喉から手が出るほど欲しい! フランスの香水瓶の基礎知識
フランスといえば香水。シャネルの5番は言わずもがな、独自の文化で香水の発展を支えてきたフランス。その香りだけではなく瓶にも並々ならぬこだわりが見られるのです。一つ一つが宝物のような香水瓶。今回は特に魅力の一端をご紹介しますね。
■フランスのアンティークの香水瓶とは?
さかのぼって18世紀、少量ずつしか抽出できない香り成分を集めて作る香水は、大変なぜいたく品でした。使用するのは主に王朝の貴族。匂い消しや病気の予防に用いられましたが、香水の瓶を持ち歩くのは不便です。そこでよりデザイン性を高めた「フラコン」と呼ばれる小瓶に移して楽しみました。貴族にフラコンを提供する職人は、自らの技術とセンスを香水瓶に注ぎ込んだのです。
■化粧台用の香水瓶と嗅ぎ瓶
香水瓶の分類にはいくつかの種類があります。一つは女性が化粧台に置いた香水瓶。貴重な内容物の劣化を防ぐため、色付きのガラスや磁器製のものが作られました。もう一つは嗅ぎ瓶。貴族の女性は失神しやすく、その際に気付け薬として嗅がせる用途です。こちらは懐にしまいやすいよう、化粧台用のものより小ぶりで瓶も透明です。
■ヴィネグレット&ペンダント式香水瓶
「ヴィネグレット」は小箱のこと。中にはお酢を含ませた海綿が入っていました。なぜお酢を入れるかというと、殺菌作用とツンとした匂いによる気付け薬としての効果が期待されていたためだといいます。また、小さな香水瓶の中にはチェーンをつけて身に着けられるようにしたものもあります。ちょっとしたアクセサリーですね。
■SHISEIDO THE GINZAでも注目
その人気は日本でもじわじわ広がり、たとえば、SHISEIDO THE GINZAでは2014年5月23日から6月17日の期間限定で、フランスで有名なギャラリー ベル・ド・ジュールの香水瓶の特別展示と販売がおこなわれました。1991年、パリにオープンをしたこのギャラリーには、世界中からクリスタルを求めてコレクターや古物商が訪れるとのこと。美しいアンティーク香水瓶の魅力は日本の女性の気持ちもつかんでいるようです。
日本でもお手軽なところで、小さな瓶一本数千円から取引されているフランスのアンティーク香水瓶。おしゃれで豪華なものがひとつお部屋にあれば、美しい切り花に勝るとも劣りません。女子の憧れグッズではないでしょうか。
(ファナティック)
※この記事は2014年06月24日に公開されたものです