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「周知」とは? 意味と正しい使い方を簡単に解説

umi

「周知の事実」「周知する」など、「周知」という言葉は、ビジネスにおいてよく使われる言葉の1つです。今回は、言葉に関する数多くの記事を執筆するライターのumiさんに「周知」の意味や使い方について教えてもらいます。

「周知徹底」や「周知する」という言葉は、ビジネスシーンにおいてよく使われる言葉の1一つです。しかし学生や社会人経験が間もない方にとっては、実は言葉の意味や使い方が曖昧……という方も多いはず。そこで今回は、「周知」という言葉の正しい意味や使い方、類語について学んでいきましょう。正しい言葉の知識を身に付けることで、実際のビジネスシーンでも問題なく言葉を使いこなせるようになりますよ。

「周知」とは? 意味と読み方・英語表現

周知の意味とは、「広く知らせること」または「広く知れ渡っていること」です。周知は「しゅうち」と読みます。

周知には、みんなに知らせるという「動作的」な意味と、誰もが知っていることという「状態」の意味の2種類があります。

「周知」は英語で「Known」や「Public」

それでは周知を英語でいう場合にはどのような単語になるでしょうか。英語で周知を表す言葉としては、「Known」や「Public」といった単語が挙げられます。

これらの単語に付け足して、「well known」とすることで「周知の」という意味の状態を表す言葉として使用することができます。また、「make it public」で「周知する」といった動作を表すことができます。

実際の例文をみてみましょう。

例文

・I want to make it known that she is my girlfriend.(彼女は僕のガールフレンドだと周知したい)

・She is a well-known actress in Japan.(彼女は日本の有名女優です→彼女が女優として有名なのは周知の事実だ)

・It is a well-known fact.(それは周知の事実である)

周知の使い方と敬語表現

次に、周知という言葉の使い方と敬語についてご紹介していきます。正しい言葉の使い方や敬語表現を覚えることで、ビジネスシーンにふさわしい言葉遣いを身に付けていきましょう。

「周知する」は多くの人に情報を伝えること

 

前述した通り、「周知する」とは、多くの人に情報を伝えること、また多くの人が情報を知っている状態にすることを意味しています。

「周知する」を使った例文は、以下の通りです。

例文

・新しい利用規約を利用者に周知する。

・上司からの連絡事項を部署全体に周知する。

・ウイルス感染防止のために手洗いうがいの徹底を周知する。

このように、自分から不特定多数の誰かに向けて情報を伝達する場合に、周知するという言葉を使用することができます。

「周知させる」は誰かに情報を共有させること

 

「周知させる」とは、誰かに情報を共有させるという意味で使われます。例文は、以下の通りです。

例文

・部下に社内会議の結果を周知させる。

・今月末のスケジュールについて全体に周知させる。

・新しい規則について確実に周知させる。

このように自分ではなく、他人に何らかの情報を誰かに向けて共有させること場合に周知させるという言葉がよく使われています。

「周知する」「周知させる」の敬語と注意点

周知するの敬語表現としては「周知いたします」という表現を使うことができます。「いたす」は「する」の謙譲語であり、自分の行為をへりくだって、目上の人に対し敬意を表す場合に使用します。

そのため、周知するを敬語で表現したい場合には、周知いたしますという言葉を使用することが可能です。ただし、注意点としてこの場合「いたす」を「致す」と漢字で書くことは誤りになります。

なぜなら正確には「致す」は、その言葉自身が動詞として使われる場合のみ漢字で表記されるためです。「周知いたします」の場合の「いたす」は周知という元々の動詞を補助する目的で使われているため、平仮名で書くのが正しいとされています。

また、「周知させる」と似た意味で誰かに情報の周知をお願いする場合の敬語表現としては、「ご周知ください」という言葉が使われます。

この場合も、「いたす」と同様に「ください」を「下さい」と漢字で書くと誤りになってしまうので気をつけましょう。

周知徹底とは

周知という言葉を使った四字熟語には、「周知徹底」という言葉があります。周知徹底とは、「広く世間にそれを知らせて、隅々までいきわたらせること」また「告知がだれの耳にも入るようにすること」という意味があります。

こちらの四字熟語はビジネスシーンで使われることが非常に多い言葉となっているため、覚えておくと良いでしょう必ず覚えておく必要があります。

使われる場面としては、例えば会社の代表や上司が社員や部下に対して重要事項などの情報を行き届かせる場合などに使います。

また、あなたがもし部下の場合、上司から「この情報を周知徹底させておくように」と伝えられることがあるかもしれません。この場合は、指示通り社内や部署全員に情報が隅々まで行き届くように情報共有をする必要があります。

言葉を言い換えるならば、「全員に対する確実な情報共有」というニュアンスで捉えることができます。

以下に例文をご紹介します。

例文

・緊急事態発生時の避難経路について、周知徹底させる。

・部下に重要事項を周知徹底する。

・ミスの再発防止に向けて、周知徹底をお願いする。

周知の事実とは

「周知」を使った言葉には他にも、「周知の事実」という言葉があります。周知の事実とは、「みんなが知っている情報」という意味があります。

また周知の事実の類語としては「公然の事実」「万人の知るところ」「一般常識」「コモンセンス」などがあり、みんなが知っている共通の事柄という意味が含まれています。こちらは噂や誰かの推測ではなく、客観的な事実であることが特徴です。

