高知県香美市の足下にはアンパンマンが!!踏むのをためらうご当地マンホール集
実は日本全国各地で、まさに地に足付いた町おこし・村おこしが盛んなのをご存じですか? それはマンホールのフタ。足もとに目をやると、そこにも自慢の観光スポットがあるのです。
【北海道は銘菓の宝庫!? もらってうれしい「ご当地おみやげ」】
そこで今回は、ユニークなデザインのマンホールのフタを楽しむツアーへご案内。ご当地名物やおなじみのアニメキャラをデザインしたものから、とてもカラフルなものまで、踏んづけてしまうのをためらってしまうものが点在しています。さぁ、足下に注意しながら出発です。
北海道の自然を描いたカラフルなデザイン
- 阿寒湖の風景を描いたマンホール(写真提供:釧路市観光振興課)
- 可憐なすずらんをデザインしたマンホール(写真提供:釧路市観光振興課)
- 旧音別町のマンホールには、町の花のりんどうとナナカマドが(写真提供:釧路市観光振興課)
まずは、多彩な観光スポットが満載の北海道から。釧路市は市町村合併により、ユニークなマンホールが点在。丹頂鶴をはじめ、すずらんや阿寒湖などをあしらった、いずれもカラフルなマンホールのフタが見られます。
北海道にはこれらのほかにも、函館市では五稜郭を描いたものもあるとか。
ロボコンが足元から復興支援!?
東日本大震災からの復興さなかの宮城県石巻市では、ロボコンがマンホールのフタに登場。作者・石ノ森章太郎氏の故郷なのかと思いきや、彼が学生の頃に登米市から石巻市の映画館によく通ったことが縁になって、町おこしにつながったそうです。
同市にはほかにも、毎年8月に行われている花火大会をモチーフにしたものも。まさに大震災からの復興を足もとから、支えてくれているようです。
漫画・アニメキャラを使ったものはほかにもあり、ご当地出身漫画家の代表作起用したものも。

アンパンマンをモチーフにした、高知県香美市のデザインマンホール。アンパンマンの周りに、ばいきんまん、ドキンちゃん、しょくぱんまんたちの姿も。 (C)やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV (写真提供:香美市役所産業振興課商工観光班)
絵本家・やなせたかしさんの生まれ故郷、高知県香美市の「アンパンマン」、漫画家・青山剛昌さんの故郷、鳥取県北栄町には「名探偵コナン」、そして、漫画家・水木しげるさんの故郷・鳥取県境港市では「ゲゲゲの鬼太郎」が見られます。
これらの市には記念館や資料館もあるので、足もと見学と合わせて楽しんでみてはいかがですか?
足元に広がるメルヘンワールド
さらに童話を題材にしたものでは、栃木県下野市の「赤ずきんちゃん」に注目。旧石橋町のころ、「シュタイン=石」「ブリュッケン=橋」ということで、ドイツのシュタインブリュッケン村と友好姉妹都市提携を締結しました。
あのグリム童話を編さんしたグリム兄弟がこの村の出身ということから、「赤ずきんちゃん」が採用されたそうです。もちろん、下野市には、マンホールばかりか、グリムの森やドイツ建築の多目的ホール、資料館などいたるところにグリム童話にちなむものがたくさんあるそうです。
あの感動がよみがえる!
スポーツ関係では、感動の記憶に新しい長野オリンピックの開催地・長野市が、同オリンピックのシンボルマークをマンホールのフタにカラフルに再現。同市では、市の花「リンゴ」の花と実がデザインされたものも道路を彩っています。
サッカーワールドカップ予選で盛り上がった埼玉スタジアムや、浦和レッズと大宮アルディージャの2つのプロサッカーチームを抱えるさいたま市では、サッカーボールをモチーフとしたデザインマンホールがあるそう。
広島カープの本拠地・広島市には、紅葉を背景に「カープ坊や」が描かれたカラフルなデザインマンホールがマツダスタジアム周辺に点在。あの熱狂的な応援は、地面のマンホールから湧き出ているのかもしれませんね。
ほかにも、ご当地名物やゆかりのあるものを採用しているものが各地に点在。静岡県下田市には、1853年来航した黒船、愛知県豊明市は「桶狭間の戦い」、三重県伊賀市の忍者、新潟県小千谷市の錦鯉、奈良県奈良市の鹿、大阪市では大阪城が、それぞれモチーフにしたデザインマンホールを採用しています。
世界遺産に登録されたばかりの富士山は、山梨県富士吉田市が採用。富士山をバックにふじざくら、しらかば、アカゲラがデザインされたマンホールが富士山観光を一層盛り上げてくれます。
今回ご紹介したのは、ユニークなデザインマンホールのほんの一部。まだまだ楽しい、面白い、そして美しいマンホールのフタが全国各地の道路を彩っています。観光ガイドブックには載っていない、足もとの観光スポットを探してみてはいかがですか? もちろん、交通事故には気をつけて……。
(OFFICE-SANGA 花澤和夫)
※この記事は2013年09月06日に公開されたものです