ネガティブ思考をやめたい? ネガティブのメリットや強みにする方法【診断付】
ネガティブ思考をやめたいと思っていませんか? でも、実はネガティブ思考にはメリットがたくさんあります。今回は心理カウンセラーの高見綾さんに、ネガティブ思考になる原因や上手な付き合い方を教えてもらいます。
一般的にネガティブ思考といえば、あまり良くないイメージを持つのではないでしょうか。ネガティブ思考の自分を変えたいと思っている人もいるかもしれませんね。
そこで今回は、ネガティブ思考とは何かについて詳しく解説します。実はメリットもありますので、ネガティブ思考を強みにする方法もお伝えします。
Check!
ネガティブ思考ってデメリットばかり?
そもそも、ネガティブ思考とはデメリットばかりなのでしょうか? その点について、お話しします。
ネガティブ思考とは?
最初に、「ネガティブ思考」とは何かについて。
物事には、ポジティブな面とネガティブな面の両方があるものですが、ネガティブ思考は、「物事の悲観的な面ばかりを考えてしまう思考回路」のことをいいます。
つまり、うまくいっているのに「私はまだまだ」と考えたり、「良いことが起こったから次は悪いことが起こるに違いない」と考えたりします。
行動を起こす前から失敗を恐れて「私には無理」「できない」と結論を出したりすることもありますし、一回失敗しただけなのに拡大解釈をして「私はいつもうまくいかない」と思い込んでしまったりすることもあります。
発想がネガティブに偏り過ぎると、負の連鎖が起き、行動することができなくなってしまうこともあるでしょう。
ネガティブ思考はメリットもある!
上述したように、ネガティブ思考に偏り過ぎると、ぐるぐると同じことで悩み続けて行動に移せなくなってしまうことがあります。
こう聞くと、ネガティブ思考は良くないことのように感じるかもしれませんが、実はそうではありません。
まず大きなメリットとして挙げられるのは、危機管理に優れた力を発揮する点です。
例えば、新しいことに挑戦する時や、多くの人を巻き込むような仕事をする時は、「なんとかなるでしょ」というポジティブ思考だけでは不測の事態に対処することができません。
その点、ネガティブ思考は、「万が一トラブルが起きたらどう対処するか?」を考えておくことができるので、あらゆる事態を想定し、しかるべき対策を予め取っておくことができるのです。
また、ネガティブ思考は物事の悪い面に常に着目しているので、一見うまくいったように見えたことでも、改善点を見つけていくことができます。
そういった意味では、商品やサービスの質を上げていくことにつながるので、仕事面では必要な思考回路だといえるでしょう。
あなたはどう? ネガティブ思考診断
ここでは、ネガティブ思考か判断するチェック項目を10個用意しました。7個以上当てはまると、あなたはネガティブ思考だといえるでしょう。
・やる前から「失敗したらどうしよう」と考えがち
・考えてばかりで行動に移せないことが多い
・「私なんて」「無理」「できない」などが口癖
・目の前のやるべきことから逃げたことがある
・心配性で慎重なところがある
・うまくいったことがあっても「私はまだまだだ」と思う
・人の発言を深読みする癖がある
・人からの評価が気になる
・成功体験は少ない方だと思う
・内向的な性格だ

あなたの「ネガティブ度」を診断でチェックしてみましょう。
ネガティブ思考になってしまう原因
では、どうしてネガティブ思考になってしまうのでしょうか? その原因について見ていきましょう。
(1)劣等感が強く自信がないから
ネガティブ思考の人は、何かにつけて他人と自分を比べます。さらに、そういう時は他人の良い面と自分の悪い面を比べるので、そもそも勝ち目はないのですが、落ち込んで自信をなくしてしまうのです。
このように、劣等感が強く自分を肯定することができないので、他人からの評価を気にします。そのため、ますます周りの言動に一喜一憂するようになり、悩みが深くなっていくのです。
(2)成功体験が少ないから
そもそも、行動していないので何かを成し遂げることができていないというケースもありますし、努力したけれども結果的に報われなかったケースもあるでしょう。
