婚姻届受理証明書とは? 使い道やもらい方を解説
「婚姻届受理証明書」とは、婚姻届を提出した際にもらえる書類です。2人の記念になる他、戸籍謄本の代わりとして使える場合もあります。婚姻届受理証明書は何のためにもらうのか、その使い道やもらい方などを解説します。
「婚姻届受理証明書」をご存じでしょうか? これは、婚姻届が受理されたことを証明するためにもらえる書類です。
しかしいったい何のためにもらうのか、またもらう必要があるのか、いまひとつピンと来ていない人もいることでしょう。
今回は、婚姻届受理証明書の使い方やもらい方について紹介します。
婚姻届受理証明書とは
市区町村の役所において婚姻届が正式に受理されたことを証明してくれるのが、「婚姻届受理証明書」です。
これはある程度の公的な効果を持つ書類で、婚姻届が受理されてから戸籍謄本へ反映されるまでの間に、戸籍謄本の代わりとして効力を発揮します。
具体的にどのような書類なのかを説明していきましょう。
婚姻届受理証明書に記載されている項目
婚姻届受理証明書に記載されている項目は、各自治体によって異なります。しかし、一般的には以下のような内容が記載される場合が多いようです。
・婚姻届を受理し、法律上婚姻が成立したことを証明する文言
・婚姻の年月日
・夫婦の氏名と本籍
・証明書の発行日
ここへ、各自治体長の肩書と名前が記載される形式が多いです。
婚姻届受理証明書にはさまざまなデザインがある
「婚姻届受理証明書」には、さまざまなデザインがあります。各自治体独自で発行しているため、自治体によってデザインが異なるのです。
オーソドックスなデザインは、A4サイズのごく一般的な書類。しかし、希望すると、賞状タイプの用紙に印刷してもらえる場合も。記念に残したり飾ったりしたい場合には、賞状タイプを選択しても良いかもしれませんね。
また、趣向を凝らしたオリジナルのデザインが用意されている自治体もあります。新しく夫婦になる2人を祝福するようなデザインが考えられているようです。
一度、該当する地域のデザインを確認してみると良いでしょう。
婚姻届受理証明書の使い道
では、婚姻届受理証明書がどんなことに使えるのか、その使い道を紹介します。
(1)住民票の名義変更
「婚姻届受理証明書」は、住民票の名義変更に使えます。結婚に伴う手続きはたくさんありますが、その際に住民票が必要になることもありますよね。
住民票は戸籍と連動しているので、戸籍が変更されないと住民票にも反映されません。
戸籍謄本が間に合わない場合には、婚姻届受理証明書で、住民票の名義を新姓に変更できます。住民票の名義変更を急ぎたい場合には活用しましょう。
(2)勤務先への届け出
婚姻届受理証明書が会社への届け出にも使える場合があります。
結婚して相手の扶養に入る場合には、相手の会社で手続きが必要になることも。そんな時でも、婚姻届受理証明書の提出でも認められる会社であれば、扶養の申請がスムーズに行なえます。
その他にも、結婚したことによって会社から次のような恩恵を受けられる場合もあります。
・家賃補助がもらえたり、額が増えたりする
・新婚旅行のための休暇申請ができる
・夫婦としての福利厚生が受けられる
このようなメリットを受けるためにも、念のため用意をしておくと良いでしょう。
婚姻届受理証明書で手続きが可能かどうかは、会社の担当部署へ確認してください。
(3)夫婦の証明が必要な場合(海外挙式など)
その他にも、夫婦としての証明が必要な場合に役立つことがあります。
例えば海外で挙式を行う際に、2人が結婚したことを証明する必要があることも。その際に婚姻届受理証明書を持っていれば、2人が結婚していることを証明できます。
ただし、婚姻届受理証明書で通るかどうかや、そもそも結婚の証明が必要かどうかなどは事前に確認が必要です。式場や旅行代理店、ウエディングプランナーなどにしっかりと確認しましょう。
(4)夫婦の記念として
特別に届け出として必要がない場合にでも、結婚した2人の良い記念になります。
婚姻届は提出してしまうと手元に残りませんよね。そんな時でも、婚姻届受理証明書があればずっと2人の結婚の記念となりますよ。
