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お蕎麦屋さんの屋号に「○○庵」はなぜ多い? 「秋の味覚」トリビア4選

情報プレゼンター『とくダネ!』(フジテレビ系列)。9月24日の放送では「猛暑で秋の味覚どうなる? マツタケが豊作で安い!」が特集されました。

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連日30度超えの猛暑が続いた夏の影響が、秋の味覚の出来不出来を左右しているそうです。まつたけは豊作で、市場では例年の2割安程度の値段で取引されているとのこと。猛暑に加えて、8月下旬から9月上旬にかけてまとまった雨が降り、また秋口に涼しい夜を迎えられたことが幸いし、成長が早く、例年より2~3週間も早く収穫できていることが安値を呼んでいるそうです。梨、ぶどうなど果物のデキもよいそうで、特にぶどうは近年稀に見る甘さを帯びたクオリティとか。

反面、さんまの価格は高騰し、例年の2倍ほどと高値となっています。海水温が高く、東北地方での漁獲高が低いことが原因の模様。自然の恵みが天候に左右されるのは道理でしょうから、懐具合と相談して秋を楽しみたいものです。

今回は、食欲の秋にちなんだ、この季節に美味しい味覚のトリビアを、『おつまみとうんちく135』(双葉社刊)の著者である西益屋ハイジさんに聞いてみました。

茄子(なす)

「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがあります。一般的には「美味しい秋茄子を嫁に食べさせるのはもったいない」という少々いじわるな意味合いで解釈されています。しかし実は諸説がありまして、「体を冷やすから大事な嫁には食べさせてはいけない」というものや「種が少ないので、子どもを授からなくなる」という、お嫁さんを気遣った説もあるのです。さして希少高価でない茄子ですから、後者のやさしい見方をとるのが自然ではないでしょうか。

鯖(サバ)

年齢を詐称したり、身長体重を都合よく申告したりすることを「サバを読む」といいます。これは昔、大量に獲れた鯖を大雑把に目分量で販売したことに由来する言葉です。鯖は「鯖の生き腐れ」とか「悪し(あし)が早い」などといわれ、冷蔵技術が向上した現在でも傷みやすく扱いの難しい魚です。時間をかけず、素早い販売が必要だったために生まれた言葉ですので、本来は詐称や虚偽の申告を表したわけではありませんでした。

蕎麦(そば)

街のお蕎麦屋さんの屋号に「○○庵」という名前が多いのには理由があります。江戸時代初期、浅草に称往院極楽寺という寺院がありました。このお寺の塔頭(たっちゅう。寺院敷地内に建てた小院のこと)に道光庵というところがあり、その主人が蕎麦打ちの名人でした。主人は檀家さんのために蕎麦を打ったそうですが、それが大変な評判となり、門前に行列ができてしまったそうです。あまりの繁盛振りに道光庵の蕎麦振る舞いは禁止されたそうですが、その繁盛にあやかりたいと他の蕎麦屋に「○○庵」という屋号が増えたそうで、現在も多く残っています。

ちなみに道光庵の蕎麦振る舞いを禁止した「不許蕎麦」の石碑は現在も残されており、東京都世田谷区北烏山に移設された称往院極楽寺の門前に見ることができます。

梨(なし)

「二十世紀梨」という梨の人気品種があります。発祥の地とされる千葉県松戸市には「二十世紀梨元町」という町名が残されていますが、この梨が生まれたのは1897年のこと。つまり20世紀ではなく、19世紀末なのです。二十世紀梨ではなく、十九世紀梨ということになるのですが、命名には「新世紀には梨の王座につくだろう」という思いが込められたそう。生産者の思いが伝わってきますね。

ちなみに梨の栽培、品種改良の歴史は古く、江戸時代にはなんと100種類を超える品種が生まれていたとか。

まとめ

いかがでしたか? 食にまつわるお話に耽りつつ、秋の味覚を楽しめば、その風味も増すというもの。今年は手が届きやすいというまつたけから、いつもよりちょっぴり高価なさんままで、天の恵みをたくさんいただいてはいかがでしょうか。

(皐月半生/サイドランチ)

※この記事は2013年09月26日に公開されたものです

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