お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「慧眼」の意味とは? 読み方や使い方、類義語・対義語を紹介

武田 麻希

「慧眼」という表現は褒め言葉としてしばしば使われる表現ですが、その意味を説明できますか? 難しい漢字なので、読み方すら分からないという人もいるかもしれません。今回は、「慧眼」の意味や使い方、言い換え表現などを解説します。

ビジネスシーンで相手を褒める時には、比較的堅い言い回しが使われることが多いです。

「慧眼」もその1つで、相手の洞察力を褒める時に使われる言葉なので、知っておくと役立ちます。

また、「慧眼」はマンガのタイトルやネットゲーム「ウマ娘」のスキルで出てきたことで知った人も多いかもしれませんが、ビジネスでも使われる言葉ですので、社会人ならぜひ覚えておきましょう。

この記事では、「慧眼」の意味や使い方、類義語や対義語などを解説します。

「慧眼」の意味や読み方とは

まずは「慧眼」の意味や読み方を見ていきましょう。

意味は「物事の本質を見抜く優れた眼力・鋭い洞察力」

「慧眼」には、このような意味があります。

慧眼(ケイガン)

物ごとの本質を鋭く見抜く力。炯眼(けいがん)。

(『デジタル大辞泉』小学館)

このように、「慧眼」には「物事の本質を見抜く優れた眼力」「鋭い洞察力」という意味があります。

また、「慧眼」の「慧」には「賢い」という意味があり、「眼」は「物事を見極める能力」という意味です。

読み方は「けいがん」

「慧眼」の読み方は「けいがん」ですが、「慧」は常用漢字ではないこともあり、読み方を間違えやすいので注意しましょう。

よく間違えやすいのは「すいがん」や「せきがん」などです。

「慧眼」の「慧」が「彗星」という言葉で使われる「彗」とよく似ていることから、「すいがん」と間違われることが多いです。

また、「せきがん」とも間違われやすいですが、「せきがん」を漢字で書くと「隻眼」。「ものを見抜く眼識。優れた識見」などの意味も含まれています。意味が似ているせいか、読み方も間違われやすくなっています。

仏教用語として使う場合は「えげん」と読む

「慧眼」は仏教用語として使われる場合、読み方や意味が少し異なります。

慧眼(エゲン)

五眼(ごげん)の1つ。二乗(にじょう)の人が持つ、一切の事物を空であると見通す智慧(ちえ)の目。

(『デジタル大辞泉』小学館)

仏教では真理を認識する能力を、目になぞらえて肉眼・天眼・慧眼・法眼・仏眼の5種類に整理しています。

その中で真理を見抜く眼のことが「慧眼」です。

「慧眼」の使い方と例文

「慧眼」は、ビジネスなどあらたまったシーンでも使いやすい表現です。

そこで、「慧眼」の具体的な使用例を見ていきましょう。

褒め言葉として使うことが多い

「慧眼」は「本質を見抜く力」「洞察力が鋭い」などの意味があります。

良い意味がある堅い言い回しですので、あらたまった場で人を褒める時にも使いやすい表現です。

目上の人にも目下の相手にも使えますので、覚えておきましょう。

参考記事はこちら▼

コミュニケーションを円滑にするために! ビジネスシーンでも使える、女性向け、男性向けの褒め言葉を紹介します。

「慧眼」を使った例文

続いては、「慧眼」の具体的な使用例を紹介します。

例文

・A部長のご慧眼には感服いたしました。

・情報収集でB社の動きを察知したBさんのご慧眼には恐れ入りました。

・反対が多い中Cさんをプロジェクトメンバーに選んだ時はどうなることかと心配しましたが、結果的に大成功でした。抜擢した部長のご慧眼には脱帽しました。

・彼は誰にも相手にされていなかったにも関わらず、1年前にはこうなるであろうことを予測していた。その慧眼には感心するばかりだ。

上記のように、「誰も見抜けなかったことをあらかじめ見抜けていてすごい」などの意味で相手を褒める際に、「慧眼」が使われます。

「慧眼の士」とは

「慧眼」を使った代表的な言葉である「慧眼の士」には下記のような意味があります。

慧眼の士(ケイガンノシ)

豊富な経験と優れた能力を持つ人物のこと

(『Weblio類語辞書』)

つまり「慧眼の士」とは、経験や能力が優れていることで、先を見通す眼を持っている人のことを表します。

《例文》

・周りの声に惑わされず本質を見抜いて突き進んだ彼は、慧眼の士といえるだろう。

「慧眼の持ち主」とも表現できる

また、「慧眼の士」は、「慧眼の持ち主」と表すこともできます。

ビジネスシーンなどで相手の鋭い洞察力を表現する際に、以下のような使い方をします。

《例文》

・彼は優れた慧眼の持ち主だ。

「慧眼」の類義語とその違い

「慧眼」には似た意味を持つ言葉がいくつかありますので、一緒に覚えておきましょう。

ここでは、「慧眼」の代表的な類語表現を紹介します。

「炯眼(烱眼)」

「炯眼(烱眼)」の読み方と意味は下記の通りです。

炯眼・烱眼(ケイガン)

