お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

メンタルの対処が大事!? 何度も繰り返すしつこい肩こりの原因と意外な対処方法

河田 圭司

肩こり慢性的な肩こりで悩む女性は多いといわれています。あなた自身も、肩こりがつらいという悩みは昔から変わらないという状態になっているかもしれません。長年肩こりが続いているという方は、特に深い部分にこりを感じているようです。
この深い部分の肩こりは放っておくと厄介なもの。原因や対処法などを、かわたペインクリニックの院長 河田 圭司先生にうかがいました。

何度もぶり返すしつこいこり……何が原因?

一度こりが解消しても何度も繰り返すしつこいこり。実はこれ、ただの肩こりではないようです。

「一般的な肩こりは、こっている筋肉をほぐせば柔らかくなりますが、筋肉は2重、3重と重なっているので、表面の筋肉をほぐしただけではなかなか解消がむずかしいことがあるのです。首筋から肩のあたりまでの僧帽筋(そうぼうきん)だけでなく、特に深いところの筋肉がこっていると結局はこりをぶり返すことになってしまいます」(河田先生)

このしつこい肩こりは、まるでミルフィーユのようにこった筋肉が重なっていることから、「ミルフィーユこり」と呼ばれることもあるようです。

しつこいこりを放っておくとどうなる?

このような筋肉のこりが幾重にも重なった状態を続けているとどうなってしまうのでしょうか?

「肩こりは通常、筋肉の疲労で血行不良になったり、関節の機能が異常になったりすることで、筋肉の収縮が引き起こされることが原因であることが多いといわれます。ストレスの多いなかで放っておくと、自律神経が悪影響を受けて乱れてしまい、血液のめぐりが滞るので、さらに肩こりが悪化します。肩こりと同時に頭痛や吐き気などを伴う方もいます。このような悪循環はすぐに断たないといけませんね」(河田先生)

肩こりはメンタル面での対処も大事!?

河田先生によれば、肩こりや頭痛、吐き気などに悩まされる場合、神経ブロック療法と呼ばれる方法で対処するのがいいそうです。

「しつこい肩こりの悪循環を断つためには、まずトリガーポイント注射というもので頸部の痛みを改善できます。また、自律神経のかたまりである頸部にある星状神経節と呼ばれるところに局所麻酔薬を注射することや、自律神経を調整する心理療法で対処します」(河田先生)

肩こりを心理療法で治すというのは意外ですね。メンタル面では普段からどのようなことに気をつけて生活すれば肩こりになりにくいのでしょうか?

「慢性的な肩こりは、常にイライラしていたり、不安や恐怖におびやかされていたり、人前に立つと極度に緊張してしまったりという方に起きやすいといわれています。女性では、会社で寒い環境のまま働いているという方も多く見受けられます。運動も大事ですが、肩こりになりにくいように自分自身で意識的にケアすることも大事です」(河田先生)

時々ひどい肩こりが起きるという方は、普段からストレスの少ない環境をつくるなど、メンタル面のセルフケアも怠らないようにしましょう。

(取材協力:河田圭司、文:石原亜香利)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年11月15日に公開されたものです

河田 圭司

医療法人 良仁会 かわたペインクリニック 院長、医学博士、日本ペインクリニック学会専門医、日本麻酔科学会専門医。1964年生まれ。近畿大学医学部卒業後、麻酔科学教室でペインクリニックを担当。済生会中和病院麻酔科医長を経て、2003年に奈良県で、麻酔科と心療内科の併設クリニックを開院。現在は、“体と心の痛みのかかりつけ医”を目指し、神経ブロック療法を中心に、薬物療法・理学療法・リハビリテーション・心理療法・手技療法・栄養学療法など、様々な治療法を組み合わせた痛みの治療を行う。 URL:http://www.kawata-cl.jp/index.html

この著者の記事一覧 

SHARE