通い婚の意味とは? 歴史と現代におけるメリット・デメリット
通い婚とは、生活の拠点が別々であるものの、定期的にお互いの家を訪ねる夫婦の形。具体的にはどんな特徴があるのでしょうか? この記事では、通い婚の歴史から現代におけるメリット・デメリットまで紹介します。
近年、夫婦の結婚の形は多岐に渡っています。
中でも、基本的な生活拠点を別々に持つ別居婚の1つ「通い婚」を選択する人たちも。
この記事では、通い婚の歴史から現代におけるメリット・デメリットまでを詳しく解説します。
通い婚とは?
まずは、通い婚がどのようなものなのか、基本的なことを押さえておきましょう。
通い婚とは定期的に互いの家を行き来する結婚
通い婚とは、婚姻届を提出しているものの、お互いに別々の生活拠点を持ち、夫または妻が相手の家を時々訪れて暮らす結婚スタイル。
仕事が休みである週末に会うパターンが多いため、週末婚と呼ばれることもあります。
ただし、家を行き来する頻度にルールはありません。
それぞれの生活に合わせて、柔軟に夫婦生活を送るスタイルの結婚といえます。
通い婚の歴史は平安時代にさかのぼる
日本において通い婚の歴史は古く、平安時代までは一般的な婚姻様式でした。
夫婦は同居せず、夫が妻の家に通うのがスタンダードだったので「妻問婚(つまどいこん)」とも呼ばれます。
この頃の通い婚は、妻から会いに行くことは基本的にできなかったため、夫が会いに来てくれるのを待つしかできなかったようです。
通い婚の儀式「三日餅(みかのもちい)」とは?
三日餅(みかのもちい)とは、当時の通い婚=妻問婚(つまどいこん)に関係する儀式の1つ。
男性が女性の元に通い、3日目に女性の家の餅を食べる風習です。
女性の家で調理されたものを口にすることで、夫婦として認められたとされています。
通い婚のメリット
時代の変化によって、主流ではなくなっていった通い婚。
ですが近年は、お互いのライフスタイルを重視して、あえて通い婚を選択する夫婦もいます。
ここでは、現代における通い婚のメリットを見ていきましょう。
(1)お互いの時間を確保できる
通い婚は、基本的にそれぞれの生活拠点を持っているため、自分のプライベートな時間を確保できるというメリットがあります。
結婚をしても、仕事や趣味など熱中する時間を大切にしたいという人もいるでしょう。
そういった人にとって、お互いのライフスタイルを尊重しつつ、夫婦生活を送れる通い婚はぴったりなのかもしれません。
(2)これまでの生活環境を継続できる
結婚をしても、これまでの生活環境を維持できる点は通い婚のメリット。
職場へのアクセスや住居など、慣れ親しんだ場所から離れたくないという人もいるでしょう。
お互いに現状の生活拠点を変えたくない場合、通い婚に大きなメリットを感じるかもしれません。
(3)家事分担によるストレスが生じにくい
結婚するにあたって、話し合っておきたいことの1つが家事分担でしょう。
2人とも仕事をしている場合、どちらか一方だけが家事を引き受けるのは難しく、その分担でトラブルになることも。
ですが、通い婚は基本的に別々で暮らすため、家事分担の話し合いは不要です。
そのため、家事分担に関するストレスが生じにくい点もメリットといえます。
(4)新鮮な気持ちを維持しやすい
毎日一緒に暮らしていると、どうしても相手に対して慣れが生じてくるもの。
ですが通い婚の場合、同居している夫婦に比べて会う頻度が少ないため、配偶者に対して新鮮な気持ちを維持しやすいのもメリットといえます。
いつまでも、恋人同士のような気持ちを持っていたいと思う人には通い婚が合っているのかもしれません。
通い婚のデメリット
通い婚にはさまざまなメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。
通い婚を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
(1)同居するよりも生活費が掛かる
通い婚は、夫婦がそれぞれの家で離れて暮らすため、各自で生活費が発生します。
同居している夫婦に比べ、家賃や光熱費などが単純計算で2倍掛かることに。
もし、なるべく生活費を抑えたいと考えている場合、同居よりも生活費がかさむ点はデメリットといえるでしょう。
(2)浮気されても気づけない可能性がある
通い婚は、生活の大半を離れて暮らすため、どうしても相手の行動を把握することが難しくなります。
そのため、万が一浮気をされても気づけない可能性があるでしょう。
たとえ夫婦間に強い信頼関係があったとしても、不安になる時はあるはず。
そんな時、どうやって乗り越えるかは事前に考えておく必要があるかもしれません。
通い婚を選択する上で決めておきたいこと
スムーズな結婚生活を送るために、最低限決めておきたいことは以下の3つです。
・生活費の負担について
・連絡を取る頻度や方法について
・会う頻度や場所について
1つずつ詳しく紹介するので、夫婦で話し合う時の参考にしてみてくださいね。
(1)生活費の負担について
通い婚は、それぞれの生活拠点で暮らすことになります。
ですが、その際の家賃や光熱費、食費など、生活費の負担をどうするかは事前に話し合っておきましょう。
各自で生活費を負担するケースもありますが、収入に差がある場合は負担する割合についてすり合わせが必要な場合も。
また、子どもが生まれてからも通い婚を続けるとなると、子育てに掛かる費用の分担についても決めなくてはいけません。
後からトラブルにならないためにも、あらかじめ話し合っておくことをおすすめします。
(2)連絡を取る頻度や方法について
連絡を取る頻度や方法についても、事前に決めておきたいことの1つです。
離れて暮らしているからこそ、夫婦間のコミュニケーションが大切になってくるでしょう。
それぞれの性格やライフスタイルも考慮した上で、お互いが納得できる連絡の頻度や方法を考えてみてください。
(3)会う頻度や場所について
会う頻度と、いつ・どこで会うのかも事前に話し合っておくと安心です。
「週末には必ず会う」とまで決めなくとも、「週に1回は会う」など、お互いの認識をある程度すり合わせておくことで、誤解やすれ違いを防ぐことにもなります。
また、どちらかの転勤によって遠方に暮らしている場合、会いに行く方は移動時間や交通費が掛かってきます。
そういったことに関するトラブルを防止するためにも、ある程度決めておくのが良いでしょう。
通い婚のメリットとデメリットを把握しておこう
お互いの仕事や生活環境を尊重したい夫婦におすすめの通い婚。
もし、通い婚を検討している場合は、メリットとデメリットの両方を把握しておくことが大切です。
理想の結婚生活を実現するために、ぜひ2人で話し合ってみてはいかがでしょうか?
(レン)
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