私はこのままでいいの? 恋に仕事に悩んだ先には……

(C)2012 映画『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』製作委員会
自分の本音を押し殺していると
いい縁があってもすれ違ってしまう
かつてバイト仲間だった30代独身の女性3人の友情とそれぞれの日常を描いた『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』。柴咲コウさんは、カフェ店員で34歳のすーちゃんを演じています。大好きな料理の腕を仕事に活かし、充実した日々を送りつつ、ふとした瞬間に“このままひとりぼっちかもしれない”将来について考えてしまう。きらびやかな世界で脚光を浴びる柴咲さんにとって、いわゆる“普通の女性”を演じるのはむしろ難しかったのでは?
「じゃあ、私が普通じゃないかといったら、そうではなくて」と柴咲さんは笑います。
「もし私がビバリーヒルズとかに住んでいる大富豪だったら、『わからない』と断言できるけど、私自身、自分を普通だと思っているし、根本的な部分は似通っていると思います。そのせいか、完成作を見た最初の感想は“恥ずかしい”だったんです。普段は見せない、ちょっと縮こまったり、悶々としている部分が透けていて。見せようと思ってやっていたわけでもないから、そこはリンクしたとしか言いようがないと思います」
すーちゃんの恋愛との向き合い方に共感する女性も多そう。好きな人ができてもなかなか一歩踏み出せずにいる役柄です。柴咲さん自身にもそんな面は「ありますよ」と言います。
「そこは実は臆病です。たいがい受け身になるから。自分が仕掛けていくのはなかなかできないタイプで、したたかになりたいなと思うことは何度もあったけど、そうすると自分じゃない気がするし……」
ただ、すーちゃんは臆病なだけではなく、自分を大切にしている人。仕事に対するプライドも持っています。
「仕事に対する姿勢にも共鳴したところです。だからといって全部自己肯定できるわけではないし、もっと強くなりたいと思う。何か言われて、毅然としていられないときがいっぱい過去にはありました。すーちゃんもそれで少しずつ傷ついたりしている子だと思うんだけど、必要なのは、自分が本当はどうしたいのか? というところだと思うんです。そうやって選択していくうちに、気に入る人が現れたとき、ちゃんとつながると思うんですよ。妥協したり、まわりを気にして自分の本音を押し殺していると、いい縁があったとしても、すれ違ってしまうのかなと思います」
>>>世間や他人を変えることより……