職場でいじめに遭っているかも。いじめに遭いやすい人の特徴と5つの対処法
生活の大半を過ごす職場でいじめに遭うと、とてもつらいですよね。無視や仕事の押し付け、そんなものに耐える必要はあります。そこで今回は、心理カウンセラーの秋カヲリさんに、職場いじめのよくあるパターンから、対処法まで詳しく教えてもらいます。
職場で無視されたり、自分だけ飲み会に誘われなかったりすると「もしかして自分は職場いじめに遭っているのかな……?」と不安になりますよね。
「〇〇さんならできるよね!」と、あたかもあなたを信頼しているかのように見せかけて、笑顔で仕事を押し付けるなどずるいやり方でいじめてくる人もいるので、注意が必要です。
今回は、そんな「職場いじめ」の例やいじめられやすい人の特徴を解説し、いじめられた時の対処法まで紹介します。
いじめから脱するにはどうしたらいいのかを知り、一刻も早くつらい状況から抜け出しましょう。
「職場いじめ」でよくあるパターン
職場いじめにはどんなものがあるのでしょうか。よくあるパターンを5つ解説します。
(1)無視される
あいさつをしても返事が無い、話し掛けてもスルーされるなど、無視される場合は職場いじめに遭っているかもしれません。
確実に相手に届く声量で話しているのに返事が無い場合は、対策を打った方がいいでしょう。
(2)飲み会に誘われない
飲み会に誘われないのも、同じく仲間外れにされているサインかもしれません。
ただし、仲の良い人同士で集まって飲み会を開催しているパターンも考えられますので、「あなたが誘われないとおかしい」という飲み会に誘われない場合のみ、いじめに遭っている可能性があると考えられます。
(3)あなたがする必要の無い仕事まで押し付けられる
同僚や上司から、あなたがする必要の無い仕事まで無理やり押し付けられて、断れずに残業……というのも職場いじめの可能性があります。
「〇〇さんだから頼めるんだよ~」と笑顔で頼んでくる悪質なケースもあります。
(4)雑用ばかり任される
大切な仕事は任されないのに、誰でもいいような雑用ばかり任されるのもいじめと捉えられる場合があります。
上司からいじめを受けている場合、こうした嫌がらせが起きがちです。
(5)陰口を言われる
根も葉も無いうわさを広められたり、陰口を叩かれたりするのも代表的な職場いじめです。
これは(1)〜(4)のパターンとは異なり、確実な悪意が伺えます。
職場でいじめられやすい人の特徴と原因
つらい事実ではあるのですが、職場でいじめに遭いやすい人には共通する特徴があるように思います。その特徴といじめられる原因について、考えられる可能性をお伝えします。
(1)周囲に合わせて行動する
いじめられやすい人は、相手に合わせることでさまざまな問題を解決しようとする傾向があるといえます。
「相手に従えば丸く収まるだろう」という考えで服従した結果、あなたをいじめるような支配的な人ばかり集まってきたり、主従関係のようになってしまったりするのです。
「気に入られたい」「認められたい」「自分の意見を言うのが怖い」「拒絶されたくない」といった気持ちで相手に合わせて従うのは、良い方法ではありません。自分の意見を伝える強さが必要です。
(2)「断ったら嫌われる」と思い込んでいる
いじめられやすい人は、「NO」と言えない人が多いです。相手の要求を断ったら嫌われてしまうのではないかという強い不安を抱いているからです。
こうした極端な恐れを抱いている人の多くは、過去に支配的な人から何かを強要されたり否定されたりした経験があります。それがトラウマになり恐怖心を募らせているのです。
(3)相手に従えばいつかは感謝されると思っている
職場でいじめられやすい人は、何か理不尽な要求を突き付けられても「大人しく従順に受け入れていればきっといつか感謝してくれる」「自分を認めてくれる」と信じて相手に従い続ける傾向があります。
しかし、実際には相手に従い続けても感謝されることも無ければ、認められることもありません。「自分に従って当然だ」と思われるだけなのです。
(4)自分に自信が無い
いじめを甘んじて受け入れる人は、自分に自信が無い傾向があります。だから、拒否したり断ったり、自分の意見を主張したりすることが難しいのです。「自分はいじめられても仕方がない人間だ」とそのまま受け入れてしまうことすらあります。
職場いじめに効果的な対処法
心理学を元に、いじめに遭った時の対処法を5つ解説します。気を付けるべき点も併せて紹介しますので、つらい思いをしている人はぜひ実践してみてください。
(1)上司に相談する
黙って耐えているだけでは、誰にも助けてもらえません。信頼できる上司がいるなら、自ら上司に相談するなどして、周囲に助けを求めましょう。自分だけでは立ち向かう勇気が出なくても、サポートを受けることで状況が改善されることはよくあります。
その他にも、信頼できる先輩がいれば、相談相手は上司以外でも問題ありません。部署を変えてもらうなどさまざまな方法で、転職せずとも今の環境から離れられるように相談してみてください。
(2)はっきり「やめてほしい」と伝える
今後いじめられないようにするには、いじめられやすいキャラクターを卒業する必要があります。そのためには気持ちをはっきり伝える勇気が必要です。
相手にしたくないことを強要された時は、「やめてほしい」「できません」と言い返すのです。すると、案外それ以降強要されなくなることもあります。
また、相手は断られたからと言ってさほど傷ついたりしません。そこであなたを責めたり、より陰湿ないじめをしたりするような相手であれば、第三者に相談し法的な手段を取ることも考えるといいでしょう。
(3)安請け合いしない
頼まれ事をした時に「いいよいいよ」とすぐに快諾する癖がついているなら、すぐに改めましょう。
何か頼まれた時は安請け合いせず、悩んだら「他の作業があるから、上司に優先順位を相談してからでもいい?」と返しましょう。すると、嫌がらせとして作業を依頼している人なら大ごとになるのを恐れて、引き下がることがあるでしょう。
(4)信頼できる同僚を作る
無理に相手に合わせたり従ったりするのは、いじめてくる人以外に親しい人がいないからという可能性もあります。
1人でも信頼できる気心知れた同僚がいれば、「たとえこの人に嫌われても、あの人がいる」と思えて、あなたをいじめる人との関係を断つ勇気が出ます。
ですので、まずは自ら職場の人たちとコミュニケーションを取っていきましょう。そして、信頼できる同僚を作りましょう。
(5)転職する
会社全体の雰囲気が悪かったり、信頼できる同僚も作れそうになかったりしたら、転職して環境を変えることも視野に入れましょう。関係を切るのはいじめから脱却する一番有効な手段です。悪い人間関係はリセットしてください。
ただ、自分がいじめられやすいキャラクターだと新しい職場でもまたいじめられてしまう可能性があります。ですので、転職先では「自分の意見を言う」「無理なことは、はっきり断る」「職場の人と信頼関係を築く」などの言動を心掛けましょう。
黙って耐えるのではなく自分が変わることが重要
「良い人」であろうとするあまり、「都合の良い人」になってしまう人は少なくありません。ですが、そもそも嫌いな人から好かれる必要は無いのです。
いじめられないようにするには、自分が変わるのが一番効果的。支配的な人からいじめられないように、自分の意思と、その意思を伝える勇気を持ち、いじめられやすい人から卒業しましょう。
(秋カヲリ)
※画像はイメージです