中でも、頑張ったけれど報われなかったという挫折体験をすると、私たちはひどく打ちのめされます。
「今度も、前みたいにうまく行かなかったらどうしよう」と怖くなり、取り組む前から悲観的な発想にとらわれるようになります。
(3)幼少期の影響から
幼少期の経験は、私たちの内面に大きな影響を与えるといわれています。よって、親から否定的なことを言われて育ってきたりすると、自信が持てず自分を肯定的に捉えることができにくくなる傾向があります。
また、学生時代に仲間外れにあったり、クラスの子になじめず疎外感を味わったりといった経験があると、自分が良くない存在のように思い込んでしまい、悲観的な考え方に偏るようになります。
ネガティブ思考を上手にコントロールする方法
前述したように、ネガティブ思考はデメリットばかりではありません。
ですので、そんなネガティブ思考をコントロールし、上手に付き合っていく方法を最後にご紹介します。
(1)不安なことを紙に書き出す
ネガティブ思考の人は頭の中でぐるぐると考え続けていると、不安が膨らんでどんどん悲観的な発想が止まらなくなってしまうので、不安なことは紙に書き出して「見える化」しましょう。
もし恋愛で「彼氏からの連絡が遅いと不安になる」としたら、なぜそれで不安に感じてしまうのかについて、例えば「嫌われたのではないかと思うから」「浮気されているのかもしれないと思うから」など、書き出してみます。
そうすることで、自分の中にある悲観的なストーリーを客観的に把握することができます。取り越し苦労の癖などにも気付くことができるでしょう。そして、自分と不安感の間に適切な距離が生まれることで、不安に飲み込まれずに済むようになるのです。
不安感をなかったことにするのではなく、きちんと向き合うことで2人の関係の不安要素を減らすことにもつながります。
(2)対策を考えて実行する
上記のように、何が不安なのかを書き出した後は、どうすれば良いのかについても案を出しましょう。
例えば「彼氏に話してみる」でも良いですし、「趣味に集中する」などでもOKです。大切なことは、対策を考えて実行することです。
ネガティブ思考が良くないと思われているのは、悩むばかりで行動ができなくなってしまう点にあります。しかし、行動に移せるようになれば、ネガティブ思考の悪い面は出にくくなるでしょう。
(3)「どうすればできるようになるのか?」を考える
ネガティブ思考の人は、取り組む前から「私には無理そう」と判断して、できない理由をあれこれ探して自分を納得させようとします。
そこで自分に対する質問の仕方を変えてみましょう。「どうしたらできるようになる?」と質問してみると、できる理由を探すようになります。
元々、ネガティブ思考の人は発想力に優れており、改善点を見つけることが得意です。自分に対する質問の仕方を変えることで、ネガティブ思考のメリットを生かすことができるようになるでしょう。
(4)うまくいかなかったことの中にも、ポジティブな面を探す癖をつける
ネガティブ思考の人はうまくいかなかったことがあると、「もうダメ」「台無し」というように、全否定しがちです。
でも、うまくいかなかったことの中にも、何か次につながる学びがあるものです。それを意識的に探す癖をつけましょう。
例えば、新しい仕事に挑戦してみたけれど成果が出なかった場合は、「プレゼンではこういうところに気を付けてやればいいんだと分かった」「勇気を出してチャレンジしたことで自分の殻を破れた」など、ポジティブな面を見つけて自分にマルを付けてあげるのです。
すると、どんどん改善されて仕事の質が上がっていくでしょう。
ネガティブ思考を味方につけよう!
ネガティブ思考は物事を悲観的、否定的に捉える思考回路のことをいいます。
ネガティブ思考がデメリットばかりと思う人もいますが、危機管理能力の高さや改善力、発想力の豊かさなどは、ネガティブ思考の大きなメリットです。思考回路を少しコントロールすることにより、メリットを十分に生かしていくことができるでしょう。
ネガティブ思考を味方につけて、上手に付き合っていきたいですね。
(高見綾)
※画像はイメージです
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