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畳の縁を踏んではいけない理由とは?

親戚の家や高いお座敷に通されたときに、畳の縁を踏んで注意されたことはないでしょうか。そもそも畳は床のようなもので、上を歩くことが前提で敷くものなのになぜ「踏んではいけない場所」が存在するのでしょうか? その理由をご紹介します。

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畳の縁には、重要な意味が

一般的な家庭の畳なら縁は無地のものが多いと思いますが、古式ゆかしいお家のお座敷等には家紋が入った「紋縁」というものが使われていることがあります。この紋縁を踏んでしまうと、そのお家の顔である家紋を踏みにじることにつながってしまいます。

無地の縁なら踏んでもさほど厳しくは言われないかもしれませんが、「紋縁」が入ったような高級な畳の上に通される場合は、縁を踏まないようにするのが肝心。それを避ける意味でも、普段から畳の縁は踏まないようにしておくのがよいでしょう。

つまずかないようにするため、根付いた習慣

また畳の縁を踏まないようにする習慣は、食事のお膳を運ぶ人が畳の縁でつまずいて転ばないようにするため、根付いたという説もあります。

昔、身分の高い人に食事のお膳を運ぶときは、給仕をする人の息が食事にかからないように、目の高さまでお膳をあげて運ぶという決まりごとがありました。ただし、この高さにお膳をあげて運ぶと足もとが見えません。さらに高貴な身分の人は縁の厚い豪華な畳を使うことが多く、つまずきやすい畳だったためこのような習慣が根付いたと言う説もあります。

またここから生まれたのが畳の歩き方。女性なら4~5歩で、男性なら3本で畳の縦の部分を歩くというお作法。これを知っていれば足もとが見えなくても畳の縁を踏まずに済み、暗い部屋で移動するときも、壁や出入口までの距離がわかり安心です。

マナーやお作法は決して形だけのものではなく、それが必要な実用的な理由も実は隠されているのです。

畳の縁を踏まないというマナーを知らなくても、今の時代はそう厳しく指摘されることはないかもしれませんが、知っていると意外と便利なことも。昔の人の知恵はいざというときにとても助かります。ぜひちょこっとだけ、頭の隅にでも入れておきましょう。

※この記事は2014年10月10日に公開されたものです

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