「オワコン」とは。意味・元ネタ・使い方を解説【ネットスラング大辞典】
「オワコン」という言葉を耳にしたことはありますか? こういった、SNSや電子掲示板などで発生し、使用される俗語を「ネットスラング」と言います。その言葉の意味や元ネタを調べると、思い掛けない発見があるかもしれません。今回はITジャーナリストの高橋暁子さんに「オワコン」について解説してもらいました。
インターネットで利用されるスラング、「ネットスラング」。SNSや電子掲示板などで発生し、使用される俗語のことだ。
ネットスラングの中には、インターネットを飛び出して口語として利用されるようになるものもある。SNSなどで多く見かける、「オワコン」の意味を見ていこう。
「オワコン」の意味と類義語
「オワコン」とは、ピークを過ぎた、流行遅れなどネガティブな意味で使われるネットスラングである。
意味
オワコンとは、旬が過ぎて話題性が薄れたり、飽きられたり、興味を持たれなくなったコンテンツのこと。一般的に人気が無くなり、自分が興味を失ってしまったコンテンツを指す言葉である。
ゲームやアニメ、漫画などに使われることが多いが、人物について使うこともある。後者の場合は、「ピークを過ぎた人」「過去の人」などの意味になる。
一世を風靡した頃の勢いが失われたり、その頃より人気が落ちていたりすると「オワコン」と言われることがあるが、そもそも元から人気が無い場合では使われない。
類義語
時代遅れ、流行遅れ、時代に取り残される、流行に置いていかれる、古くなるなど。
「オワコン」の元ネタや語源
語源は、「終わったコンテンツ」の略。おわコン、終わコン、とも表現される。由来は、電子掲示板・2ちゃんねる(現在は5ちゃんねるに名称変更)で、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズに対する「ハルヒは終わったコンテンツ」という書き込みからといわれている。
なお、オワコンは2011年の「ネット流行語大賞」で5位にランクインした。この時の1位は、同年に起きた東日本大震災の影響で、民放で繰り返し放映されたACの公共広告「あいさつの魔法。」の歌詞の一節、「ぽぽぽぽ〜ん」となっている。
「オワコン」の使い方
対象に対するネガティブな評価をする時や、その対象が終わってほしい(衰退してほしい)という意味合いでも使われることがある。以下が「オワコン」を使う時の例文だ。
・「あのアニメ、もうオワコンだよね」(あのアニメはもうつまらなくなった)
・「もうテレビなんてオワコンでしょ」(テレビはもう時代遅れだ)
・「あのタレントもうオワコンだよね」(あのタレントの時代はもう終わった)
・「俺の人生オワコンだわ」(人生が全くうまくいかない)
「オワコン」を使う時に共通しているのは、ネガティブな評価をしているという点だ。中には、自分が好きではない相手や事象に対して、あえて「オワコン」評価するような挑発的な使い方がされることもある。
また、今では「オワコンという言葉自体がオワコン」ともいわれている。
「オワコン」と「エンドコンテンツ」の違い
「エンドコンテンツ」という言葉をご存知だろうか。ゲームで使われる言葉で、通常ルートでゲームをクリアした後や、最高レベル到達後にプレイできるようになるお楽しみステージを指す言葉である。つまり、ゲームのやり込み要素というわけだ。
「エンドコンテンツ」を「オワコン」と同じ意味合いだと考えて誤用しているのを見かけることがあるが、前述したようにオワコンは「終わったコンテンツ」といったネガティブな意味を持つ言葉であり、エンドコンテンツとは全く違った意味なので、使う時には注意してほしい。
ネットスラングは重い内容をライトに表現できる
ネットスラングは、元々口語に近い使われ方をすることが多い。それによって、元の意味から次々と派生した意味を持つようになっていく。
ネットスラングを使うことによって、多少重い内容もライトに表現できるというメリットもある。ただし「オワコン」は人を傷つける可能性がある言葉なので、日常生活で使う場合は注意してほしい。
(高橋 暁子/ITジャーナリスト・All About ITリテラシーガイド)
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