人に物を買わせる心理テク―「譲歩的依頼法」「当選商法」
商品の販売やサービスの提供が成功する鍵は、いかにして顧客が気持ちよく買ってくれるかという点に尽きるでしょう。そして、ビジネスが軌道に乗るためには、大衆の心理を的確につかむことが最も重要なポイントです。それでは、ビジネスで使える心理テクニックについて紹介しましょう。
【客の心をつかむ三大テクニック「客の名前を呼ぶ」「客自身に選択させる」「客に共感する】
返報性の法則
人間は、他人からなんらかの恩恵を受けた場合には、それ相応の「お返し」をするべきという考え方があり、これは社会生活を円滑に保つための社会的常識ともなっています。これを社会心理学上では「返報性の法則」と呼んでします。
日本でも「お中元・お歳暮」や「引っ越し・栄転・進学・就職・結婚」などでお祝いをもらったら、必ず「お祝い返し」をするという風習があり、これも一種の「返報性の法則」といえます。
無料サービスへの応用
人間の心理にある「返報性の法則」をビジネスに活かしている実例はいくつかあり、広告でよく見かける「限定無料サービス」やスーパーなどの食料品売り場で行われている「無料試食コーナー」などがこれに該当します。特に、試食コーナーでは、店員から直接食品のサンプルを受け取ることで、消費者は「せっかく無料でもらったのだから、買ってあげなければいけない」という心理が働くのです。
買う気にさせる「譲歩的依頼法」
ある商品を販売する際に、最初に高額な商品から勧めるという販売のテクニックがあります。消費者が金額がネックであることを理由に断ると、すかさずそれよりも低額な商品を提示するのです。そうすると消費者側は「相手も金額を下げて譲歩しているのだから、こちらもその気持ちに応えなければならない」という心理が働き、購買に至るというわけです。
これは「譲歩的依頼法」と呼ばれています。
消費者の心理をつく「当選商法」
スーパーの試食コーナーの場合は、店員が直接消費者と対面するシステムなので、わずかな対償で大きな利益を得るという返報性の法則が見事に当てはまりますが、対面販売以外のビジネスでは、より高度な心理テクが用いられています。
その一つが「当選商法」と呼ばれるもので、懸賞に当たった消費者に、賞品とプラスして別の賞品を購入させる手法です。「当選の喜び」を新たな消費に結びつける販売法といえます。
※この記事は2014年01月08日に公開されたものです