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事務職におすすめの資格。キャリアアップや転職に有利なのは?

ぱぴこ

事務職で転職やキャリアアップを考えている場合、どのような資格があれば役立つのでしょうか。外資系企業に勤めるコラムニストのぱぴこさんに、事務職の現状と、おすすめの資格について教えてもらいました。

適正がない仕事、それが「事務職」である注意力散漫な私です。就職活動の時から「一般職」と呼ばれる仕事への適正が0であることは理解していました。

経費精算処理や勤怠処理は本当に嫌いで苦手、いつだってアドミン(※)の方々に教えてもらい、助けてもらい、なんなら肩代わりしていただいて生きております。

※アドミニストレータ(administrator)の略。主にコンピュータやネットワークにおける管理者のこと。

「事務仕事」というと、お茶くみ的な仕事を想像されることがあったりします。また、会社によって「事務」がカバーする範囲が違ったりと、業務内容が統一されているとは言い難い職種です。

今回はこの「事務職」の現況について掘り下げ、今後キャリアップや転職にあたり有利となるような資格についてお話しします。

事務職を取り巻く現状

事務職の仕事や求人の現況とは? キャリアアップや転職を考える前に知っておきましょう。

事務職の業務範囲

昭和の時代は結婚までの腰掛け、かつ本当にお茶くみなどの雑用の仕事を「事務職」と呼んでいたそうで、なんて裕福な時代なのだろうかと感動します。

しかし、現在は事務の担当する範囲がかなり広がっています。

資料作成、データ集計、会社によっては経理・総務・人事・秘書などの職務をまるっと「事務職」が受け持っている場合もあります。

また、「営業アシスタント」などのアシスタント業務を担う場合は、契約書等の書類や顧客管理などの専門職種といえる業務内容にも及びます。

労働力不足で業務内容は拡大傾向&人気も継続

昭和的事務職はもはや幻。日本の労働人口の減少は避けられず、「より少ない人数で、より多くの業務を、高度な専門性で」という「無茶では?」な要求が続きそうです。

また、事務職の人気は根強く、その点からも企業側が強気の採用を継続すると推測されます。

dodaが発表している、2020年7月転職求人倍率レポートを見ると、全体の求人倍率と事務・アシスタント系の倍率の差が実際ものすごいです。

・全体の求人倍率:1.61倍
・事務・アシスタント系の求人倍率:0.18倍

これは2020年7月が外れ値なわけではなく、各月・各年においても同様の傾向です。

求人倍率とは、経済指標のひとつで、求職者(仕事を探している人)1人あたりに対して何件の求人があるか、を示しています。

例えば、求職者100人に対して求人が200件あるとき、有効求人倍率は2.0倍となります。つまり、2020年7月の全体の転職求人倍率では、求職者100人に対して160件以上の求人がある状態のため、全体でみると「仕事がある」状態です。

しかし、事務・アシスタント系の求人倍率は0.18倍であり、1を大きく割っており、競争率が高く「仕事がない」状態と言えます。例えば10名の求人に対して55名程度の求職者が集まった状態が、求人倍率0.18倍のため、競争率の高さが伺えます。

競争率が高い=キャリアアッププランが必要

人気の職種ということは、事務職で強みやキャリアアッププランを構築する必要があります。

業務内容が会社により違い、標準化が難しいため、資格が一定の効果を発揮するでしょう。

事務職のキャリアアップや転職に有利な資格

基礎力を証明するものから、専門性の高さをアピールするものまで資格は難易度が様々です。

また、「事務職ならこの資格が有利」と盲目的に信じられている認知度の高い資格もあります。

未経験者などの転職に有利となる資格から、経験者のキャリアアップを助ける資格まで、具体的な資格名で確認しましょう。

転職の際に有利となりうる資格

基本的な処理能力があると企業に見せる資格です。事務未経験者が事務職に転職する際に取っていると多少有利に働く可能性があるでしょう。

(1)日商簿記検定

経理・財務系の資格におけるスタンダードかつ非常に強味を持つ「日商簿記検定2級」。

財務諸表の理解など、企業の経営管理の知識が身に付きます。資格の認知度も高く、経理系の職種の求人要件に資格が含まれていることも多いです。

2級以上は明確に強みになります。

(2)MOS

現代事務において必須のアプリケーションである、マイクロソフトオフィス製品(ワード、エクセル、パワーポイント、アクセス)のスキルレベルを証明する資格です。

事務においては特にエクセル、アクセスを活用したデータ集計技術が必要なため、レベルが分かる本資格は使える資格といえるでしょう。

(3)秘書技能検定

秘書技能検定も2級以上は難易度がぐっと上がり、秘書業務要件に記載がある一般的な資格です。

3級はマナー研修の一貫で取り入れている企業もあります。

(4)ビジネス文書検定

ビジネス文書検定は過去のワープロ検定から歴史が続く一部認知度が高い資格です。事務業務の基本となる文章を作る知識がアピールできます。

キャリアアップに有利な資格

もしキャリアアップしたいなら、もっと別の資格が必要です。

自分が目指す事務職像を考えながら、その分野で強みになりうる資格を取得しましょう。

(1)通関士

貨物の輸出、輸入を行うには「通関」と呼ばれる税関の許可が必須です。通関にかかわる手続きを専門に行うのが通関士です。

国家資格で難易度は高いですが、専門性の高い貿易事務業務の中でさらに強みを発揮できることから、キャリアアップにつながる資格といえます。

(2)社労士

社労士も国家資格で難易度は高いですが、人事業務においてスペシャリティの発揮や、独立開業を目指せるなどキャリアアップという観点からは非常に有力な資格といえます。

事務職という枠に留まらないキャリア構築を可能にします。

(3)TOEIC

言わずと知れた英語能力検定のTOEICも、事務職におけるキャリアアップで重要です。

英文書類の作成などができれば、外資系企業のアシスタント職種や英語業務などを中心にキャリアを選択できます。

一般的に広く知られるテストでもあるので、汎用性が高いです。

どんな事務職を目指すのかによって、取得したい資格は変わる

事務に限らず資格を習得して仕事に生かしたい場合は、どんな仕事をしたいかという目的をはっきりさせましょう。ただ資格を習得しても「資格を持っている人」で終わってしまっては本末転倒です。

事務職の定義と範囲は企業による部分も多く、また「〇〇事務」というように専門性が付与された業務も数多くあります。

また、一般事務の内容も電話応対や定型文書作成といった単純作業ではなく、データ整理・分析作業を求められています。

そのため、自分の能力を伸ばすための網羅的な勉強と、「これができる」という証明のために資格を習得することは一定の効果があります。

自分が目指す事務の方向性を決め、業務に対応するための勉強をすることで、キャリアアップは実現されます。頑張りましょう。

(ぱぴこ)

※画像はイメージです

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