(5)結婚式のウェルカムボードに飾る
「婚姻届受理証明書」を、結婚式場のウェルカムボードに飾るカップルもいます。これにより2人が婚姻届を出したことを招待客にお披露目できるため、すてきな演出になるでしょう。
もしもウェルカムボードなどに飾りたい場合には、賞状タイプやご当地デザインタイプなどを選ぶことをおすすめします。
婚姻届受理証明書のデザインやカラーに似合う額縁などに入れて飾れば、式場のエントランスに華を添えられますよ。
結婚式が終わったら、インテリアとしてそのまま飾っておけます。
婚姻届受理証明書のもらい方
「婚姻届受理証明書」は、婚姻届を提出した市区町村の役所でもらえます。
最近ではコンビニで発行できる公的証明書も増えていますが、「婚姻届受理証明書」はコンビニでの発行はできません。
もらい方は、婚姻届を出す際に担当の方へ「婚姻届受理証明書が欲しい」と伝えるだけ。A4普通紙タイプならその場でもらえる場合が多く、賞状型やご当地デザインタイプを希望すると、後日発行されることが多いようです。
発行にお金は掛かる?
「婚姻届受理証明書」の発行には、以下のようなお金が掛かります。
・A4通常タイプ:350円程度
・賞状タイプ・ご当地オリジナルデザインタイプ:1,400円程度
おおむねA4タイプが350円程度、賞状タイプやオリジナルデザインタイプで1,400円程度の場合が多いようですが、正式な価格は各自治体で確認してみましょう。
婚姻届受理証明書は後からでももらえる?
また、婚姻届受理証明書の存在自体を知らない人も多く、後から「欲しかった!」と思う人もいるようです。
婚姻届受理証明書には申請期限が設けられていません。しかし、提出した婚姻届が役所に保管される期間は1カ月なので、この期間内に申請するとスムーズなようです。
もしも後から「欲しい」と思った場合には、該当する自治体にいつまでもらえるのか、確認してみると良いでしょう。
婚姻届受理証明書は郵送でもらえる?
結婚したばかりでバタバタと忙しい中、再度役所へ出向いて婚姻届受理証明書をもらうのは大変ですよね。
そんな時には、郵送してもらうのがおすすめです。事前に準備することは次の通りです。
・戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等交付請求書(郵送請求用)
・手数料分の定額小為替
・返信用封筒
・本人確認書類の写し(マイナンバーカード、運転免許証など)
・委任状(代理人の場合)
また、婚姻届を提出する時に婚姻届受理証明書の郵送での交付を申請する場合、担当者にその旨を伝え、返信用の封筒を渡しておきましょう。
婚姻届受理証明書が使えないケース
婚姻届受理証明書は、あくまでも仮の書類になります。そのため、公的機関では使えないケースもあるのです。
(1)運転免許証の名義変更
運転免許証の名義変更をする場合には、本籍の記載された住民票が必要となります。
そのため運転免許証の名義を変更したい場合には、婚姻届受理証明書では通らないのです。
運転免許証の名義変更をしたい場合には、戸籍謄本ができてから手続きを行いましょう。
(2)銀行口座の名義変更
婚姻届受理証明書で銀行口座の名義変更はできません。
銀行口座の名義変更をしたい場合には、戸籍謄本もしくは名義変更を行った運転免許証が必要となります。結婚後の戸籍謄本や運転免許証ができてから、銀行口座の名義変更を行いましょう。
婚姻届受理証明書は2人の記念になる! 必要なら申請を
婚姻届受理証明書は、諸々の手続きをスムーズに行えるだけではなく、後々の2人にとって記念にもなります。
婚姻届受理証明書をもらうために難しい手続きは必要ではなく、その場で言えばもらえますので、必要ならば申請をしましょう。
また後から欲しいと思った場合には、該当する自治体の担当部署へ一度聞いてみてくださいね。
ぜひ一連の手続きをスムーズに行うため、そして2人の思い出のためにこの記事を役立ててください。
(ほしななこ)
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