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放射能から身を守る! 放射性物質を軽減させる調理方法「洗う」「煮る」「ゆでる」

基本は「洗う」「煮る」! 塩や酢で調理する

安全な食材だけを食卓に揃えることは、難しい場合があります。被ばくを恐れ、特定の食材を避け続けると栄養が偏り、放射性物質を取り込みやすい状態になってしまう危険性もあります。

しかし、多少の汚染が心配されても調理法で被ばくのリスクを低減させることはできます。ここでは、効果的な食べ方をお伝えしたいと思います。

基本的なことですが、食材はよく洗いましょう。「表面汚染」は水で洗うことによって、ある程度落ちてくれます。皮もむくことが基本です。また、野菜などは土中の放射性物質を根から吸収することがあります。ゆがくことにより、除去される率は高まります。野菜をゆがいて水にさらせば50~80%、放射性物質を除去できるというデータ(※注1)もあります。生野菜のサラダより、おひたし。蒸し野菜よりも、ゆで野菜がおすすめです。

肉も同じです。牛肉は、煮た場合はセシウムを約50%除去、オーブンで焼いた場合は火をよく通しても28%除去という結果になっています(※注1)。ステーキよりも、しゃぶしゃぶなどのお鍋がよいといえます。

煮物や煮つけ、酢漬け、塩漬けなどで水分を抜く調理法も有効です。これは水溶性の放射性物質が、水分とともに出ていくからです(ただし、煮汁や漬け汁は飲食しない)。

酢漬けのキュウリでは放射性物質の90%、酢漬けのキャベツではストロンチウムの30~60%が除去されたという報告(※注1)もあります。

 

高ミネラルの「マゴワヤサシイ」と、玄米、発酵食品の摂取を!

また、カルシウム、カリウムなどのミネラルを普段の食事からとっておくことは大切です。その理由は、これらの栄養素と似た構造の放射性物質があるから。たとえばミネラルなどの栄養素が体内で不足すると、体が“カン違い”をしてミネラルと類似の構造の放射性物質を吸収しやすくなってしまうのです。

では、いったいどのような食材を選べばよいのでしょう。

日本古来の食材として「マゴワヤサシイ」という言葉をご存じでしょうか。具体的には「マメ・ゴマ・ワカメ・ヤサイ・サカナ・シイタケ・イモ」。これらはご存じのとおり、ミネラルに富んだ食材です。

これらに加えて、セシウムを吸着、排出してくれる効果を期待できる玄米を食べることもおすすめです。

さらに注目したいのは昔ながらの製法で作られた「発酵食品」(味噌、納豆、ぬか漬けなど)の良さです。生きた菌(微生物)が放射性物質を吸着、体外へ出す手助けをしてくれます。少し前に「米麹」がブームとなりましたが、はやりの食材でもありますし、楽しんで取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後に、放射性物質は体に悪影響を与える活性酸素を生み出すと言われています。活性酸素を除去できるのは、新鮮な野菜やフルーツに多く含まれる酵素です。それらも積極的に摂りたいものですね。

実は、食材や調理法へのこだわりは、「デトックス」的な観点からも、女性に大いに役立つはず! 自炊の腕のレベルアップも期待しつつ、工夫を楽しく積み重ねてみてくださいね。

(※注1)データの出典

「食品の調理・加工による放射線核種の除去率」(1994年・原子力環境整備促進・資金管理センター)

(取材協力:西尾正道、文:山守麻衣)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.07)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年10月01日に公開されたものです

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