お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

100gに対して使われる豆の量が5g以上でコーヒーと呼ぶ―2.5g以上5g未満でコーヒー飲料

冷たい飲み物が手放せない季節になった。ペットボトル飲料は500ml(ミリ・リットル)で「体積」表示が一般的なのに、缶コーヒーは190g(グラム)と「重さ」が書いてあるのはなぜか?

【ブラック派?カフェラテ派?頼むコーヒーの種類で性格が分かる!「アイスコーヒー:無謀」】

清涼飲料の場合はどちらでも問題なく、温度の違いから生まれる体積の変化や原材料の濃度など、飲み物の特徴によって決まる。対してお酒は「体積」が義務づけられているのは、含まれるアルコールの体積によって税金が変わるからだ。

ノンアルコールなら、どちらでもOK

食品や調味料の「量」の表示方法は、平成5年に制定された「特定商品の販売に係(かか)る計量に関する政令」に定められ、飲料の場合は、

・質量(重さ)または体積(量)

・5kgまたは5リットルまで

とされている。つまり、g(グラム)で表示してもml(ミリリットル)で記しても、どちらでも構わない。炭酸飲料やミネラルウォーターはml、缶コーヒーはgで表示されるのが一般的だが、逆でも反則ではないのだ。

例外はあるものの、ビンやペットボトル入りは「体積」、缶入りは「重さ」で表示されるのが一般的なのはなぜか? もっとも自然な理由は、出荷前の「量」のチェックで、中身が見えない缶入りは「重さ」で判断しか方法がない。

また、温度による体積の変化や、原材料の割合もからんでくるため、メーカーの都合の良いほうで表示されているだけなのだ。

代表的なのは缶コーヒーで、製造時は90℃もの高温で缶に注がれるのだが、ご存じのように温度が高い液体は体積が大きいが、冷たく冷やすと減ってしまう。もし缶コーヒーを体積で表示してしまうと、冷たいときは表示量よりも少なくなってしまい、消費者の誤解を招くからだ。

また、コーヒーの場合は、100gに対して使われる豆の量によって、呼び名が異なる。

・5g以上 … コーヒー

・2.5g以上5g未満 … コーヒー飲料

・1g以上2.5g未満 … コーヒー入り清涼飲料

これは、色でゴマかしたインチキ製品を防止するための「公正競争規約」で、重さが判断基準となる。もちろん体積から計算することも可能だが、グラム表示のほうが楽に計算できるので、メーカーとしても都合が良いのだ。

お酒は「体積」じゃないとダメ

ビールやチューハイなどのお酒は、缶入りなのにmlで表示されるのはなぜか? これも同じく政令で定められ、重量での表示が禁止されているからだ。

理由はコーヒーと同様で、お酒にかかる酒税は、1リットル当たり何%と体積ベースで決められているから、と考えるのが自然だろう。もし重さで表示するなら、1mlで何gと「比重」も表示しておかないと、税金の決め手となる体積に換算できない。

そんなテマをかけるぐらいなら、最初からmlまたはリットル表示と統一されているのも合点のいく話だ。

ちなみに、許されている誤差は、

・5~50ml … 4%

・100ml超~500ml … 2%

・500ml超~1リットル … 10ml

・1リットル超~25リットル … 1%

で、単位がグラムでも同じだ。缶ビールに当てはめると、

・500ml入り … 490~510ml

・1リットル入り … 990~1010ml

となり、どちらも同じく10mlの誤差が許されることになるので、500ml入りを買うと少々損をした気分になる。

まとめ

・ジュースや缶コーヒーの内容量の単位は、グラムでもミリリットルでもOK

・コーヒーは「公正競争規約」の都合上、グラム表示のほうが面倒がない

・お酒は「体積」で表示しなければならない

紙パックやペットボトル入りのコーヒーにはml表示のものも存在する。

もちろん政令や規約をクリアしていれば問題ないので、ご安心を。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年07月28日に公開されたものです

SHARE