気軽に風を感じよう! 進化を続ける最新レンタサイクル事情
京都や奈良などの観光地で定着しつつあるレンタサイクル。都内を中心に多種多様なサービスをそなえたところが増えています。そこで、今回は最新のレンタサイクルサービスを調べてみました。
借りたところに返さなくてもOK!
これまでレンタサイクルといえば、借りた場所に返しにいくのがオーソドックスなスタイルでした。でも、最近では複数のポート(貸出所)があり、移動先で乗り捨てるという使い方もできるようになっています。
都内でレンタサイクル事業を展開する「シェアサイクルCOGICOGI」のポート数は全30か所。「代官山蔦屋書店」などの商業施設、「Antenna<>WIRED CAFÉ」などの飲食店、ホテルなどに設置されています。
「複数の場所で買い物したい時や、荷物が重くなってしまった時などにおすすめです。カフェにも併設されているポートもあるので、移動途中にちょっと一休みしたい時はとても便利です」(COGICOGI株式会社・広報)
プランは1日1500円のコースのほか、月額2000円で毎回1時間までなら何回でも乗り放題のコース(超過1時間ごと100円課金)があります。
千代田区の「ちよくる」は千代田区とドコモが共同で運営。主要駅や公共施設のポートが充実しているのが特徴です。駅で自転車をレンタルできるため、通勤や日中の仕事で利用する人も多いそう。
「自転車本体に搭載された操作パネルに携帯や専用ICカードでタッチするだけで簡単に利用できます。使用30分前からネットでの事前予約ができるため、“行ってみたら借りられる自転車がなかった”という心配もありません」(株式会社NTTドコモ・広報)
同様のサービスを江東区や港区、仙台、横浜、広島、神戸などでも展開中。営業時間や料金体系はエリアごとに異なりますが、無人受付機や電動アシスト自転車など新サービスが続々導入され、ますます便利になっています。
■レンタサイクルはパリやロンドンでも人気
急速にサービスが充実しつつあるレンタサイクル。女性に圧倒的な人気を誇るイタリアの自転車ブランド「ビアンキ」を扱うサイクルヨーロッパジャパン株式会社はこう解説します。
「健康志向と環境保護の観点から、再び自転車が交通手段の1つとして注目を集めております。また2020年の東京オリンピック開催にむけて、自転車レーンの整備が推進されつつあるのも追い風になっています」(同社・広報)
世界的に見ても、レンタサイクルは注目を集めているそう。パリの市営レンタサイクル「ヴェリブ」は観光客はもちろん、市民にも人気があると言います。また、ロンドンでは、オリンピックに向けてレンタサイクルを整備した結果、現在は300~500m置きにポートが設置されているとか。
1997年にレンタサイクル事業をスタートさせた台東区も、もともとは放置自転車対策のために今後観光の足としてもらえるよう自転車環境をととのえているそう。
「現在、台東区では浅草通りや国際通りといった主要道路に自転車レーンを設けています。歩道内で歩行者と自転車が分離したつくりの浅草通りは、人をよけることなく走れると好評をいただいています。上野駅や道沿いは駐輪場があるので、ランチや買い物の際、置き場所に困ることは少ないと思いますよ」(台東区役所)
今年6月から改正道路交通法が施行され、「自転車は車道が原則、歩道は例外」「車道は左側を走行」などのルールが明確化されました。自転車レーンが充実している浅草から上野、表参道、皇居周辺などであれば、これまで自転車で車道を走ってこなかったという自転車も安心して走れます。
「隅田公園で自転車を借り、川沿いからスカイツリーを眺めたあと浅草通りを通って上野公園に向かうコースなら、初心者の方も気軽に楽しめます。余裕があれば、谷中のあたりまで足をのばす手もあります。つくばエクスプレスの浅草駅で返却し、夜は浅草六区近くでご飯や落語を楽しむというコースもおすすめです」(台東区役所)
(松澤夏織+ガールズ健康ラボ)
※この記事は2015年07月10日に公開されたものです