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だしとめんを自在に操る大将―愛知県名古屋の老舗・川井家の「きしめん定食」を大調査!

愛知県名古屋の老舗・川井家のきしめん

うどんと材料は同じですが、平たく伸ばされ、のどごしがつるつるっとしているのが「きしめん」です。この「きしめん」をなんと大正10年から味を変えず、手打ちにこだわり作り続けているのが、名古屋市東区にある「手打麺舗 川井家」本店です。

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川井家本店の味は、舌の肥えたお得意さまの「お墨付き」

この川井家本店には、変わらぬ味を求めて県内外からたくさんの人が訪れます。特に目立つのが古くからつきあいがあるという、お得意さまの存在。川井家本店前には、お得意さまたちの高級車がずらりと並びます。舌の肥えた方々の「お墨付き」であることが、こんなところからも伺えます。

お店の利用客に少し気おされる感じはあるものの、店そのものはなんともアットホーム。玄関先では、大きなカボチャと季節の柿がほのぼのと出迎えてくれました。

だしの香り漂う店内で、ほっこりくつろげる川井家

店内は「下町のきしめん屋さん」という風情で敷居の高さはまるでなく、ゆったりくつろげる空間に、だしのいい香りが漂っています。まるで実家に帰ったときのような不思議な安心感です。

メニューは温かいめんと冷たいめんがあり、釜揚げや、時期によっては味噌煮込みも選ぶことができます。いずれも種類が多く、めんを「そば」や「うどん」に変えてもらえるものも。通も納得の豊富さです。今回は「きしめん定食」(840円)を注文してみました。

具材豊富! おまけもいっぱい! 「きしめん定食」(840円)

「きしめん定食」(840円)

つやのあるきしめんと透き通ったおだしの上には、ほうれん草、かまぼこ、薄揚げが乗っており、さらにふんわりと踊るかつお節も乗せられています。定食にはさらに、生卵(卵かけごはん用)、薬味(ネギと大根おろし)、ごはん、しば漬け、昆布のつくだ煮、ナムルが付いており、なんとも名古屋らしく豪華な内容です。

これで840円とは太っ腹。

また、きしめんにかける一味唐辛子は、東京浅草で独自に調合されたものとか。細部にまで、こだわりが感じられます。

時期によって塩と水分量を変える「めん」で、季節の移ろいを

きしめんを一口いただいて、びっくりしたのが麺のコシの強さ。大将はこのコシを実現するために、朝の6時からめんを一生懸命に手で伸ばし、こね、足で力強く踏んで作るのだそうです。

大将のさらなるこだわりが、きしめんの塩加減と水加減。このあんばいは季節の外気温によって変えられており、夏は塩濃いめ、水多め。逆に冬は夏よりも塩分を落とし、水少なめに作られるとか。季節と共に移りゆくきしめんの味わいも楽しめます。

現在のご主人は、3代目。きしめん作りの製法は、大正時代から川井家代々で受け継がれてきたもの。その歴史は、今も大将がしっかりと守っています。

きしめんのだしは、むろあじと宗田鰹のみのこだわり

きしめんのだしはむろあじと宗田鰹のみが使用されています。また沸騰させるのではなく、むろあじと宗田鰹を舞わせるように熱するのが、ここのだしの「おいしさ」の秘密。

さらにだしに加えるしょうゆは、具によって使うしょうゆを変えるというこだわりぶり。きしめんにはたまり醤油、卵とじや五目には白醤油が使われているそうです。具との相性を見ながらしょうゆを変えるなんて、芸が細かい!

<お店のご案内>
「手打麺舗 川井家」本店
住所:愛知県名古屋市東区飯田町31
http://tabelog.com/aichi/A2301/A230104/23001465/

※この記事は2014年01月22日に公開されたものです

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