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「ルックス軽視」は、幸せな恋愛への近道?

“恋バナ収集ユニット”桃山商事が、これまで見聞きしてきた恋愛エピソードをもとに、男女のすれちがいや細かな男性心理についてご紹介していく当連載。今回のテーマは、ルックス重視ならぬ“ルックス軽視”に関するお話です。

「ダンナはタイプじゃない」「彼氏の顔は好みじゃない」「カッコよくないけど好きになった」などなど……。恋バナ収集の活動をしていて実感するのは、“ルックス軽視”を公言する女性が意外に多い、ということです。

これだけ聞くと、あたかも“妥協”して付き合っているような印象を受けますが、彼女たちにはそういった部分が微塵もなく、むしろそのことをうれしそうにすら話します。

結婚4年目の看護師・ナオコさん(32)も、そんな“ルックス軽視”の女性のひとり。「ダンナの顔もファッションセンスもまったく好みじゃない」と言いますが、2年前に娘も生まれ、とても幸せな毎日を過ごしているようです。

「私は東北のド田舎から出てきたのですが、都会暮らしはさみしいし、元から結婚願望が強かったこともあって、20代のころは早くパートナーを見つけなきゃと焦っていました。でも、私のまわりには『結婚するなら金持ちのイケメン』みたいな価値観を持っている友だちが多く、それに強く影響されてしまい……。結局、“イケメン医師のセカンド彼女”みたいな恋愛ばかりになり、次第に心身ともに疲れ果てていきました」

そんなときに出会ったのが、今のダンナさん。友だちに呼ばれた合コンで知り合ったとき、「全然好みじゃないけど、この人と結婚するかも」と直感したそうです。

「お堅い企業に勤めていて、話も全然おもしろくないんですよ。しかも、友だちも少ないし、趣味もないようで……。でも、私の話をよく聞いてくれて、何というか安心感のある人だなと感じました。そのとき、私がいちばん恋愛に求めているのは安心感だったことに気づいたんですよ。もちろん、収入的な意味でも安心だし、浮気の心配もなさそう。実際どうなるかはわからないんですが、その安らげる感覚はルックスやファッションセンスなんかよりもはるかに大事なものだなと確信しました」

その後、ナオコさんは彼と穏やかなデートを重ね、結婚に至りました。まわりの友だちからは「あの人でいいの?」と何度も言われたそうですが、“安心感重視”の確信はブレなかったそうです。男女に限らず、彼女のように「自分がいちばん重視したい部分」を知ることは幸せに生きていく上でとても大切なことだと思います。

「とにかく安心感がハンパないので、結婚も幸せに暮らしていけています。もちろん、ダンナの話がつまんないなあとか、カッコイイ男子を見たいなあって思うことはあるんですが、それは友だちと遊んだり、好きな芸能人を追いかけたりしていれば満たされるものだったりします。私にとって、結婚とは生活と子育ての基盤となるものですが、裏を返せば、単にそれだけの場ともいえます。仕事して、友だちと遊んで、好きなミュージシャンのライブに行って、たまに元カレのSNSとかのぞいて(笑)。そういう暮らしも、なかなか悪くないですね」

“ルックス軽視”だと語る女性たちは、もっと大切なものを知っているからこそ、それをうれしそうに公言できるのだと思います。そして、その確信は男性側にとっても魅力的に映るような気がします。男は“幸せの根拠”についてあまり考えない生き物なので、「あなたといて私は幸せだ」という態度は、それだけで相手男性の自信にもつながるはず。

自分がいちばん重視したい部分を知り、結婚や恋愛に対する過剰な期待や幻想を捨て去る。そしてそれが、結果的に相手を肯定することにつながる。もしかしたら、これが幸せへの近道なのかもしれません。

【プロフィール】

清田隆之
恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホスト、恋のお悩み相談、傷心旅行のツアーガイド、合コンの企画から恋愛コラムの執筆まで、何でも手がける恋愛の総合商社。男女のすれ違いを考える恋バナポッドキャスト『二軍ラジオ』も更新中!
Twitter:@momoyama_radio
HP:桃山商事

※この記事は2013年10月01日に公開されたものです

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