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悪口を言う人の深層心理とは? 不幸を招くって本当?

小日向るり子

職場に悪口ばかり言っているような人はいませんか? その話を聞かされるのも、自分が悪口を言われるのもつらいもの。今回はそんな悪口ばかり言う人への対処法を、心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞いてみました。

人の悪口を言うのが好きな人っていますよね。その場の空気を考えてある程度話を合わせている人も多いと思いますが、ずっと人の悪口を聞いているのも疲れますよね。

また、今まさに自分が悪口の対象とされて不快な思いを抱えている方もいるのではないでしょうか。

今回は、悪口を言う人への対処法をお伝えしていきたいと思います。

よく悪口を言う人に見られる共通点

誰でも悪口を言ってしまうことはあるでしょう。ただ、口を開く度に悪口を言うような人は困りもの。では、そんな人たちにはどのような共通点があるのでしょうか?

(1)情報通

悪口を言うためにはいわゆる「ネタ」が必要です。そのため、悪口が好きな人は常にネタを探して動いており、その中で必然的にさまざまな情報が集まってきます。

よって、悪口が好きな人の中には「社内の情報通」と呼ばれるような人が多い傾向があります。

(2)社内派閥に属している

悪口を言えば、逆に言われるリスクも上がります。しかし、社内で派閥に属していると、周りが忖度してくれたり、悪口を言う相手から集団の力で守ってもらえることがあります。

つまり「派閥」という後ろ盾があることで、自分が強くなった錯覚に陥り、悪口が言いやすくなるのです。

(3)社交的

悪口を言う人は、成功体験によって悪口に磨きをかけていきます。成功体験とは、悪口によって周りが自分の話に興味を持ってくれた、共感してくれた、など承認欲求が満たされる経験です。

そうなると当人は話術がうまくなり、悪口にも磨きがかかって社交的な性格になっていくのです。

(4)秘密主義

悪口を言う人の中には、自分が悪口を言われるリスクについても理解している人はいます。

そういう人は、「自分自身がネタになるようなことは絶対に提供したくない」という気持ちが強く働きます。そのため周りからすると、人のことばかり言って、自分のことは絶対に話さない秘密主義者のように映ることが多いです。

悪口を言ってしまう心理とは?

では、どうして悪口ばかりを言ってしまうのでしょうか? その心理に迫ります。

人はどうして悪口が好きなのか?

悪口は、ストレス発散になるからです。ただし、悪口がストレス発散になるためには、他人から「その気持ち分かる!」といった同調をしてもらうことが必要です。

そして、悪口は自分の中にあるコンプレックスの裏返しでもあります。例えば、「あの子って、明るいのはいいけどちょっとうるさいよね」など、自分が本当はうらやましいと思っている相手の性格を悪口として吐き出してしまうのです。

相手への悪口というねじれた形でも、自分のコンプレックスを吐き出した時に誰かに同調してもらえると、コンプレックスが受け入れられた、認められたという気持ちになります。

はたから見ると、悪口を言う人もそれに同調して盛り上がっている人も、お互いのコンプレックスを慰め合っているだけなのですが、当人たちは吐き出せたスッキリ感と同調心理によって得た安心感に包まれているため心地良いのです。

悪口を言うのは「防衛機制」という心理が働くから

悪口を言う時の心理は、精神医学者のフロイトが提唱した「防衛機制」という心理メカニズムの側面から解き明かすことができます。

防衛機制とは、自分自身の心理的な葛藤や、外部から攻撃を受けた時に感じる苦痛を回避するために、無意識的に生じる心の動きを指します。

以下は、全てその「防衛機制」のメカニズムの特徴です。

(1)同一化

「同一化」とは、自分一人では不安なため、自分以外の人と自分が融合し一体感を持とうとすることです。

これはまさに、悪口を言う人がよく使う「ねえ、あなたもそう思わない?」と同意をうながしてくる言葉によく表されています。

(2)投影

「投影」は、自分の欠点を受け止めることができないため、自分以外のものに責任を転嫁することをいいます。

例えば、人の顔に難癖ばかりつけている人は、実は自分の顔にコンプレックスを抱いているといった現象などが投影にあたります。

(3)逃避

「逃避」とは、現状が苦しいため、他のものに心的エネルギーを注いで現状から回避することです。

悪口とは少し異なりますが、クレーマーの心理は逃避行動である場合も多く、本当に商品やサービスそのものの改善を求めているわけではないとされています。クレームや悪口にエネルギーを注いで、本来向かい合うべき何かから逃げているだけということです。

