「アプローチ」の意味とは? 使い方や類語・言い換え表現
ビジネスでもよく聞く「アプローチ」という言葉。ビジネス用語に詳しいライターの上色ゆるりさんが、その意味や使い方、言い換え表現を解説します。
「アプローチ」という単語は、そもそもどのような意味がある言葉なのでしょうか。ビジネスシーンでもよく使用される表現ですよね。
しかし、その意味を深く理解せず、何となくのニュアンスで使っているという人も多いことでしょう。
今回は、「アプローチ」の意味や正しい使い方を解説していきます。
「アプローチ」の意味とは?
「アプローチ」とは、英語の「approach」をカタカナ語へと変換させた単語。そもそも英語の「approach」にはこんな意味があります。
approach
(場所的・時間的に)(……に)近づく、近寄る、接近する、
(性質の状態・数量などで)(……に)近づく、近い、
(……に)似てくる、話を持ちかける、交渉を始める、取りかかる
(『Weblio辞書 英和辞書』)
以上のように直訳されます。対象に向かって近づいていく、接近していく、迫っていくといったニュアンスです。
「アプローチ」がビジネスで使われる時はどんな意味?
ビジネスで使われる際の「アプローチ」には、2通りの意味があります。
人を対象にした場合
1つは、人を対象にした場合。ある人がある人へ「アプローチ」するという使い方では、話を持ちかける、交渉するといった意味を持ちます。物理的に近づくという意味ではないので注意しましょう。
例としては、
・新たに企業を顧客として確保するため、話を持ちかける。
・経理部に予算を修正してもらえないか交渉する。
以上のようなシーンで多く使われます。
数字を対象にした場合
もう1つは、数字を対象にしたパターンです。現在の数値から、ある目標の数値に対して近づけていく、といったニュアンスです。
例としては、
・売り上げを予算に近づけていく
・ライバル会社の販売個数に対し、自社の販売数を近づけていく
以上のようなシーンで使われる言葉です。
どんな使われ方をする時でも、必ず対象となる人や数字、物が存在すること、そして一方的に接近していくという意味が含まれていることを覚えておきましょう。
「アプローチ」の言い換え、類語は?
ビジネスにおいて、カタカナ語が多く使われるようになったとはいえ、まだまだ知らない単語もたくさんありますよね。「アプローチ」の意味を知らない人が職場にいることも少なくないでしょう。
「アプローチ」が分からない人に対してむやみに使ってしまうと、意味が伝わらなかったり、不親切になってしまったりする時もあります。
相手がピンと来ていない場合には、言い換えや類語を使いましょう。
仕掛ける
誰かに対して働きかける、動き始めるといった意味を持つ「仕掛ける」。「アプローチ」と似たような意味があり、ビジネスシーンでも言い換えできます。
・幅広い客層に、自社商品の魅力が伝わるよう仕掛ける。
・取引先に契約を継続してもらえるよう仕掛ける。
以上のような使い方が例として挙げられます。企画会議やプレゼンなどでも活用される言い回しです。
アピールする
訴える、主張とするといった意味を持つ「アピールする」という言葉も、「アプローチする」との言い換えができます。
対象となる人に対して、情報を届けるよう働きかけるというニュアンスが、「アプローチ」の「話を持ちかける」と似ています。
・新規顧客を獲得するため、商品の魅力をより強くアピールする必要がある。
・A社より良い返答が得られなかった場合は、アピールの仕方を変えてみよう。
以上は、ビジネスシーンでもよく耳にする言い回し。「アプローチ」よりも馴染み深いと感じる人も多いそうなので、時と場合に合わせて「アピール」に言い換えてみるのもいいでしょう。
取り掛かる
「アプローチする」は、何かに着手し始めるという意味を持つ「取り掛かる」とも言い換えられます。
プロジェクトや事業の開始を指示する際、「アプローチ」の意味が分からない人には、「取り掛かってほしい」と言うと意図が伝わりやすいでしょう。
・準備が整い次第、すぐにこのプロジェクトに取り掛かる予定だ。
・一緒に作業を進めたいので、取り掛かる前に一声かけてもらえますか?
