エクセルで小数点以下を四捨五入する使い方は? 関数の活用術
エクセルで四捨五入をする時は、「ROUND関数」を使うと便利。今回は、その基本となるやり方を画像つきで紹介します。また、見た目の表示のみ四捨五入する方法や桁数についても解説。四捨五入ができないと困っている人、必見です。
エクセルで資料を作成する時、「小数点の表示が多くて見にくい」と感じたことはありませんか?
電卓で四捨五入することもできますが、いちいち計算し、入力するのは手間も時間もかかってしまいますよね。
そこで今回は、エクセルで簡単に四捨五入できる方法を解説します。
「ROUND関数」を使ったやり方や、見た目の表示のみを変える手軽な方法、仕事に使える便利なテクニックなども紹介するのでぜひチェックしてみてくださいね。
「ROUND関数」を使って数値を四捨五入するやり方
エクセルで「ROUND関数」を使うと、自動で四捨五入してくれるので便利です。
「ROUND関数」の使い方は、セルに直接入力する方法と、「関数の挿入」を使って挿入する方法と2種類あります。
両方の設定方法を画像つきで紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
数式「=ROUND(数値,桁数)」を使う方法
セルに直接関数を入力する方法では、「=ROUND(数値,桁数)」という数式を使います。
「数値」とは、四捨五入したいセルの数値のことで、「桁数」は表示させたい小数点以下の桁数を指します。
入力する括弧やイコールなどの記号、英数字は全て半角です。
それでは具体的な手順を紹介していきます。今回は、「12.345678」という数字を四捨五入する方法を例として解説します。
(1)四捨五入したい数字をセルに入力します。
(2)四捨五入した数字を表示させたいセルを、ダブルクリックで選択します。
(3)(2)で選択したセル内に、「=ROUND()」と全て半角で入力します。
(4)括弧の中にカーソルを合わせ、(1)で入力したセルをクリックします。すると、クリックしたセルの数値が自動で表示されます。
(5)「,(半角カンマ)」と、表示させたい小数点以下の桁数を入力します。画像の例では小数点以下を1桁で表示させるため、「1」と入力しています。
(6)Enterキーを押すと、小数点以下第2位を四捨五入した数字が表示されます。
小数点以下を2桁、3桁で表示したい時は、括弧の中に「2」「3」と入力するだけで、他の手順は変わりません。
「関数の挿入」を使って設定する方法
「ROUND関数」は、「関数の挿入」というボタンで入力することも可能です。数式は、直接入力する方法と同様に「=ROUND(数値,桁数)」を使います。
直接入力する方法よりも手順が増えるため、少し手間がかかります。しかし、入力する文字が少ない分、打ち間違いなどのミスは起きにくくなるでしょう。
それではやり方を解説していきます。
(1)四捨五入したい数字をセルに入力します。
(2)四捨五入をした数字を表示させたいセルを、クリックして選択します。
(3)数式バーの左にある「fx」というアイコンをクリックします。すると「数式パレット」というウィンドウが表示されます。
(4)ウィンドウ内にある関数の中から、「ROUND」を探してクリックします。見つかりにくい場合は、すぐ上の入力バーに「round」や「ro」と入力すると探しやすくなります。
選択が完了したら、「関数の挿入」をクリックします。
(5)「数値=」の入力バーが選択されていることを確認した上で、(1)で入力したセルをクリックします。すると、入力バーに数値が自動で表示されます。
(6)「桁数=」の入力バーをクリックし、表示させたい小数点以下の桁数を入力します。そして、右下にある「完了」をクリックします。
(7)選択したセルに、四捨五入した数字が表示されます。
「桁数」の種類
「ROUND関数」は、小数点以下だけでなく、十の位や百の位を四捨五入することも可能です。
小数点以下を四捨五入する場合は、「=ROUND(数値,1)」「=ROUND(数値,3)」と入力しますが、一の位以上を四捨五入する場合は「=ROUND(数値,-1)」というように、マイナスの桁数を入力します。
ここでは「12345.678」を例に見ていきましょう。下の画像のように、一の位以上の数字が四捨五入された状態で表示されます。
また、「=ROUND(数値,0)」というように桁数を「0」で入力すると、整数になるよう四捨五入することもできます。
見た目の表示だけ四捨五入するやり方と注意点
