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ケチな性格の人の特徴や心理、うまく人間関係を築くコツ

高見綾(心理カウンセラー)

ケチな性格には、どういった心理が隠れているのでしょうか? また、「ケチ」と「倹約家」はどう違うのでしょうか? 心理カウンセラーの高見綾さんに、ケチな人の特徴や心理、人間関係への影響、付き合い方を解説してもらいます。

あなたの周りに「ケチだな」と感じる人はいますか?

ケチというと、ネガティブなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。実際のところ、「ケチな人」とはどういう人をいうのでしょうか。

その特徴や心理、上手に付き合うためのポイントについて解説します。

「ケチ」ってどういうこと? 「倹約家」との違いは?

ケチと似た言葉として「倹約家」がありますが、「ケチ」と「倹約家」はどう違うのでしょうか?

広辞苑で「けち」と「倹約」を調べると、それぞれ下記のような記載があります。

けち
(1)縁起が悪いこと。また、不吉の前兆。
(2)不景気。
(3)金品を必要以上に惜しむこと。しみったれなこと。また、その人。吝嗇(りんしょく)。
(4)みすぼらしいさま。心がせまく、くだらないさま。
(5)手ぬかり
(6)ある語につけて、いまいましい意を表す。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

倹約
(1)費用を切り詰めて無駄遣いしないこと。節約。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

今回取り上げる「けち」は(3)の「金品を必要以上に惜しむこと」という意味です。

ケチな人はできるだけお金を使いたくないと思っているので、たとえそれが必要なものであってもお金を出し惜しみします。

倹約家は、節約すべきところと、お金を使うべきところをはっきりと区別しています。そのため、必要と判断したところにはお金を出し惜しみしません。この点が、ケチな人との違いだといえるでしょう。

ケチな人の特徴や心理と具体例

ケチな人はどういった特徴や心理を持っているのでしょうか。ケチな人に見られる代表的な特徴について紹介します。

(1)お金を使うことに罪悪感がある

ケチな人は、損したくない気持ちが強く「これにお金を使ってメリットがあるのか」という損得計算をします。そして「損をする」と思えば、たとえ冠婚葬祭など重要なイベントであっても参加しないこともあります。

また、誰かのためにプレゼントをしたり、お祝い金を渡したりするようなことはなるべく避けようとする傾向があります。

さらに、少しでも出費が抑えられると安心するので、恋人や友達と食事に出かけた時でも食べたいものを必要以上に我慢して安いメニューを頼んだりします。

このように、なるべくお金を使わないよう行動する人は、子ども時代に親から「こんなものにお金を使うなんてもったいない」とよく言われていたなど、「お金を使うことは悪いことであり、不幸につながるのだ」という感覚を持っている場合があります。

そして、ケチな人の中には「あわよくば自分の出費を誰かに肩代わりしてほしい」と思っている人もいます。

(2)金銭面で将来に不安を感じている

ケチな人の中には、「自分には将来十分なお金が入ってこないかもしれない」という不安を感じている人もいます。そのため、できるだけ手元にあるお金を温存しようします。

たとえ今ある程度のお金があったとしても、将来必要になる時のためにとっておかなければならないと思っているので、「お金がない」と口にする傾向があります。

ケチな人は、将来のために無駄遣いせず我慢できる人ともいえるかもしれません。

(3)「お金だけは裏切らない」と思っている

過去に何かのトラブルをお金で解決した経験がある人などは、「人間関係よりもお金の方が信頼できる」と思ってしまうことがあります。

そのような人は人を信頼していないことも多く、人間関係を良好に保つよりもお金を温存することを考えます。

もちろんお金で解決できることもあるので「お金は裏切らない」という考えも間違いではありませんが、そういう思考が極端になってしまうと、いわゆる「ケチ」と思われてしまいます。

ケチな性格は人間関係にも影響する? 周りの人からの評価は?

ケチな性格であることは、周りからの評価にどのような影響を与えるのでしょうか。主な例を取り上げてみます。

(1)一緒に楽しめなさそう

ケチな性格の人はなるべくお金がかからないようにしたいと思っているので、おのずと行動の選択肢が限られてきます。

そのため、周りの人が旅行などのイベントや食事会を一緒に楽しみたいと思っていても、ケチな人は「お金がかかるから」と断ることがあります。

「多少お金がかかったとしてもいろいろ楽しみたい」と考えている人からすれば、そういったことを一緒に楽しめないので残念に感じる可能性があるでしょう。

(2)我慢が多くつまらなさそう

ケチな性格の人は、お金を使って欲しいものを買ったり豊かさを味わったりすることよりも、お金が手元にあることの方に喜びを感じる傾向があります。

自分の知っている範囲内で生活をし、欲求を我慢しているその様子に、「つまらなくないのだろうか」と感じる人もいるかもしれません。

(3)人に興味がなさそう

ケチな性格の人は、他人のためにお金を使わない傾向があります。

そのため、「プレゼントをして誰かを喜ばせたい」という気持ちに、「出費を極力減らしたい」という欲求が勝つこともしばしばあります。

そういった様子から、周りの人に「この人は他人に興味がないタイプなのかな」と感じさせてしまうことがあるでしょう。

ケチな人との付き合い方

それでは、ケチな人とどうやって付き合っていけば良いのでしょうか。意識すると良いポイントについてまとめました。

(1)適度な距離感で付き合う

自分と考え方が違っていたとしても、「この人はこういう人なんだな」と受け入れてしまうことがおすすめです。

相手がおかしいと思ってしまうとイライラする要因になりますので、割り切って適度な距離感で付き合うようにしましょう。

ケチな人と会う時は「今日はお金をかけない日」ということにして安いお店を選ぶなど、お金のかからないお付き合いをしてみても良いですね。

(2)予算をあらかじめ伝えておく

食事などお金のかかるイベントに誘う時は、予算をあらかじめ伝えておくと良いでしょう。

飲み会であれば、飲み放題や食べ放題で一律いくら、というように設定しておけば後で揉めることも減ります。

ケチな人も事前に情報があった方が参加するかどうか検討ができるので、お互いにストレスが減るでしょう。

(3)長所を伝える

金銭面で将来に不安を抱えているためにケチになっている人には、「自分に価値がある」という自己価値が低い人もいます。

もしケチな人が家族や友達などの身近な人であれば、相手の長所を積極的に伝えていくと良いでしょう。

人とのつながりがもたらす安心感や自己価値がアップすることによって、お金に対する執着が和らいでいくかもしれません。

ケチな人とは適度な距離感で付き合おう

ケチな性格には、金銭面での将来への不安やお金に対する罪悪感、人間関係への興味の希薄さなどが関係していることも。

こういった心理を理解することで、ケチな人に対する見方が少し変わるのではないでしょうか。

ストレスを溜めないレベルで、適度な距離感で付き合うと良いかもしれませんね。

(高見綾)

※画像はイメージです

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