(4)昇華

「昇華」とは、物事を受け入れ欲求を発散させることです。これは、自虐ネタなどを織り交ぜながら悪口を言う人に見られる心理状態です。

しかし、昇華は上手に使わなければ周りから「痛い人やめんどくさい人」に見えてしまう可能性があります。

例えば、自分の容姿に自信が無い場合に「私って容姿が悪いじゃない?」と返答に困るような自虐を言った後に「私はあの人みたいに美人じゃないから、内面くらいは磨いておかないと思ってるの」といったような、遠回しな悪口などが、それに当たるでしょう。

悪口を言う人への対処法

ここまでで、悪口は言う人自身の防衛のために行われていることが分かったと思います。つまり、あなたが原因ではない場合が多いのです。

そんな悪口でつらい思いをしているなら、今すぐ対処していきましょう。

自分で対処するには?

(1)相手を俯瞰で見る

前述したように、悪口を言う人の本質は、コンプレックスの裏返しや過剰な自己防衛心理です。つまり、自分の弱さから目を背けたいがために、他人を利用しているということなのです。

そう考えるとかわいそうな人だと思えてきませんか? 悪口を言われている時はどうしても感情が自分のつらさに向いてしまいがちですが、悪口を言う人を俯瞰で見て、相手にしないというのが最善の方法です。

(2)逃げる

逃げる勇気を持ちましょう。悪口を言う人に対して面と向かって抗議するという方法もありますが、こちらが敵対心を燃やすと相手がヒートアップする可能性もありますし、派閥に属していると集団の力を利用されて面倒なことにもなりかねません。

その人から完全に離れることが難しい場合は極力接点を少なくしましょう

誰かの力を借りて対処するには?

(1)上司に伝える

悪口を言われ続けていると「自分に非があるのだろうか」といった自責感情が出てくる場合があります。特に、自分に自信が無かったり、仕事上で業務に慣れていなかったりするとそのように思ってしまいがちです。

しかし、行き過ぎた悪口はハラスメントに該当する可能性もあります。第三者であり、かつマネジメント権限を持つ人に相談してみましょう。

直接伝えるのが難しい場合は話しやすい先輩に相談し、そこから上司に伝えてもらうといったやり方も考えてみてください。

(2)愚痴を吐かせてもらう

たまったストレスを吐き出して共感してもらうと心がスッキリし、思考が前向きになります。誰かに言いたい愚痴は誰にでもあります。自分が吐き出したら、今度は相手の愚痴も聞いてあげればよいのです。

心理カウンセラーやキャリアカウンセラーなど、専門家に聞いてもらうのでも構いません。独りで抱え込もうとせずに、ネガティブな感情は吐き出していきましょう。

悪口を言うと不幸を招く

悪口ばかり言っていると、それを聞く人は「この人は私のいないところでは、私の悪口を言っているのではないか」といった懐疑心を抱くようになり、その人には大切なことやプライベートなことを話さないようになります。

さらに、ネガティブな言葉ばかり聞いていると疲れるため、その人を避けるようになっていきます。悪口を言う人は自分が話の中心になって同調してもらって盛り上がりたいのに、結果は真逆になっていくのです。

したがって、現在自分が悪口を言われているとしても「この人は自分で不幸を招いているんだな」と思っておけばよいのです。人をだましたり傷つけたりしていなければ、あなたに非は無くほとんどが相手の問題です。

対処法も取り入れつつ、相手の問題に巻き込まれないように自分の軸をしっかり保っていきましょう。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

参考記事はこちら▼

あなた自身は不幸体質じゃない? 診断でチェックしてみましょう。

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