エクセルには、関数を入力しなくても四捨五入できる方法があります。見た目の表示だけを変える方法です。
やり方は簡単で、四捨五入したいセルを選択し、「ホーム」タブにある「小数点表示桁上げ」「小数点表示桁下げ」のボタンをクリックするだけです。
この方法は、簡単に小数点以下の桁数を変えることができて、便利です。しかし見た目を変えているだけで、四捨五入する前の数字がセル内に残っています。
四捨五入した数字を画面上に表示するだけ、印刷するだけ、といった場合は特に問題ありません。しかし、その数字を使って計算をすると、結果にズレが生じる可能性があります。
仕事の大事なデータにミスが起きるなど、大きな問題に発展することもあり得るので、見た目のみを変える方法は使い所に注意しましょう。
覚えておくと便利な四捨五入の応用術を紹介
ここからは、四捨五入の応用テクニックを紹介していきます。
数字を扱うデータ作成をよりスピーディーに行うため、ぜひ応用術もチェックしておきましょう。
平均の値を四捨五入する
「ROUND関数」に「AVERAGE関数」を加えると、平均の値を四捨五入できるようになります。
平均値を出す、四捨五入して整数に直すという2つの動作を一括できてとても便利です。
上の画像のように、「=ROUND(AVERAGE(数値),0)」と半角で入力します。「桁数」を「0」と指定することで、出した平均値を四捨五入して整数で表示することができます。
「B3:F3」という数値は、平均の対象範囲を示しています。数値は直接入力することも可能ですが、対象のセルをドラッグ、ドロップすれば自動で表示することもできます。
割り算して出した数値を四捨五入する
割り算をして出した数字を四捨五入するには、「ROUND関数」と「/(半角スラッシュ)」を使います。
通常、割り算は「÷」を使いますが、エクセルでは文字と認識されてしまいます。そのため関数を入力する時は、数式として認識する「/(半角スラッシュ)」を使います。
入力する数式は、「=ROUND(数値/数値,桁数)」です。括弧の中の「割られる数/割る数」と「桁数」の間に、「,(半角カンマ)」を入れることを忘れないようにしましょう。
消費税を四捨五入する
四捨五入した消費税を表示するためには、「=ROUND(数値*10%,0)」という数式を使います。
「*(半角アスタリスク)」は、エクセルで掛け算をする時に使われる記号です。そして、10%を掛けることで、消費税を求めることができます。
また消費税は、小数点以下まで表示することは少なく、整数で表記する場合がほとんどです。そのため、小数点以下の桁数を「0」と指定しています。すると以下の画像のように、消費税が整数で表示されます。
関数を活用した切り上げ・切り捨て(端数処理)のやり方は?
ここまで「ROUND関数」を使った四捨五入のやり方を紹介してきましたが、切り上げや切り下げを設定する関数も存在します。
「ROUND関数」と同じ使い方なので、セットで覚えておくと良いでしょう。
「ROUNDUP関数」を使った切り上げの方法
「ROUNDUP関数」を使うと、セルに切り上げを設定することができます。
利用する数式は「=ROUNDUP(数値,桁数)」で、操作方法は「ROUND関数」と同じです。
関数を直接入力する方法、「関数の挿入」ボタンで設定する方法、どちらのやり方でも設定できます。
「ROUNDDOWN関数」を使った切り捨ての方法
数字を切り捨てで表示したい場合は、「ROUNDDOWN関数」を使います。
「=ROUNDDOWN(数値,桁数)」という数式を入力することで表示されます。
「ROUND関数」や「ROUNDUP関数」とほぼ同じ使い方なので、このうちの1つでも手順を覚えておくと、四捨五入、切り上げ、切り捨ての設定方法を全てマスターできるでしょう。
桁数のルールは四捨五入と同様
桁数の設定も、四捨五入の「ROUND関数」の時と同じです。
「,(半角カンマ)」の後に「1」「2」と整数を入力すれば、小数点以下の桁数を指定できます。
そして、「-1」「-2」とマイナスの数字を入力すれば、一の位以上の桁数を指定できます。
四捨五入を活用して、大切なデータの入力ミスを防止しよう
数字を利用した資料の作成は、特にミスが起きやすいもの。仕事で使うデータであれば、小さな数字の違いが大きな問題へとつながってしまうこともあるでしょう。
そのようなミスを少しでも避けるためにも、四捨五入のやり方を学んでおいて損はありません。ぜひ今回紹介した設定方法を参考に、数字を使ったエクセルの使い方をマスターしましょう。
(上色ゆるり)
※画像はイメージです