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専門医に聞いた! 夏の睡眠中、なぜか「布団をかけると暑く、かけないと寒い!」と感じるワケ

近ごろめっきり日が伸びて、夏の訪れを感じますね。夜は適度に涼しいけど、布団を被ると、なんだか暑い。かといって、布団をかけないと今度は寒い! と、ややこしい季節でもあるのです。これって、どうにかならないの!? 睡眠医学の専門医である西多昌規先生に聞きました。

――暑いと思って布団をかけずにいると、今度は寒い。これってどうしてなんですか?

「人間の体内リズムの影響で、夜中に体温が一番低くなることが原因として考えられますね。暑いと感じても、実際は体温が低いわけですから、かけ布団を取ってしまうと、体幹部が冷えて余計に寒く感じるのです。対処法としては、かけ布団の調節しかないですね」

――なるほど。やはり、それしか方法はないのですね……。では、しばらくはそれで乗り切るとして、これからもっと暑くなるにつれ、エアコンが活躍してきますよね。そのときもやはり、暑いのに、寒い、という感覚に陥ることがあるのですが、これはなぜでしょうか?

「自律神経が乱れることによって、毛細血管の体温調節機能が乱れるからです。自律神経が乱れる原因には、不規則な生活習慣、ホルモンバランスの変化などいろいろありますが、エアコンの効いている、あるいは効き過ぎている環境でも乱れることがあります。すると体温調節に重要である発汗作用が損なわれて、結果、毛細血管が収縮したままとなり、冷えた感じが残ってしまうのです」

――なるほど。自律神経の乱れ以外で考えられる原因はありますか?

「不規則な生活習慣やストレス、甲状腺ホルモンや女性ホルモンなどの不調、血液の重要な成分である鉄分が不足する貧血も、忘れてはならない要因ですね」

寝る前のアイスクリームは、控えて!

ほかにも、寝る前にアイスクリームを食べたり、氷のたっぷり入った飲み物を飲むと、体を冷やしすぎてしまうので要注意。脳と自律神経系から「体を温めよ」という指令が出て、眠りを浅くする原因になってしまうんだとか。とはいえ、暑すぎる中で眠ると、熱中症の恐れもあります。こまめな温度調整を心がけてくださいね。

西多昌規先生
精神科医・医学博士。睡眠と健康について研究を行う。著書に「休む技術」(大和書房)などがある。

(取材協力:西多昌規、文:中村未来/清談社)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年06月07日に公開されたものです

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