生意気な人の特徴4つ。生意気と思われないコツと生意気な人への対処法
「生意気」とは、「自分に見合わない出すぎた言動をすること」という意味。では、出すぎた言動とはどのようなものを指すのでしょうか? この記事では、生意気な人の特徴や生意気と思われないためのコツ、生意気な人への接し方などを紹介します。
「生意気な人」と聞いて、ネガティブなイメージを持つ人はいるでしょう。
仕事などで「こんなことを言ったら、生意気と思われるかな……」などと不安になった経験がある人もいるかもしれません。
では実際、どういった言動が生意気と思われやすいのでしょうか?
この記事では、「生意気」の意味を改めて確認し、生意気な人の特徴やそう思われないためのコツ、生意気な人への接し方を紹介します。
「生意気」の意味と語源
まずは、「生意気」の意味をおさらいしておきましょう。併せて語源も紹介します。
意味は「自分の年齢や能力を考えず出すぎた言動をする」
「生意気」を辞書で調べると、以下のように記載されています。
なま‐いき【生意気】
[名・形動]自分の年齢や能力を考えず、出すぎた言動をすること。また、そのさま。「―な口をきく」(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり「生意気な人」とは、「自分の年齢や能力に見合わない言動をする人」だといえます。
ただ、言動が年齢や能力に見合っているかは受け手の感じ方によるところもあるでしょう。そのため、同じ振る舞いに対して「生意気だ」と感じる人もいれば、そうでない人もいると考えられます。
語源は「意気」に接頭語の「生」をつけたもの
「生意気」の「生」は、「中途半端」「不十分」な状態を表します。これは、「生乾き」「生ぬるい」といった言葉に使われているのと同じ接頭語です。
そして「生意気」の「意気」は、「事をやりとげようとする積極的な気持ち」「気立て」を指します。辞書には以下のように記載されています。
い‐き【意気】
1 事をやりとげようとする積極的な気持ち。気概。いきごみ。「その―で頑張れ」「人生―に感ず」2 気だて。気性。気前。
「心のむさきを―のわるきなど言ふ」〈色道大鏡・一〉
3 意地。いきじ。
「張り少くて―も足りず、軽薄なれば」〈難波物語〉
(『デジタル大辞泉』小学館)
この「意気」が転じて、「気質や身なりが洗練されている」ということを表す「粋」という言葉が生まれたといわれています。ちなみに、「粋」の意味を辞書で調べると、以下のように記載されています。
いき【粋】
[名・形動]《「意気」から転じた語》
1 気質・態度・身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があること。また、そのさま。「―な姿」「―な柄」「―な店」⇔野暮 (やぼ) 。2 人情の機微、特に男女関係についてよく理解していること。また、そのさま。「―な計らい」⇔野暮。
3 花柳界の事情に通じていること。また、花柳界。「―筋」⇔野暮。
(『デジタル大辞泉』小学館)
上記の意味を踏まえると、「生意気」は「意気(粋)が不十分」、つまり「気立てが不十分」ということを表す語としてできた言葉だと考えられます。
「生意気」の使い方(例文つき)
「生意気」は、実力が伴っていないのに差し出がましい言動をする様子を表す時などに使えます。また、年齢に見合わない言動を非難したりたしなめたりする時にも使われます。
例文
・「彼は入社したてであるにも関わらず、新しいプロジェクトのリーダーに立候補した。それを『積極的だ』と評価する人もいたが、『まだ仕事を覚えていないのに生意気だ』と言う人もいた」
・「私は高校生の頃、親に高級ブランドのバッグをねだって『まだ子どもなのに生意気だ』と一蹴されたことがあります」
「生意気」の類義語・対義語
「生意気」の類義語や対義語についても確認しておきましょう。
類語は「図々しい」など
「生意気」の類義語には、以下のようなものがあります。
・図々しい
・こざかしい
・利いた風(きいたふう)
対義語は「謙虚」など
「生意気」の対義語には、以下のようなものがあります。
・謙虚
・低姿勢
・卑下(ひげ)
「生意気」は英語で「saucy」など
「生意気」は英語で「saucy」と表せます。辞書には以下のように記載されています。
saucy
生意気な、ずうずうしい、生意気で、気のきいた、粋(いき)な、しゃれた、(性的に)いかがわしい、わいせつな(『Weblio英和辞典』)
また、「うぬぼれた」というニュアンスでは「conceited」、「出すぎた」という意味では「impertinent」といった単語も使えます。
生意気な人の特徴4つ
それでは、生意気な人はどのような特徴を持っているのでしょうか?