気をつけたい点として、周知の事実には「知っていて当然」や「知らないと恥ずかしい」というニュアンスが含まれています。

そのため、上司や目上の人に対して「それは周知の事実ですよ」というように言葉を使ってしまうと、場合によっては失礼に当たることもあるので注意しましょう。相手の感情を傷つけないように配慮しながら使用することがポイントです。

また、同じような理由で「周知のとおり」という言葉も「ご存知のとおり」や「いうまでもなく当たり前」といったニュアンスが含まれているため、上司や目上の人に対して使う時には注意が必要です。

以下に例文をご紹介します。

例文

・君が優秀なことは周知の事実だよ。

・あなたが〇〇さんと仲がいいことは周知の事実です。

・我々の業績がどんどん伸びていることは周知の事実だ。

「周知」の類語

周知という言葉の類語についても確認していきましょう。類語を知ることで、より言葉に対する理解を深めることができますよ。

告知

周知の類語の1つとして、「告知」という言葉があります。告知とは、「告げ、知らせること」を意味し、「こくち」と読みます。

余命宣告の告知や、商品宣伝の告知といった使われ方があります。基本的には特定の人に向けて、ある情報を知らせるといった意味で使用される言葉です。以下に例文をご紹介します。

例文

・癌(がん)の告知をされる。

・納税告知書を受け取る。

・番組内でゲストによって新しいドラマの告知が行われる。

通知

「通知」とは、「つうち」と読み、「告知」と同様に「告げ、知らせること、またその知らせと」いう意味があります。

告知とよく似ている言葉ですが、告知の方が若干重大性の高い事柄や一定の意思を知らせるということに対し、通知は日程や合格通知など基本的に強制力のない事柄に対して使われることが多いです。

例えば、例文は以下のようになります。

例文

・試験の合格通知を受け取る。

・結婚披露宴の通知が届く。

・同窓会の日時を通知する。

啓蒙

「啓蒙」とは、「けいもう」と読み、「人々に正しい知識を与え、合理的な考え方をするように教え導くこと」という意味があります。

また啓蒙という言葉には、「啓蒙思想」や「啓蒙主義」という使い方もあります。啓蒙思想や啓蒙主義とは、17世紀のヨーロッパにて起こった革新的な思想主義のことで、伝統的な聖書や神学に基づいた価値観や権威を否定し、理性的な思考の合理性を唱えるといった思想、または主義のことを指しています。

啓蒙を使った例文には、以下のようなものがあります。

例文

・SNSによる啓蒙活動が盛んに行われている。

・お年寄りを狙った詐欺に気をつけるよう啓蒙する。

・世間への啓蒙を図るため、犯罪の取締りが強化されている。

案内

「案内」は、「事情やようすなどを知らせること、またその知らせ」や「道や場所を知らない人をそこに導くこと」といった意味があり日常生活においてもよく使われている言葉です。

案内という言葉は、相手に事情やようすなどを説明したり、知らせる時に使われます。周知が広い範囲の人に事柄を知らせるという意味であるのに対し、案内はある特定の人に向けて知らせるという使い方がされます。

以下に例文を見ていきましょう。

例文

・奥の応接間までご案内します。

・ご案内いたしましたとおり、この大会は10時からスタートします。

・詳細が決定次第、ご案内いたします。

伝達

「伝達」は、「でんたつ」と読み「意志や命令、指示、連絡事項などを伝えること」という意味があります。周知との違いとしては、伝達は情報を相手に向けて直接伝えるというよりも誰かを介して取り次いで伝えるというニュアンスがあります。

以下に例文をご紹介します。

例文

・メールで情報を伝達します。

・伝達事項をお伝えします。

・情報伝達手段を決めましょう。

連絡

「連絡」とは、「相手に知らせる」「相手に通報すること」「つながりがあること」「互いに関連すること」などという意味があります。連絡は、ビジネスシーンや日常生活とさまざまな場面で使われる言葉ですが、基本的に情報を知らせる相手は自分と関係している人物であるということがポイントです。

周知が不特定多数の人間に対して情報を知らせるという意味があるのに対し、連絡は自分の関係者に対して情報を知らせる場合に使用します。

ちなみに、周知と連絡の2つの言葉を重ねて「周知連絡」のように使われることもあります。この場合には、知らせる相手が不特定多数の人物と自分の関係者の両方が混ざっている場合に使われます。

以下例文をご紹介します。

例文

・電車が遅れているため会社に遅れる旨を上司に連絡する。

・ご自宅に伺う前に一度ご連絡します。

・家賃の更新について大家から連絡がきた。

共有

「共有」とは、「1つの物を2人以上が共同で持つこと」という意味があります。こちらは物質的なものに限らず、情報技術が発達した現代社会においては互いに情報を公開するという意味でも使われています。

また英語で共有は「shere(シェア)」といい、物事を分かち合うという意味があり日本人の間にも浸透している言葉の1つです。

以下例文です。

例文

・新しいノートパソコンに関する情報を共有する。

・彼とは同じ価値観を共有しているため、話し合いがスムーズに進んだ。

・前回の会議の動画を社内で共有する。

・このパソコンはみんなで共有して使おう。

「周知」の正しい使い方をマスターしよう

今回の記事では、「周知」という言葉の意味や類語、正しい使い方や敬語表現についてご紹介してきました。ビジネスシーンでもよく使われる言葉の1つなので、間違いのないようしっかりと正しく言葉を理解して使うことが大切です。

今回学んだことを参考に、ぜひ実際の生活においても「周知」という言葉をどんどん使ってみてくださいね。

※画像はイメージです

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