒田清輝 (黒田記念館)
当初は「避暑」という題名だったこの作品。
明治30年の夏に黒田清輝は夫人と箱根に避暑した際に描いた作品。芦ノ湖で浴衣をゆったりと羽織り、うちわを片手にもっている黒田夫人がとても艶っぽい!
湖の青と浴衣の青が絵に夏らしい瑞々しい風情を感じさせ、この絵を見た後はついつい箱根に足を延ばしたくなる作品です。
母型 内藤礼(豊島美術館)
瀬戸内海に浮かぶ島、豊島にある建築家の西島立衛が設計した豊島美術館と一体化した
この作品。
美術館の天井にあいた二つの大きな穴の下の床から、水滴が現れその水滴一粒一粒が中
心に流れていくにつれ、徐々に水の塊になりに、その小さな泉はまた穴へ消えていくと
いう一連の流れが繰り返されます。
天井の大きな穴によって、風や音、空気やその日の天気によっても水滴や美術館の温度
なども変わるためまるで自分も水滴の一部、もしくは胎内の中のようななにかの器のなかの一滴になった気持ちになりとても居心地がいいです。
これを大きなコンクリートでできた美術館の中で寝そべってもよし、座ってもよし、思
い思いの体制で鑑賞ができるので、真夏に行っても水の音とコンクリートの質感により
とても居心地のいい涼しい空間になっています。
睡蓮 クロード・モネ (国立西洋美術館)
言わずと知れた名作。モネの睡蓮シリーズ。 モネの家があるフランスの村、ジヴェルニーに毎年夏に咲く睡蓮たち。 モネはこの睡蓮の作品に没頭して睡蓮の絵を約200点残しております。光の画家と呼ばれたモネの水面にうつる光と睡蓮の鮮やかさに目を凝らしてみると、夏の暑さを忘れるまたちがったあたたかさが心にやってきます。
相馬の古内裏 歌川国芳 (個人蔵)
平将門が討ち取られた後、彼の娘が骸骨の妖怪を呼び出し父親の仇を取ろうとしている
作品。この妖怪、戦死者や野垂れ死んだ人の骸骨や怨念が巨大化したとされており生きてるものを見つけると握りつぶして食べるらしい。この骸骨は解剖学的にも正確と言われており、骸骨の凄味や恐ろしさが充満している作品といえます。
新井まる(girls Artalk代表)
※この記事は2015年07月12日に公開されたものです