(1)自分が正しいと思っている
生意気な人の特徴として、「自分が正しいと思っている」ということが挙げられます。
例えば、初めて取り組む仕事に手をつける前から「それってやる意味ありますか?」「やり方が古くて無駄ばかり」などと言うと、周囲から「生意気だ」と思われかねません。
古い方法を見直して効率化を図ることは確かに大事です。しかし、元々のやり方を身につけていない人が前の方法を否定しても、周囲を納得させることは難しいでしょう。
場合によっては、チャレンジしないことの言い訳と捉えられることも。
こういった理由から、経験不足にも関わらず「自分の考えが正しい」と信じて通そうとする人は、周囲から「生意気」と思われる可能性があります。
(2)知らないこと・できないことを認めない
自分が知らないことやできないことをなかなか認めないのも、生意気な人に見られる特徴です。
例えば、先輩が仕事のアドバイスをくれた時に「それくらい言われなくても分かってます」「もう知っているので大丈夫です」などと跳ねのけたりするのは、生意気な態度といえるでしょう。
「自分はできる」と思って新しい仕事に取り組んだ結果うまくいかなくても、できなかったことを認めたくなくて周囲への報告が遅れる、といったパターンもあるようです。
(3)マナーやルールを尊重しない
生意気といわれる人の中には、マナーやルールを尊重しない人がいます。
前述したように「自分が正しい」と思っているところがあるため、それを通そうとするあまり上から目線の言動を取るなど、マナーが良くない印象を与えることがあるのです。
また、納得できないルールは「こんなルールを押しつける方がおかしい」などと考え、守らないこともあるかもしれません。
そのため、周囲から「協調性がない」と思われる場合があります。
(4)あいさつをきちんとしない
生意気な人の特徴として、あいさつをきちんとしないといったことも挙げられます。
自分の意見を通したい気持ちが強すぎるあまり、「ありがとうございます」「すみませんが……」といったあいさつを忘れてしまったり、おろそかにしてしまったりすることがあるようです。
こうしてあいさつもなしに自分の方針を主張する姿を見て、「生意気だ」と感じる人もいると考えられます。
生意気な人だと思われないためのコツ
「こんなことしたら生意気って思われるかな……」といった不安を感じたことがある人もいるでしょう。
そこでここからは、生意気だと思われないためのコツを紹介します。
(1)人の意見やアドバイスを素直に聞く
「生意気」と思われないためには、人の意見やアドバイスを素直に聞くことが大切です。
自分の考えとは異なる意見を述べられても、まずは「そういう考えもあるんだ」と一度受け止めてみましょう。
そして、なぜその人はそう考えるのか、その意見の良いところはどこか、考えてみてください。言われたことを行動に移してみるのもおすすめです。
特に、慣れない仕事をしている時は、人の意見やアドバイスに聞く耳を持たないと、「まだ仕事を覚えていないのに生意気だ」と思われる可能性があります。
素直に耳を傾けてアドバイスを実践することで、「生意気」と思われることを防げるはずです。また、あなたが仕事を身につけることにも役立つでしょう。
(2)知らないこと・できないことを認める
生意気だと思われないためには、知らないことやできないことを素直に認める姿勢も必要です。
自分ができていないことを認めず、「このやり方は非効率だ」などと文句を言うと、生意気だと思われる可能性があります。
もし難しいと感じる仕事などがあったら、まずは知らないことやできないことを認め、「○○がうまくできないのですが、教えていただけますか」と素直にアドバイスを求めましょう。
その上で、もし改善できそうな部分を見つけたら、「ここをこうすればもっとスムーズになると感じたのですが、どうでしょうか?」などと謙虚に提案すれば、生意気に思われる可能性は低くなると考えられます。
(3)あいさつやお礼をきちんとする
あいさつやお礼をきちんとすることも、生意気と思われないためには大切です。
恥ずかしくてつい声が小さくなってしまうこともあるかもしれませんが、明るくハキハキとあいさつをすれば、それだけで周囲に「しっかりした人だ」というポジティブな印象を与えやすくなります。
また、小さなことでもきちんとお礼をすれば、相手に誠実なイメージを与えられるでしょう。
こうして周囲との信頼関係ができていれば、あなたが何か提案したり新しいことをしたりしても、周囲から「生意気だ」と思われる可能性は低いと考えられます。
生意気な人への対処法
身近に生意気だと感じる相手がいて、接し方に悩んでいる人もいるかもしれません。
ここからは、生意気な人への対処法を紹介します。
(1)距離を置く
もし相手を「生意気だ」と感じ、それがストレスになるようであれば、ある程度距離を置くのも1つの方法です。
生意気な人の態度を見て、「自分はそうならないようにしよう」と反面教師にするつもりでいれば、イライラしにくいでしょう。
また、関わりすぎないでそっとしておけば、生意気な人が助けを得られず困った時に、自分の態度を反省するかもしれません。
(2)いったん言い分を聞く
後輩や部下を指導する際、生意気な態度を取られると、ついイラっとしてしまうこともあるかもれません。しかしそこで感情的になるのはNG。
生意気な人は「自分は正しいことを言っているだけ」と思っている場合があるので、感情的に否定すると「なんで責められないといけないの?」と気を悪くする恐れがあります。そうなると、素直に話を聞いてもらうのは難しいでしょう。
まずは冷静に相手の言い分を聞き、「その考えにも一理あるけど、○○という事情があるから今はこのやり方でやってほしい」など、相手を認めつつ指示を出すと受け入れてもらいやすくなるはずです。
謙虚に振る舞えば「生意気」と思われない
「生意気」とは、自分の実力を考えず、出すぎた言動を取ることです。
生意気な人と思われないためには、知らないことを認めて素直に人の意見を聞くなど、謙虚に振る舞うことが大切です。
また、きちんとあいさつやお礼をするなど、普段から周囲とのコミュニケーションをしっかり取って信頼関係を築くこともポイント。
もし周囲に生意気だと感じる人がいるなら、この記事を参考に、接し方を工夫してみましょう。
(ユキッ先生)
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