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本命候補の見わけ方って? 理想の相手の“意外な条件”

恋愛&映画コラムニストのアイさんがいる「恋愛心理ラボ」は、恋のお悩みを手みやげにお茶を飲みにくるアラサー女子・ゆかりんが行きつけの恋の駆け込み寺。女子が気になる恋愛映画のシーンから、登場人物の心理を分析! 恋に迷ったときに力になってくれる恋愛のヒントをお届けします☆

1.ケンカできるのは、心の距離が近い証拠

ゆかりん「ねぇ、アイさん。結婚している友だちが、旦那さんとケンカするたびに泣きついてくるんですけど」

アイ
「あら、深刻なの?」

ゆかりん
「ケンカ直後は、それなりに。うちはどうしてモメてばっかりなんだろう、今度こそおしまいだって、電話口でさめざめと泣くの」

アイ
「ははーん。そのころ、ご主人のほうも落ち込んでいたりしてね。怒りにまかせて言いたいこと言っちゃうと、あとで悲しくなったりするのよね」

ゆかりん
「そうなんですよ。それで、本当は仲よくしたいだけなんだってしみじみして、あらためて愛が再燃焼するみたい。だいたい翌日にはケロッとしていて仲直りですよ。もう、勝手にやってくれって感じ」

アイ
「あはは。ぜんぜん深刻じゃないわね。夫婦喧嘩っていうのは、犬も食わないわけよね」

ゆかりん
「むしろ、ケンカで愛情を確認しているんじゃないのって思っちゃう」

アイ
「その通りかも。そもそもケンカって、思っていることをストレートに言える間柄じゃないとできない。相手への期待や甘えもケンカの引き金になるし、何とも思わない相手なら嫉妬もしない。気を遣い合っているうちは、揉めごとなんて起こりようがないわよね」

ゆかりん
「ケンカできるっていうのは親密さの証なんですね。完璧にわかり合えて、ケンカひとつしないのが運命の相手なのかと思っていたけど……」

アイ
「そうねぇ。むしろ、何度ケンカしても仲直りできるっていうのは、相性がいいってことなのかも。ちょうどいい映画がある。今日は、『婚前特急』にしましょうか。恋する女性の微妙な心模様を、ユーモアたっぷりに描いた映画よ」

2.モテることと愛されることは本質的に違う!?

アイ「主人公の池下チエは24歳のOL。限られた人生を有効に使うという名目で、5人の恋人を渡り歩く女の子。相手の男性は妻帯者あり、バツイチあり。しかも、5股をかけていることにみじんも引け目を感じていないのが痛快なのよね」

ゆかりん
「それって、女の敵でもあるし、男の敵でもあるでしょう」

アイ
「そう。それでいてかわいくてモテるわけだから、呆れるくらい“嫌なオンナ”なのよ。そんな小悪魔チエちゃんにも転機が訪れるわけ」

ゆかりん
「……天罰でも下ったほうがいいんじゃないの」

アイ
「天罰って……。ゆかりんは、奔放なタイプに厳しいのよねぇ。あのね、チエの親友がおめでた婚をすることになるのよ。チエは、その幸せそうな様子に感化されて恋人たちを結婚相手として査定することにしたの。そうしたら、とんでもない展開に……」

ゆかりん
「奥さんにバレて、訴訟沙汰になるとか」

アイ
「そういうリアルな展開じゃなくて。合理的なチエは、メリットが少ない男性から順に関係を切っていこうとするの。それで、見た目も性格もキャリアもほとんど長所が見当たらない上に、図々しくてお調子者の“田無たくみ”って男性に別れを切り出すんだけどね」

ゆかりん
「チエちゃん、どこまでも上から目線ですね」

アイ
「そう。でもね、ここから田無たくみワールドなのよ。チエとしては、一応けじめをつけようと切り出した別れ話だったのに、『俺たち付き合ってないんだから、別れることなくない? 今まで通り、身体の関係は続けようよ。ねっ』なんて返り討ちにあっちゃうの」

ゆかりん
「うわ、それはイタイなぁ。でも、そもそもが5股なんだから自業自得!?」

アイ
「それが自由恋愛の脆さかな。都合よく割り切って付き合っているときは楽だけど、けっきょくお互いに大切に思っていないっていう厳しい現実を突きつけ合うときがくる。チエも、本気で結婚相手を査定しようと決めてから、それが身にしみてくるのよね」

ゆかりん
「はやく気づけ、チエ!」

アイ
「そんなチエが、自分の本心に気づくまでのすったもんだがおもしろいんだから」

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Data

『婚前特急』

19歳から54歳までの5人の恋人を使いわけて、独身生活を謳歌している主人公のチエ。親友のおめでた婚をきっかけに、恋人たちを結婚相手として査定することに。悪女キャラだけど妙に純粋な一面をもつもチエが、意外なほど身近にいた運命の相手に出会うまでの痛快ラブコメディ。

監督:前田弘二 出演:吉高由里子、浜野謙太(SAKEROCK)、杏ほか

ブルーレイ 5,040円(税込) 発売元:バンダイビジュアル

監修・三吉野愛子(心理コーディネーター)

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