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集団で討議していると、なぜ盛り上がるのか?「リスキー・シフト」「集団思考」

企業内では、会議で決まった方針を全員で守り、目標に向かって努力するというのが、社員間のコンセンサスとなっていますが、これには意外な欠陥があることが指摘されています。企業内のリーダーのために、このことについて、ご紹介しましょう。

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常識化した方法論にあるリスク

企業は多様な思考を持つ社員の集合体なので、会社全体や部署ごとの方針や行動規範を決める際には、社員間の意思統一をはかる必要があります。そのためには、部署ごとのミーティングや全体会議などで社員が活発に意見を交わし、最終的には管理職や職場のリーダーが部署の統一方針を決定し、経営側がこれを承認するという形式が大半のようです。

おそらく日本の企業人は、この方法論で決まられる事項こそが、限りなく理想に近いものであると認識していることでしょう。しかし、日本の企業内で半ば常識化しているこの方法論について、少なからずリスクも存在することを職場のリーダーは知っておく必要があります。

「リスキー・シフト」と「集団思考」

米国の心理学者ストナーが提唱した「リスキー・シフト」という用語は、集団で物事を決める際に起きうる問題点を、心理学的アプローチによってあぶり出しました。例えば、一人で考えているときは穏健な結論を出す人が、集団で議論したり行動したりすることによって、他人の極端な意見に同調したり、大胆な行動をとるということが起きるのです。

これを「集団思考」と呼び、個人が団体に属することによって起きる普遍的現象として報告されています。個人では安全策に傾きやすい思考が、集団になると急進的でリスキーな思考に転換されることが起きやすく、しかもその危険性が集団の中では正しく認識されずに決定されてしまうのです。

性急さと非社会性のリスク

リスキー・シフトは、本来時間をかけてじっくり煮詰める必要がある事項を、性急に決めようとする場合や、社会から隔絶した状況下で重要事項を決めるというときに発生しやすいといわれています。リーダーたるもの、集団思考がリスキー・シフト化に陥らないように注意する必要があるのです。

※この記事は2013年12月03日に公開されたものです

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