「女性が活躍する会社BEST100」総合ランキング2位「日本航空」、1位は?
日経BPが発行する働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経ウーマン』と、日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」はこのほど、「企業の女性活躍度調査」を実施、2025年版「女性が活躍する会社BEST100」をまとめました。
467社からの回答をもとに『日経ウーマン』6月号(5月7日発売)誌上で総合ランキングBEST100を発表。同調査は『日経ウーマン』が1988年の創刊時から不定期で実施しており今回で23回目を迎えています。
「働きがい」と「働きやすさ」という2つの観点から、女性社員が活躍できる実態を、1.管理職登用度、2.女性活躍推進度、3.ワークライフバランス度、4.人材多様性度の4つの指標で測定し採点。それらの合計得点を偏差値化して総合スコアとし、総合ランキングを作成しました。結果概要は以下の通りです。
「女性が活躍する会社」総合ランキング BEST10
2025年、総合1位になったのは「EY Japan」(24年は総合7位)。女性向け階層別選抜研修を実施し、同性の良きライバルの可視化で昇進意欲を高めています。管理職手前層向けでは参加者の約4割が昇格。女性役員候補育成のために役員クラスがマンツーマンで指導にあたる「スポンサーシッププログラム」も強化しています。部門別では管理職登用度でも1位となりました。
2位は、「日本航空」(24年は総合6位)。客室乗務員を経て営業支店長に就くなど女性管理職の職種横断的な登用が進んでいます。マネジメントを学ぶ管理職一歩手前層向け研修や、社内キャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングも実施。部門別では管理職登用度で3位、人材多様性度で3位となりました。
3位は「全日本空輸」。役員候補者育成のため、部長級の女性社員を関連会社の社長や役員に登用し、事業運営に必要な知識、経験を積む場を提供しています。24年6月時点で女性役員11人、女性役員比率23.4%。
総合ランキングに加え、4つの「部門別ランキング」も作成。それぞれの部門の評価ポイントおよび各部門の上位企業は以下の通りです。
【管理職登用度】部門
〜女性役員数、管理職に占める女性の割合を評価。社内・社外取締役の人数もチェック
1位は「EY Japan」。管理職手前層に研修と並行して個人主導プロジェクトを導入しています。取締役会相当の経営会議メンバー17人中、6人が女性。女性管理職比率は20.4%。
2位は「PwC Japanグループ」。女性の部長職や役員輩出のための研修が充実しており、伴走する役員や上司向けの研修にも力を注いでいます。24年度の女性管理職比率は23.9%。
3位は「日本航空」。客室乗務員出身の社長を筆頭に、出身部門と異なる領域かつ重要な職務への女性登用が進んでいます。24年の女性役員比率は21.3%。
【女性活躍推進度】部門
〜女性活躍の専任組織の有無や女性社員向けの研修制度などで評価
1位に「大和証券グループ」「東日本電信電話(NTT東日本)」が並びました。大和証券グループは総合職などに職制転向した社員は累計1,720人超。「営業員再雇用制度」利用者も累計80人を超えるなど女性管理職候補者が大幅に増加しています。
東日本電信電話は、管理職一歩手前層にキャリア志向をヒアリングし、データベース化。本人の意向や適性に基づき育成プランを策定。選抜研修などを展開しています。
【ワークライフバランス度】部門
〜年間総労働時間や有給休暇取得率、男女の育休取得率などを評価
1位は「日本生命保険」。男性育休は12年連続取得率100%を達成。全国約1,110園の企業主導型保育所を職員が利用可能で、早期復職や退社抑制など優秀な人材の確保にも貢献しています。
2位の「住友生命保険」は「生産性評価」を人事考課に導入。残業時間減に伴う給与の減少分を、人事評価に応じ賞与に加算して支給する給与制度を運用しています。
3位は「明治安田生命保険」。5年連続で男性の育休取得率100%を達成。24年度から男性が配偶者の出産予定日8週前から育休を取得できる「産前パパ育休」を導入しました。
【人材多様性度】部門
〜勤続年数など定着率を評価。障がい者雇用率やLGBTQ+理解促進の施策もチェック
1位の「KDDI」は、新卒の入社3年後在籍率は94%。男女の平均勤続年数の差が小さく(男性19年0ヶ月、女性16年2ヶ月)、働きやすい職場を実現しています。
2位の「三越伊勢丹」は社員の平均勤続年数は男性23年4ヶ月、女性22年2ヶ月。24年は障がいのある社員が活躍し、グループで法定雇用率を上回る3%を達成しました。
なお女性活躍度調査の詳細は、『日経ウーマン』25年6月号(5月7日発売)で詳報しています。
調査概要
※2025年1月〜2月中旬に、上場企業など国内有力企業4,543社を対象に日経BPコンサルティングが実施。467社から回答を得た。設問や採点基準は有識者(聖心女子大学教授・大槻奈巳氏、キャリアン代表取締役・河野真理子氏、法政大学教授・武石恵美子氏)と同誌編集部で定めた
(エボル)