専門家に聞く! 彼の「35歳まで結婚しない」という発言。これはどういう心理?
こんにちは、心理カウンセラーの中野とも子です。
彼のちょっとした一言の裏を読む、恋愛読心術シリーズ。
【男性の本音を聞いた! 付き合う前に「この子と結婚したら……」と考える?】
2010年の国勢調査によれば、35歳すぎて結婚した人の割合は、男性で3%、女性は2%であるという驚愕の結果が出たのをご存知でしょうか?
そこで、あえて男性が「35歳まで結婚しない」宣言とは、いったいいかがなものでしょう。今回はその辺を検証します。
女性の27~8歳が仕事面、そろそろ結婚、出産を考える転機だと言われるのに対し、どうやら「35歳が男の転機」のようです。仕事面では入社してからというもの、がむしゃらに突っ走ってきた彼らが自分の仕事について、ふと新しい価値観に気がついたりする。
そして転職や起業してもう一旗あげるならこの年齢がリミットかもしれないと感じるのがこの時期。恋愛においても、高嶺の花ばかり追ってきた自分がそろそろ自分のスペックに見合う普通の女性に落ち着きたいと思ったり。来たるアラフォーに向けて、成熟した安定感を身につける年齢、といってよろしいのではないでしょうか。
よく言えば。
一方で、現代の男性には過去にないくらい「長ーいモラトリアム期」を抱えて生きている、と私は考えています。
そもそも、「モラトリアム」とは、心理学者E.H.エリクソンが提唱した概念で、青年が社会で一定の役割を引き受けるようになるまでの猶予期間のことです。
ですから、社会人でモラトリアムというのは正確には間違っているのですが、精神性という意味で、30歳をすぎても「モラトリアム人間」はたくさんいます。
自分が誰なのかを知ることを、自我同一性(アイデンティティ)を確立すると言います。モラトリアムとは、それを先延ばしにすることを指します。
本来ならば「一人前への大切な準備期間」といえますが、昔であれば、いわゆる「半人前」でいることへの罪悪感や修行の身でいさせてもらえることへの感謝があったため、早く一人前に!と思ったものですが、現代は、いわゆる「半人前」であることに関して世間の目も甘く、ですからそのぶん長々とモラトリアム人間でいられるのです。
もちろん、女性にもそれが言えることですが、女性には出産リミットがあるので「結婚するのか・しないのか・産むのか・産まないのか」の選択を迫られる分、結婚に関してアイデンティティは確立しやすいといえます。
アイデンティティを確立するということは、別の可能性を切り捨てるということです。
自分をシビアに見つめ、ほかの可能性を切り捨てるとは、ただあきらめることではありません。意思をもって断念し、別の道を選び取るという辛い作業です。
彼らは、結婚に関しても、もっといい女がいるかもしれない、もっと面白いことがあるかもしれないという可能性を捨てきれないでいるのかな、と私は思います。
そして、「自分は独身という自由を選択する」ということも選びきれず、自分の能力の限界値一歩手前あたりでひとつ手を打っておこうというのが、「35歳まで結婚しない」宣言男子の隠れた心理なのではないでしょうか?
ちなみに、いざ35歳になって結婚したいと思っても君たちのお望みの20代女子は大抵もう売り切れてますので、そこのところは是非アラフォー女子を狙って頂きたいものですね! 彼女たちには、若い女子とは違った濃厚な魅力がありますよ。
では、またね!
(心理カウンセラー 中野とも子)
※この記事は2014年06月09日に公開されたものです