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【女の嘆き】なぜか格下に見られがちな私……マウンティングされやすい体質なの?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
30代前半の管理職ですが、社外の人との会議などで部下よりも格下に見られたことは一度や二度ではありません。また、公私ともにそれなりに苦労してきたつもりなのに、初対面の年下の女性から「大学生かと思った。初々しい♪」と言われたことすらあります。このようなことがあるたびに、微妙に傷つきます。きちんと大人として見てもらえないのは、私になにか問題があるのでしょうか?

いくつになっても実年齢より若く見られる人や、苦労していても顔や雰囲気に出ない人がいます。それは個性であり長所。そのこと自体に問題はないのですが、その長所を自分自身が認めることなく、周囲の人の反応をそのまま自分の評価だと思うのは問題と言えるかもしれません。とはいえ、利害関係のない場ならまだしも、ビジネス場面などで大人として扱ってもらえないと不都合が生じるのも事実。個性としての初々しさは残しつつ、気持ちよく大人同士のコミュニケーションをするためのコツを紹介します。

<女の嘆きの処方箋>

●その1 違和感の原因は“人間観のズレ”にある

自分がおかしいのではないかと思ったときは、まず世間によくある感覚を理解することからはじめましょう。たとえば、上限関係について考えてみます。

・控えめな自己主張
・ていねいな言葉づかい
・素直に指示に従う
・助言を受け入れる
・自分を省みる態度

多くの人は、目下の相手に対して上記のような態度を無意識に求めがち。親と子なら子に、上司と部下なら部下に、客と店員なら店員にという具合に。つまり、「立場が上なら、多少偉そうにしてもいい」という感覚です。こういった役割上の上下関係は、社会生活を営むためには必要ですが、それをあたかも人間的な価値の高低のように誤解する人も多くいるのです。

一方、アドラー心理学でいう共同体感覚を持った人は、このような価値観とは別のところで人を見ています。どんな立場の人に対しても、学び合い助け合える仲間だと思える人(共同体感覚を持った人)は、目下の人に対しても尊大に振る舞う必要性を感じません。

このように、人を見るときのフィルターの役割を果たす人間観にズレがあると、お互いに違和感が生じるのです。そんなとき、「私は私、人は人。見ているものがちがえば、わかり合えないこともある」と思えたら、他者の態度に心を乱されることも少なくなるはずです。

●その2 人間関係で大切にしていることを書き出す

人からどう思われようと大切にしたい人間関係の極意があるなら、それに誇りを持って。たとえば、次のように書き出してみましょう。

・人を見た目で判断せず虚心で受け入れる
・立場にかかわらず相手への敬意と感謝を忘れない
・知らないことは、教えてくださいとお願いできる
・ハッタリではなくプロセスや成果で相手の信頼を得る
・問題が起きたら、人を責めず自分にできることを探す

このような真摯で誠実な姿勢に格下感を抱く人がいても、付き合いが深まればその印象は覆されるので心配いりません。どんなに経験を重ねても初心に返り、自分を顧み、他者から学ぶことは、本当の意味で自分を信頼している強い人だからできること。付き合いの浅い人からの評価より、本質的な自分のよさに価値をおいて。

●その3 へりくだりすぎず、謙虚さの裏に自信を忍ばせる

自分を信頼し、誠実に仕事をしようと思っても、お互いに敬意を払えない相手とはいい仕事(恋愛や友だち付き合いも含め)はできません。あまりに格下扱いされることが続くようなら、まず自分が自分自身に対して適切な敬意を払っているかどうかをチェック。以下のような必要以上にへりくだるスタンスが常態になっているなら改善の余地あり。

・「(それなりの実績があるのに)なにもかも中途半端でお恥ずかしい」
・「(修羅場をくぐってきたのに)私なんか、まだまだ修行不足です」
・「(対等に見てもらいたいのに)ほんの駆け出しの下っ端です」
・「(経験豊富なのに)たいしたことも成さず年ばかり取っています」
・「(褒められたのに)いやいやいやいや、とーんでもない!!」

終始この調子だと、「私は取るに足らない存在です」というメッセージばかりが伝わり、自ら大切にされない状況を生み出してしまいます。へりくだりすぎず、謙虚さの背後にほんのり自信を忍ばせる大人のスタンスを心がけて。一例を挙げてみます。

・「いくつになっても新たな発見や学びがあるのは幸せなことです」
・「トラブルのときこそ底力を発揮して、信頼を勝ち取りたいです」
・「褒められるとうれしいものですね。また気を引き締めてがんばります」

とにもかくにも、まず自分を大切に思うこと。それが、無用なマウンティングをけん制するために不可欠なことかもしれません。

※画像は本文と関係ありません

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年06月29日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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