以上のような言い回しができます。仕事で送るメールや、上司、同僚とコミュニケーションにぜひ役立ててみてくださいね。
挑戦する
話を持ちかける、交渉するといった意味で使う「アプローチする」という言葉は「挑戦する」とも言い換えられます。日常生活でも使われる言葉なので、誰に対しても分かりやすく、意図を伝えやすくなります。
例として「予算を上げてもらえるようアプローチする」は「予算を上げてもらえるよう挑戦する」と言い換えができます。
カタカナ語に慣れていない人や、幅広い年齢層に対して伝えたい時は「挑戦する」を使うのがおすすめです。
・取引先にはこの案で承諾してもらえるよう、今一度挑戦してみてほしい。
・A社には、取引してもらえるように何度か挑戦したものの、残念ながら失敗に終わった。
以上のような使い方が、例として挙げられます。言い回しに迷ってしまったときの参考にしてみてくださいね。
【例文付】「アプローチ」はビジネスシーンでどう使う?
「アプローチ」は、ビジネスにおいて実際どのようにして使われるのでしょうか。
ここからは、誰かに報告、提案する時や、会議などでよく使われる言い回しを、シーン別に例文付きでご紹介していきます。
後輩や部下に交渉を促したい場合
・取引先に、この案で承諾してもらえるようアプローチしてほしい。
上司から部下へ指示する際によく耳にするフレーズ。自社の希望するプランに合わせてもらえるよう、交渉してみてほしい、といった意味が含まれています。
「承諾してもらえるよう交渉してください」というよりも物腰が柔らかく聞こえるので、後輩や部下へ指示する時に活用してみてくださいね。
価格交渉する場合
・まずは〇〇円からアプローチしてみよう。
こちらは、価格交渉をする時に使われる言い回しです。取引先相手の企業や顧客に、自社の希望価格で承諾してもらえるよう、話を持ちかけてほしいといった意味です。
部下や、チームのメンバーに指示をする時にも使えるフレーズなので、覚えておくと役に立ちそうですね。
できる限りの努力を伝えたい場合
・アプローチを試みたが、残念ながら失敗に終わった。
「アプローチを試みる」という言葉は、うまくいくかどうか分からないが、できる限りの努力を尽くして行動するという意味があります。厳しい状況であっても、諦めずに挑戦したという意思が伝わる言葉です。
たとえ失敗に終わったとしても、取引先や上司へこのように報告をすると、相手に良い印象を与えられるでしょう。
提案や交渉のやり方を表現したい場合
・さまざまなアプローチ方法を考えておく必要がある。
「アプローチ方法」とは、企業や顧客に対し、交渉や提案をしたりする時のやり方のこと。相手にどのような方法で話を持ちかけるのか、プランを練る場合によく使われるフレーズです。
「別のアプローチ方法を考えてみよう」「このアプローチ方法では希望が通らなかったので、再度考え直そう」といった使い方も例として挙げられます。
会議で多く耳にする言葉なので、ぜひ覚えておきましょう。
英語での「アプローチ」の使い方とは?
最近では、海外との取引がある企業も増えていますよね。英語で「アプローチ」は、どのように表現すればいいのでしょうか。
英語で「アプローチ」はどう表現される?
英語での「approach」は、動詞にも名詞にもなります。
「〜にアプローチする」というように動詞として使う場合は「approach 〜」と、対象になる物や人が後に続けて表現されます。
「approach to 〜」のように後ろに「to」がつくとき、また「an approach」と表現される場合は「〜へのアプローチ」「アプローチ方法」という意味を持つ、名詞に変わります。
では、実際にビジネスでも使われる言い回しを見ていきましょう。
「アプローチ」を使った英語の例文
・How did you approach the company to get an answer?(返答を得るため、会社にどのようにアプローチしましたか?)
・We need to plan a new approach to the problem.(この問題に対して新しいアプローチを考える必要がある。)
・I think this approach is much better than the first.(このアプローチ方法は、最初のよりもずっといいと思います。)
他にもさまざまな使い方がありますが、例としてご紹介しました。海外のビジネスパーソンとのやりとりで困らないよう、英語での「アプローチ」の使い方も覚えておきましょう。
意味と使い方を学んでスキルアップを目指そう
「アプローチ」は、ビジネス用語の中でも頻繁に使われる単語。意味が分かっていると、職場でのやり取りがスムーズになりますし、自然に使いこなせるようになることで、「スマートな人だな」と周りにいい印象を持ってもらえることもあるでしょう。
会社同士のやり取りや商談、会議の資料作成など、さまざまなシーンできっと役立つはずです。少しずつ取り入れていきましょう。
(上色ゆるり)
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