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外国人英会話講師に聞く。英語が苦手な日本人が多いワケ「スピードに弱い」「島国育ち」

いまでは小学校から英語を習いはじめるにも関わらず、英語を母国語としないヨーロッパ諸国やほかのアジア諸国に比べ、圧倒的に英語を話せる人の割合が少ない日本。

それは一体、なぜなのでしょうか? ニュージーランド出身の外国人英会話講師M.Cさんにお話をうかがい、そこから見えてきた理由を4つにわけてご紹介します。

【知らなかったではヤバイ! 外国では通用しない日本人の礼儀3つ⇒】

原因1:英語の「スピード」に弱い

「英語を勉強する際、文法や熟語、リーディングやリスニングなど細かい分野にわけて学びます。中でも英語を『話す』上で重要な役割をするのが、『リスニング』『アクセント』『口語表現』です。

じつはこれらの分野を、多くの日本人が不得意とします。なぜなら、自分ではコントロールできない分野だからです。

たとえば、リスニングであればネイティブのアクセントやスピードに、口語表現なら会話の内容に、こちらが『合わせる』『ついていく』必要があります。

この英語独特のスピード感が、日本人の弱点であり、英会話を習得する上で大きな壁となっているのではないでしょうか」

このスピードに慣れるには、『シャドーイング』が効果的! CDなどを使い、流れてくる音声をよく聞き、真似ながら影のように追いかけて音読する練習法です。慣れるまで少し時間はかかりますが、慣れてくると一気に上達の実感を得られると思いますよ」

原因2:島国という環境

「英語だけに限りませんが、語学を習得する上で、環境は非常に重要です。日本は海に囲まれた島国であるため、英語を使う機会が他国に比べ圧倒的に少ないでしょう。

ヨーロッパを例に挙げると、フランスやイタリア、スペイン、ベルギーやスイスといった陸続きの国々は、簡単に行き来ができます。英語を習得するためにわざわざ遠くの国に高いお金を払って留学する必要がないのです。

それに比べ、日本人が本気で英語を習得しようとする場合、たいてい海外留学を考えますよね。遠くの英語圏の国で生活をすることで、英会話習得を計ると思います。『島国』という地理的な環境もまた、英会話習得における障害になっていると考えられますね。

まずは、外国人の知り合いと話す機会を設けたり、洋画を字幕なしで見るなど、英語に触れる時間を増やすことから始めるとよいでしょう」

原因3:日本の教育方法に問題アリ?

「私たち外国人から見て、日本人はとても“シャイ”だと思います。英会話の練習をしているときも、言いたいことがあるのに、まちがいを恐れて黙ってしまう人が多いのです。
そのシャイな国民性は、日本の教育方法に影響を受けているのではないでしょうか。

欧米諸国の教育スタイルは、答えを自分で探すことに重点が置かれています。正しい・間違っているという最終的な答えよりも、自分のやり方で導き出そうとする姿勢・意欲を育てるのです。

対して、日本の教育は『マルかバツか』という答えを子どもに求めます。一人ひとりのやり方を尊重するというよりは、『正しい答えを導く』ことが優先されているように見えます。

そういった教育環境で育つため、自然と『まちがえる』ことに対して臆病になってしまったのかもしれません。

『まちがえたら恥ずかしい』という気持ちから、発言することに抵抗感が生まれたのではないでしょうか。英会話を上達させたいのなら、『まちがえることへの恥じらい』を捨ててください。

『まちがえてナンボ!』というくらいの強気の姿勢で、どんどん英語で発言しましょう」
■原因4:英語に対する「意識・感覚」の違い

「陸続きのヨーロッパ諸国に住む人たちは、幼いころからいろいろな言語が飛び交う生活環境にいます。つまり、英語を習得することに対して“勉強”という意識はないのです。
英語を習うという感覚ではなく、吸収するというニュアンスの方が正しいかもしれません。そのため、数カ国語話せるという人は珍しくないのですね。

また、同じアジアでも日本人に比べ、中国人の方が英語を話す人が多いといいます。なぜなら、中国は多民族国家であるため、そのぶん異なる言語が混在し、また方言も大幅にちがうからではないでしょうか。

そういった環境で育った中国の人たちは、英語に対しても『まったく異なる言語』という意識ではなく、『数あるうちのひとつ』と捉えることができるのです。

日本人にとって、英語は『まったく異なる言語』であり『勉強しなければ』という意識が強いと思います。この意識や感覚のちがいは、英会話習得に対する『心の壁の高さ』を表していると思いませんか?

英語への心の壁を破るためにも、英語を『方言』というくらいの感覚で、捉えてみてはいかがでしょうか。日本にも、北から南まで地元の人しか通じないような方言が、山ほどあるのですから」

日本人の「国民性」や日本の「環境」といった面が、英語の習得に大きな影響を与えているのでしょうか……!? これらの原因を克服し、他国に負けない「島国根性」で英会話力を身に付けていきたいものです。

(OFFICE-SANGA Ai Kageyama)

※この記事は2013年08月30日に公開されたものです

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