多数派の意見を一変させる方法2つ―「ホランダーの方略」と「モスコビッチの方略」

多数派の意見は正しいこともあれば、間違っていることもあります。一番危険を感じやすいのは絶対に間違っていることなのに、「なんとなく」の空気で全体が流れやすくなっている時ではないでしょうか。こんな時、少数派の意見で多数派をくつがえす方法はないものでしょうか?
多数派の意見を変えてしまう「マイノリティ・インフルエンス」って?
「マイノリティ・インフルエンス」という心理学用語をご存じでしょうか。これは少数派の意見が多数派を占めるようになることをあらわす言葉で、2つの方略を使えば「マイノリティ・インフルエンス」が起こりやすいと言われています。
その方略が「ホランダーの方略」と「モスコビッチの方略」です。
「ホランダーの方略」は、少数派の中にいる、信頼に足りるリーダーによって「あの人が言っているんだから、確かかもしれない」と、多数派の意見を切り崩していく方法です。「モスコビッチの方略」は、少数派が一貫して強い主張を持ち続けることで、多数派に「もしかすると、自分が間違っているかもしれない」と思わせ、多数派を切り崩していく方法です。
つまり多数派の意見を一変させるには、強いリーダーもしくは強くて一貫性のある主張が大事だということなのです。
主張は曲げずに一貫させよう、もしくは強いリーダーを見つけよう
今、自分が少数派で、多数派の意見をどうにか切り崩したいと思っているなら、主張を曲げずに一貫した言動をとり続けるか、強いリーダーを見つけるのが効果的です。主張を曲げずに一貫した言動をとるのは、むずかしいものですが、もし自分が多数派になった時に、「あの人が言っていることはおかしい」と指摘されるのは、今度は自分です。
少数派でも、多数派を正しく導ける主張を持ち、一貫して同じ態度をとり続けましょう。
また強いリーダーを見つければ、それだけで多数派を切り崩しやすくなります。強い立場の人で、自分と同じ意見を持つ人がいないか探してみましょう。
主張には現実味を持たせよう
ただしいくら上記のような条件を満たしても、少数派の意見に現実味がなく理想論だけなら、多数派をいくら動かそうとしても、なかなか動いてはくれません。まずは自分たちの主張がどのように現実で役立つものなのか、受け入れるとどんないいことがあるのかをはっきりさせましょう。
その主張通り行動することが現実に可能で、誰にでもでき、いいことが起こるなら、相手も耳を傾けてくれやすくなります。
少数派だからと意見をひっこめ、ダンマリを決め込んでしまっては、通るはずの主張も通らなくなります。ぜひ少数派だとしても、自分の意見を大切にし、どう通していくのかを考えてみてはいかがでしょうか。
※この記事は2013年12月14日に公開されたものです