(1)鋭く光る目。鋭い目つき。
(2)物ごとをはっきりと見抜く力。鋭い眼力。慧眼。

(『デジタル大辞泉』小学館)

「炯」は常用漢字ではなく、「明らか」という意味があります。「烱」は「炯」の異体字ですので、「炯眼」も「烱眼」も意味は同じです。

「炯眼(烱眼)」には「慧眼」と同じ意味がありますので、「慧眼」から言い換えても問題ありません。

「達眼」

「達眼」には以下の意味があります。

達眼(たつがん)

物の本質を見極めるすぐれた眼力。

(『広辞苑 第七版』岩波書店)

こちらも「慧眼」同様の意味を持っているので、同じようなニュアンスを表す言葉として言い換えることができるでしょう。

「先見の明」

「先見の明」は以下の意味があります。

先見の明(せんけんのめい)

事が起こる前にそれを見抜く見識。

(『広辞苑 第七版』岩波書店)

見抜く力があるという点では同じですが、「慧眼」が物事の本質に対する洞察に対し、「先見の明」は未来(まだ起きていないこと)に対する洞察という点が、両者のニュアンスの違いといえるでしょう。

参考記事はこちら▼

10の質問から、あなたの「賢い人度」を診断します。

「穎悟」

「穎悟」には、このような意味があります。

穎悟(エイゴ)

才知が優れ、悟りの早いこと。非常に賢いこと。また、そのさま。

(『デジタル大辞泉』小学館)

「穎」は常用漢字ではなく、「優れている」「賢い」などの意味があります。また、「悟」は「迷いから覚める」「賢い」などの意味がある漢字です。似た意味の漢字が熟語となることで「穎悟」となりました。

「慧眼」は「本質を見抜く眼」であり「穎悟」は「賢く悟りが早い」ことで頭の良さを指します。少しニュアンスが異なりますが、似たような状況で使われます。

「慧眼」の対義語

「慧眼」には反対の意味を持つ言葉もいくつかありますので、「慧眼」と一緒に覚えておきましょう。

「慧眼」の代表的な対義語を紹介します。

「節穴」

「節穴」には、このような意味があります。

節穴(フシアナ)

(1)板などの節が抜けおちたあとの穴。
(2)見る能力のない目。見えるはずのものを見落としたり、物ごとの意味を見抜く力のないことをあざけっていう語。

(『デジタル大辞泉』小学館)

「慧眼」は「本質を見抜く力」のことなので、言い換えれば「見る目がある」という意味があります。

一方、見る目がないことを表す「節穴」は、「慧眼」の対義語の1つです。

「凡眼」

「凡眼」には、下記のような意味があります。

凡眼(ボンガン)

凡人の眼。平凡な眼識。

(『デジタル大辞泉』小学館)

「物ごとの本質を見抜く力」を意味していて優れている様子を表す「慧眼」に比べると、「凡眼」は物事を見抜く力が平凡であることを表し、反対の意味として使われます。

「慧眼」の英語表現は?

仕事や日常生活で英語を使う機会があるなら、「慧眼」の英語表現も覚えておきましょう。

ここでは、「慧眼」の代表的な英語表現を紹介します。

「perceptive」

「perceptive」は下記のような意味がある英単語です。

perceptive

(1)知覚の、知覚力のある
(2)知覚の鋭い、明敏な

(『新英和中辞典』研究社)

例文

perceptive faculties(慧眼

・It is very perceptive of you.(完璧なご慧眼です)

・being perceptive慧眼がある)

「知覚」とは「思慮分別をもって知るもの」ですので、「perceptive」は「思慮分別が明敏な」「思慮分別する力がある」などの意味です。

先を見通す力を表す「慧眼」と意味が似ていることから、「慧眼」の英語表現として使われます。

「insight」

「insight」にはこのような意味があります。

insight

洞察、洞察力、眼識、識見

(『新英和中辞典』研究社)

例文

・a great insight慧眼

・large insight慧眼

「洞察力」を意味する「insight」は、「物ごとの本質を見通す力」を意味する「慧眼」とは似ていることから、「great」や「large」と組み合わせて「慧眼」の英語表現として使うことができます。

「慧眼」は褒め言葉として使おう

今回は、「慧眼(けいがん)」が「本質を見抜く力」や「洞察力」などを意味する言葉であること、仏教用語として使う場合には「えげん」と読まれて、少し意味が異なる点などを紹介しました。

マンガのタイトルや話題のゲーム「ウマ娘」などでも知られている言葉ですが、「慧眼には感服する」「慧眼に恐れ入りました」などの言い回しでビジネスシーンでもよく使われる言葉です。

覚えておくと役立つ言葉ですので、この記事の内容を参考に、使い方を覚えておきましょう。

(武田 麻希)

※画像はイメージです

SHARE